東レの3月期 繊維・炭素繊維複合材が振るわず減収減益

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2021年5月14日

 東レが13日に発表した2021年3月期の連結決算(IFRS)は、売上収益は前年比10%減の1兆8836億円、事業利益28%減の903億円、純利益46%減の458億円だった。国内外ともにコロナ禍による生産活動・消費行動停滞の影響を受けた繊維や、炭素繊維複合材料が振るわず減収減益となった。

 セグメント別に見ると、繊維事業は減収減益。衣料用途は各国でのロックダウンや過剰な流通在庫から需要が低迷し、産業用途は一般資材用途が低調で販売数量が減少した。医療用白衣地やマスク用途での不織布需要の増加に加え、3Q(10-12月期)以降に自動車関連用途で回復の動きが見られたが、総量の減少をカバーできなかった。

 機能化成品事業は減収増益。樹脂事業は、コロナ禍による生産活動停滞の影響を受けたが、3Q以降、自動車メーカーの稼働や中国経済の回復を受け、需要が好調に推移。ケミカル事業は、基礎原料の市況が回復傾向となった。フィルム事業は、LIB向けバッテリーセパレータフィルムが市況価格低下の影響を受けたが、ポリエステルフィルムでは光学用途や電子部品関連が好調に推移、電子情報材料事業は、有機EL関連の需要が増加した。

 炭素繊維複合材料事業は減収・事業損失。一般産業用途では、風力発電翼用途が堅調に推移したものの、航空宇宙用途では民間旅客機のビルドレートの減少が響いた。環境・エンジニアリング事業は増収増益。水処理事業は、逆浸透膜などの需要はおおむね堅調に推移し、環境・アメニティー事業では、エアフィルターの需要が好調だった。

 ライフサイエンス事業は減収増益。医薬事業は、経口そう痒症改善薬「レミッチ」が後発医薬品発売の影響を受けたほか、昨年4月の大幅な薬価改定の影響を受けた。医療機器事業は、新型コロナ感染拡大に伴い、医療機関での不急の手術先送りの影響がある中、ダイアライザー(透析器)は国内外で堅調だった。

 なお、2022年3月期の連結業績は、売上収益13%増の2兆1200億円、事業利益33%増の1200億円、純利益75%増の800億円を見込む。

 

住友化学の3月期 総合化学の守りの強さで増収増益

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2021年5月14日

 住友化学は13日、2021年3月期の連結業績(IFRS)のオンライン決算説明会を行った。売上収益は前年比3%増の2兆2870億円、コア営業利益11%増の1476億円、営業利益微減の1371億円、純利益49%増の460億円となった。また海外売上比率は3ポイント増の68%だった。

 石油化学の落ち込みを情報電子化学と健康・農業関連事業で補い、岩田圭一社長は「コロナ影響の少ない医薬・農薬の底堅い業績、巣ごもり需要による情報電子の過去最高益、石化市況の急回復の3要因で、コア営業利益は前年比150億円増となり、多様な事業展開による守りの強さを示した1年だった』と総括した。

 セグメント別では、

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昭和電工の1-3月期 事業環境の大幅改善で増収増益

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2021年5月14日

 昭和電工は13日、2021年12月期第1四半期(1-3月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比98%増の3397億円、営業利益8.4倍の208億円、経常利益7.8倍の251億円、純利益92%増の52億円となった。

 オンライン会見において竹内元治常務執行役員CFOは、「昭和電工マテリアルズが新規連結となり大幅な増収増益となった。ただすべてのセグメントで業績が回復したことも大きい」と総括した。

 セグメント別で見ると、

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デンカの3月期 減収の中で営業利益は過去最高を更新

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2021年5月14日

 デンカは12日、2021年3月期の連結業績を発表した。売上高は前年比7%減の3544億円、営業利益は10%増の347億円、経常利益は7%増の321億円、純利益は微増の228億円の減収増益となった。

 オンライン会見において今井俊夫社長は「新型コロナ影響によりクロロプレンゴム(CR)などの販売数量が大幅に減少したが、電子・先端プロダクツ製品やヘルスケア分野の新製品が大きく寄与し、過去最高の営業利益を達成した。スペシャリティー化推進の効果だ」と説明した。

 セグメント別では、

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旭化成の3月期 ヘルスケア領域が好調で収益は前期並み

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2021年5月14日

 旭化成は13日、2021年3月期の連結業績を発表した。売上高は前年比2%減の2兆1061億円、営業利益3%減の1718億円、経常利益3%減の1780億円、純利益23%減の798億円となった。

 オンライン会見において、工藤幸四郎常務執行役員は、「マテリアルと住宅のマイナスをヘルスケアで挽回し、ほぼ前期並みの業績となった。純利益はベロキシスの組織再編に伴う税金費用を先行的に計上したことで減益となった」と総括した。なお半導体工場(宮崎県延岡市)で発生した火災では、特別損失223億円を計上している。

 セグメント別に見ると、

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星光PMC 1-3月期決算(13日)

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2021年5月14日

[星光PMC/1―3月期決算](13日)単位100万円、カッコ内は対前年同四半期増減率。▽連結=売上高7,511(13.6%)、営業利益963(62.5%)、経常利益1,054(77.7%)、純利益700(79.3%)。

ADEKA 3月期決算(13日)

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2021年5月14日

[ADEKA/3月期決算](13日)単位100万円、カッコ内は対前期増減率。▽連結=売上高327,080(7.5%)、営業利益28,979(28.7%)、経常利益29,270(33.2%)、純利益16,419(7.9%)。

カネカ 3月期決算(13日)

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2021年5月14日

[カネカ/3月期決算](13日)単位100万円、カッコ内は対前期増減率。▽連結=売上高577,426(▲4.0%)、営業利益27,544(5.9%)、経常利益22,066(9.4%)、純利益15,831(13.1%)。

クラレの1-3月期 主要製品の販売回復で増収増益に

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2021年5月13日

 クラレは12日、2021年度第1四半期(1-3月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比6%増の1444億円、営業利益40%増の168億円、経常利益44%増の163億円、純利益21%減の53億円となった。なお米国寒波影響に関する特別損失30億円を計上している。

 セグメント別に見ると、ビニルアセテートセグメントは増収増益。ポバール樹脂は、世界的に需要回復が進み販売量が増加したが、米国寒波影響を受けた。光学用ポバールフィルムは、大型ディスプレイ向けを中心とした液晶パネルの需要増により好調に推移。PVBフィルムは建築向け、自動車向けとも販売量が増加した。水溶性ポバールフィルムは巣ごもり需要を背景に個包装洗剤用途で販売が拡大した。エバールは、食品包材用途の販売量は堅調に推移し、ガソリンタンク用途も需要が回復したが米国寒波影響を受けた。

 イソプレンセグメントは増収減益。イソプレン関連は、ファインケミカル、熱可塑性エラストマーともに、主に中国、アジアで需要が回復基調となり販売量が増加したが、原燃料高の影響を受けた。耐熱性ポリアミド樹脂は、電気・電子デバイス向け、自動車向けとも需要伸び販売が好調だった。

 機能材料セグメントは減収減益。メタクリルは、飛沫飛散防止用仕切板やディスプレイ向けの販売が増えた一方、看板向けなどは低調となった。メディカルは、歯科材料において主に欧米で販売が好調に推移。環境ソリューションは工業用途を中心に出荷が減少した。

 繊維セグメントは減収減益。人工皮革「クラリーノ」は、アジアや欧州で需要回復が見られた。繊維資材は、ビニロンの需要は回復基調となったが前年同期の販売を下回った。

 トレーディングは増収増益。繊維関連事業は、スポーツ衣料用途が伸び悩んだが、樹脂・化成品関連事業は、国内および中国を含むアジアにおいて販売が順調だった。

 なお同日、上期(1-6月期)の業績予想の修正を発表。第1四半期において、主力用途である自動車、ディスプレイ、電子・電気デバイスなどの需要が伸びたことを受け、ビニルアセテートとイソプレンは当初想定より出荷が増加し、第2四半期においても需要が堅調に推移することを見込む。これを踏まえ上期予想について、売上高2900億円(前回予想比100億円増)、営業利益300億円(同50億円増)、経常利益290億円(同65億円増)に上方修正した。なお、通期業績予想は据え置いている。