ダイセルはこのほど、新型のUV‐LED硬化型インクジェットインクを開発したと発表した。独自の配合技術を生かした機能により、UVインクジェットインクが実現できなかった機能を備えている。
これまでUVインクジェット印刷が難しかった製品の装飾を可能にし、デザインの幅を広げる。将来的には産業用印刷、封止材や接着剤、コーティング剤などへの展開を目指す。
特長の1つが高い密閉性。従来、金属やガラスにUVインクジェットインクで印刷を行う場合、剝がれなどの防止のため、前処理が必要だった。
しかし、新製品は同社が新たに開発した重合性化合物を配合することで、インクと対象物との間に高い密着性を獲得。前処理を施すことなく、金属やガラスに直接、フルカラーの印刷を行うことが可能になった。
もう1つの特長は、匂いの低減と高い薬品耐性である。UVインクジェットインクは、アクリレートモノマーで構成されているため、モノマー特有の匂いが残ってしまう。加えて、印刷物の薬品耐性が低く、屋内での使用が敬遠される傾向にある。
開発品はアクリレートモノマーを使わないインクであることから、臭いの低減と高い耐薬品性を実現した。このため、建築材料やビン、缶など、屋内製品にも安心して使うことができる。
なお、同製品は「新機能性材料展2019」(30日~2月1日、東京ビッグサイト)に出展する。ブース番号は2B-10。