DIC 脳科学とAI融合「脳モデル開発ユニット」に参画

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2020年10月12日

 DICはこのほど、「応用脳科学コンソーシアム」(東京都千代田区)発足による脳科学とAI融合研究のテーマ「脳モデル開発ユニット」に9月14日から参画したと発表した。

 「脳モデル開発ユニット」は、DIC、アサヒクオリティーアンドイノベーション、旭化成、NTTデータ、NTTデータ経営研究所の5つの企業、および情報通信研究機構(NICT)、脳情報通信融合研究センター(CiNet)などの研究機関や大学の参画による産学連携を主体とした研究開発活動への取り組みとなる。

 DICは、同ユニットへの参画を通じて化学素材の観点から脳科学とAIの融合研究に取り組むことで、得られた脳融合型AIの成果を製品開発に積極的に活用。同社の経営ビジョンである「化学で彩りと快適を提案する‐Color & Comfort by Chemistry‐」の実現につながる素材の開発と提供を目指す考えだ。

 世界中でAIの研究や事業応用が急速に進む中、人間の脳の仕組みや機能をAIに応用する脳科学とAIの融合研究は、大きな分野となる可能性を秘めている。日本の脳科学研究は世界でもトップレベルで若手の優秀な研究者が多数存在するが、知見や研究成果をビジネスに応用する場が不足しているのが現状だ。

 活動内容として、同コンソーシアム内に2つのユニットを設置。「脳モデル開発ユニット」では、脳反応を脳情報データベースとして蓄積・解析する。そして構築した脳モデルをベースとしたAIの研究開発に取り組む。一方、「応用脳科学活動ユニット」は、応用脳科学R&D研究会、応用脳科学アカデミー&ワークショップ、応用脳科学ネットワークの3つのプラットフォームで構成され、脳科学の産業応用に関する普及啓発、脳科学とAIの知見をもつ人材の育成を行う。

 

積水化学 1000mの長尺クラフトテープを本格販売開始

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2020年10月12日

 積水化学工業の高機能プラスチックスカンパニーは、機能テープ事業の主力製品であるクラフト紙を基材としたクラフトテープの長尺品(1000m巻)を今月から本格的に販売開始すると発表した。

クラフトテープ従来品との比較。左から1,000m巻(新製品)、500m巻、50m巻
クラフトテープ従来品との比較。左から1,000m巻(新製品)、500m巻、50m巻

 クラフトテープは、主に段ボール組み立てなどの用途として、食品・物流業界を中心に使用され、業界の標準品としては最長は500m巻だったが、今回業界で初めて1000m巻を標準品として販売する。海洋プラスチック問題を背景に高まるプラスチック使用量低減などの環境配慮ニーズや、通販市場が拡大する食品・物流業界での製造現場の自動化・効率化ニーズに対応していく考えだ。

 クラフト紙を基材とするクラフトテープは、バイオベース率が56%を占め、プラスチックを基材としたOPP(延伸ポリプロピレン)テープと比較して使用プラスチック量の大幅な削減につながる。併せて、石油資源の使用を抑えた材料や生産方法の採用により環境にやさしいテープを実現。同社の汎用OPPテープとの比較では、製品ライフサイクルでの炭酸ガスの発生量を約86%削減する。

 また、長尺のため自動テープ貼り機(製函機・封緘機)へのテープ補充の手間を軽減できることから、現場作業員の業務効率化や現場拘束時間の削減に貢献し、ソーシャルディスタンスを取ることができる環境づくりへの寄与も期待される。テープ幅は38mm(重量約4.3kg)と50mm(同約5.7kg)の2種類をラインアップした。

デンカ 最先端機能性セラミックスを本格的に市場投入

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2020年10月12日

 デンカは9日、5GおよびxEVに新たなサーマルソリューションを提供する最先端機能性セラミックス「デンカ球状マグネシア」を10月より本格的に市場投入したと発表した。今回の市場投入を通じて環境・エネルギー分野のさらなる強化を進め、SDGsに掲げるクリーンで安全な未来社会の実現に貢献していく。

球状マグネシア
球状マグネシア

 5Gはスマートフォンだけでなく医療・防災などの他産業にも活用される次世代情報通信インフラであり、温室効果ガスの削減に貢献するxEVとともに持続可能な社会の実現において重要な役割を担う分野。こうした次世代情報通信インフラやxEVの開発と普及が進むにつれ、通信量の増加や高速化、車載部品の高性能化により、放熱材料に対する高熱伝導性や高信頼性の要求が飛躍的に高まっている。

 今回市場投入する球状マグネシアは球状アルミナの約1.5倍の高熱伝導を示し、5G・xEVで求められる要求特性に応える素材。同社は1915年の創業以来培ってきた無機材料の高温焼成・窒化反応・粒径制御等の基盤技術を元に、球状溶融シリカ、窒化ケイ素、窒化ホウ素(BN)、球状アルミナ、蛍光体などの様々な機能性セラミックスを製造しており、これら製品は半導体・電子機器、風力発電、通信基地局、自動車等に幅広く使用されている。

 同社は経営計画における成長戦略「事業ポートフォリオの変革/スペシャリティー事業の成長加速化」の一環として環境・エネルギー分野に注力。球状マグネシアに加え低誘電正接シリカや高誘電率フィラーなどの新規セラミックスや、5Gにおいて伝送損失を低減することに有効な低誘電絶縁材料(LDM)やLCPフィルムなどの開発も進めている。さらに、今後需要の増加が見込まれるLIB向け超高純度アセチレンブラックの安定供給に努め、クリーンで安全な未来社会の実現に貢献していく。

 同社は、今後もSDGsを羅針盤に、独自の技術を活かした製品開発に取り組み、真に社会に必要とされる企業となることを目指していく考えだ。

住友化学 農薬事業体制を強化、米VBCに関連機能を統括

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2020年10月12日

 住友化学は9日、バイオラショナル事業の強化を目的として、同社グループ内の組織体制を改編し、同事業に関連する全機能を米国のベーラント・バイオサイエンス社(VBC)に統括させると発表した。また、化学農薬の米国拠点であるベーラントUSA社(VUSA)の本社と研究開発拠点を集約した新施設を開設。これらにより、住友化学グループのグローバル農薬関連事業の一層の強化、拡大を図るとともにサステナブルな農業への貢献を加速する。

 同社グループのグローバル農業関連事業は、化学農薬とバイオラショナルが大きな柱。世界の農薬市場が人口の増加による食料増産ニーズを背景に拡大している中、とりわけバイオラショナル製品は、今後も需要増加が見込まれる。こうした状況を踏まえ、同社グループは、バイオラショナル事業について組織体制を改編。同事業に関連する全機能をVBCに統括させて独立性を高めることで、事業強化を図る。

 具体的には、VBCにバイオラショナル事業のグローバル販売を統括するチーフコマーシャルオフィサー(CCO)のポストを新設し、その下に、各地域のバイオラショナル製品の販売やサービスの提供に特化した組織であるサステナブル・ソリューション・ビジネスユニット(SSBU)を配置して人員も増強する。SSBUは、すでにVUSA内に設置している米国に加え、今後、南米と欧州の農薬事業を統括する子会社にも新設する予定。

 バイオラショナル製品のパイプラインとしては、現在、上市間近な6つの新製品のほか、開発初期・中期のステージでも多くの有望な製品がある。6つの新製品については、2022年以降に登録を取得後、順次上市し、各地域のSSBUが販売を担う計画だ。

 化学農薬については、米国カリフォルニア州北部に分散していたVUSAの本社と研究開発拠点を集約した新施設、「ノースアメリカンイノベーションセンター」(NAIC)を8月に同州サンラモンに開設。NAICには、最新鋭の研究開発設備を導入しており、引き続き、環境負荷低減を目指した革新的な化学農薬の開発に注力していく。

 

 

NEDOなど 大変形特性の分子構造を機械学習で特定

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2020年10月9日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と産業技術総合研究所(産総研)、先端素材高速開発技術研究組合(ADMAT)はこのほど、ソフトアクチュエーターなどに必須の低応力・大変形の材料開発を加速する手法を共同で開発した。

 柔軟な材料でできたソフトアクチュエーターは小型・軽量・静音・耐水で、動力源も熱・電気・光などと豊富。その上、筋肉のように曲線的で繊細に動き、より生活に近い場所での活躍が見込まれ、特にリハビリ・介護のための作業補助、パワーアシスト用ウエアラブルマシンや、医療手術支援のための遠隔操作マシンなどへの応用が期待される。しかし材料開発は技術者の「勘と経験」による試行錯誤のため、コストと時間が課題であった。

 NEDOの「超先端材料超高速開発基盤技術プロジェクト」で計算・プロセス・計測を統合して有機・高分子系機能性材料開発の高速化に取り組む中、ソフトアクチュエーター材料の有力候補である液晶エラストマーの分子構造と材料変形の関係を機械学習させ、目標特性を発現する分子構造の予測が可能となった。

 同プロジェクトの要素技術「液晶エラストマー粗視化分子動力学シミュレーター」は1次構造レベルから高分子構造を表現可能。液晶エラストマーは柔軟な分子鎖に剛直な分子単位を含む架橋高分子で、分子鎖中の粒子の数、架橋の長さと密度、強直分子の間隔と配向方向などの分子構造を表すパラメーターの組み合わせは数百以上あるが、大変形特性を決定するパラメーターを特定し、分子構造の有力候補を短時間で約10分の1に絞り込むことに成功。革新的ソフトアクチュエーター材料の開発期間を大幅に短縮できる。またエラストマーやゲルなどの大変形を特徴とする様々な材料開発への応用も期待できる。

 今後、実在の材料に対し、より高度な設計指針を出すためのデータベースの拡充と技術開発を行い、革新的ソフトアクチュエーター開発のための高速材料選定技術を構築するとともに、幅広い材料開発への適用を目指す考えだ。

 

太陽石油 芸陽バスのラッピング広告、デザインを刷新

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2020年10月9日

 太陽石油はこのほど、2017年9月より掲出中の芸陽バス(広島県東広島市)運行路線バスへのSOLATOラッピング広告を全面リニューアルした。

 新しいデザインの特徴は、大きく描かれたSOLATOステーションのシンボル「モノリス」「キャノピー」と、可愛いキャラクターたち。乗降口側に「クロロ」「リリス」「ソラヒツジ」、反対側には「クマト」「ソラトくん」「スズ」がデザインされており、「あ!SOLATOのバスだ!」と、一目でわかる賑やかで楽しいデザインとなっている。またバス車内でも、SOLATOステーションと共にブランドキャラクター勢ぞろいのポスターを掲示しているほか、サイネージでもソラトくんが登場する。

 同社は、ラッピングバスを通じ多くの人にSOLATOブランドを知ってもらい、SOLATOステーションの集客につなげていく考えだ。なお、運行ルートは主に、JR西条駅を基点に広島バスセンター、三迫間となっている。

ラッピングバス リニューアル
ラッピングバス リニューアル

 

旭化成ホームプロダクツ ジッパーバッグの素材など改良し発売

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2020年10月9日

 旭化成ホームプロダクツは、ジッパーバッグ市場でトップシェアを誇る「ジップロック」から、開け口や素材を改良しさらに使いやすくなった「ジップロック」ジッパーバッグを、リニューアル発売すると発表した。

開け口部分に細かい凹凸の滑り止め加工を施した
開け口部分に細かい凹凸の滑り止め加工を施した

 今回のリニューアルでは、オープンタブの付いたジッパーバッグの開け口部分に凹凸の滑り止めをつけることにより、料理中の濡れた手でも使いやすくした。対象製品は、定番の「フリーザーバッグ(全6種)」をはじめ、「ストックバッグ(全2種)」「お手軽バッグ(全3種)」「スタンディングバッグ」の4製品。また、スライド式ジッパーの付いた「イージージッパー(全4種)」は、本体のフィルム素材を変更し破れにくさを強化した。同社では、キッチンでの使用のほか、小物の整理や収納といった様々な場面での使い方を提案している。

 同社はリニューアルに際し、ブランドメッセージを「HELLO! IDEA」に一新した。この理念をもとに「ジップロック」がもつ無限大の可能性を発信し、暮らしから生まれるアイディアをサポートしていく考えだ。11月9日から全国のスーパー、ホームセンターなどで販売を開始する。

三井化学 炭鉱電車プロジェクト、短編映像2本を公開

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2020年10月9日

 三井化学は、三池炭鉱の時代から令和に至るまで100年以上の長きにわたり走り続けてきた、大牟田工場(福岡県大牟田市)の炭鉱電車への感謝の意を込め、未来に向けた〝風景の遺産〟の継承を目的に、このほどメモリアル映像2本をYouTubeなどで公開した。

「紅い恋人編」。炭鉱電車と身近に過ごした人々のエピソードや、貴重な映像資料も収録
「紅い恋人編」。炭鉱電車と身近に過ごした人々のエピソードや、貴重な映像資料も収録

 炭鉱電車は、三井化学専用線(旧三池炭鉱専用鉄道)として濃硝酸や液体塩素といった原材料の運搬などに使用されてきたが、今年5月をもってその運用が廃止された。同社が取り組む「ありがとう炭鉱電車プロジェクト」の中で、炭鉱電車にまつわる映像や音の保存を進めており、今回は大牟田市と荒尾市にまたがり地域と共に歩んだ炭鉱電車の動く最後の姿などを記録として残すため、映画監督の瀬木直貴氏による短編映像2本の制作を行った。

 「紅い恋人編」(https://youtu.be/7DdupuFWWNU)では、くれない色の車両が特徴の炭鉱電車と身近に過ごした人々へのインタビューや過去の貴重な映像資料などを通して、炭鉱電車の魅力を掘り起こしている。また、募集したエピソードを基に詩人の道山れいん氏が書き起こした詩の朗読や、〝音の遺産〟としてアーティストSeiho氏が炭鉱電車の音を使って作曲した楽曲が織り込まれた。全編にわたり、炭鉱電車の走行音と、踏切の打鐘式警報機のカランカラン、カランカランというレトロな響きが印象に残る。

「炭鉱電車の一日編」。機関庫や工場内を走る様子、整備作業などの記録
「炭鉱電車の一日編」。機関庫や工場内を走る様子、整備作業などの記録

 「炭鉱電車の1日編」(ttps://youtu.be/H6sZ6VK6xZo)は、炭鉱電車の運行、整備に長く携わってきた人々の1日の仕事を追いかけたドキュメンタリー。運転や整備の様子、機関庫や工場内を走る様子、液体塩素を運ぶ黄色いタンクのラストランなど、貴重な映像を収録している。

 制作した2本の映像は、地域の資産として自由に活用してもらうため、先月末、大牟田市をはじめ関係者に同映像の贈呈が行われた。

 

帝人イヌリンとグリコBifiX 短鎖脂肪酸を増強

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2020年10月9日

 帝人はこのほど、メタジェンの福田真嗣社長CEO(慶應義塾大学先端生命科学研究所特任教授)監修の下に研究を行い、食物繊維「イヌリン」と江崎グリコの独自原料「ビフィズス菌BifiX」の組み合わせが、腸内細菌叢からの短鎖脂肪酸産生量を増加させ、大腸からの体調管理に重要な役割を果たすことを確認したと発表した。

 イヌリンはチコリの根から取れる100%植物由来の食物繊維。腸内で発酵する力が優れており、約90%が腸内細菌によって利用されるため、総ビフィズス菌数の増加に寄与するとの結果が得られている。

 一方、「ビフィズス菌BifiX」は江崎グリコが保有するビフィズス菌。〝生きて腸まで届き、おなかで増える〟特長をもっていることから、おなかを良好な状態に保ち、健康をサポートする。今回の研究では、「イヌリンとビフィズス菌BifiXを含むヨーグルト」と乳酸菌だけを含む一般的なヨーグルトを、それぞれ腸内環境を再現した装置に添加して培養し、腸内の短鎖脂肪酸の産生力を調査。その結果、「イヌリンとビフィズス菌BifiXを含むヨーグルト」が、一般的なヨーグルトに比べて短鎖脂肪酸を多く産生させることが明らかになった。これは、イヌリンが「ビフィズス菌BifiX」をサポートし、腸内細菌叢に作用したためと考えられる。

 帝人は、これからもイヌリンなどの食品素材の機能、食品加工上の機能について、科学的根拠を確認し、食品メーカーや消費者に向けて結果を報告していく。帝人のヘルスケア事業は、1人ひとりが生まれてから最後の日を迎えるまでの人生を支えることを目指し、今後も機能性食品素材事業で世界中の人々の「QOL」の向上に貢献していく方針だ。

 

住友化学 再生・細胞医薬分野のCDMO、合弁会社で開始

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2020年10月9日

 住友化学と大日本住友製薬は8日、再生・細胞医薬分野の製法開発、製造などの受託(CDMO)事業を行うため合弁会社S-RACMO(大阪府吹田市)を9月に設立し、このほど業務を開始したと発表した。

 再生・細胞医薬分野では、アカデミアやスタートアップ企業などでの生産体制の構築が開発・商業化上の課題となっている。こうした中、住友化学と大日本住友製薬は、再生・細胞医薬の早期普及および産業化に貢献するため、CDMO事業に進出した。住友化学がもつiPS/ES細胞の基盤技術や医薬品の受託製造に関するノウハウと、大日本住友製薬が再生・細胞医薬事業での複数のプロジェクトで培った高度な製法開発や製剤開発などのノウハウを生かしていく。再生・細胞医薬分野のCDMO事業の市場規模は、2030年までに世界で約1.2兆円に拡大する見込み。

 両社は、グループシナジーを発揮して、同市場でのシェア獲得、CDMOに関わる技術・ノウハウの蓄積および高度化に取り組む。また、CDMO事業への進出を通じて、住友化学は低分子や核酸に次ぐ医薬品製造受託事業の拡充によるライフサイエンス領域の事業拡大を、大日本住友製薬は再生・細胞医薬分野での事業の多様化、収益貢献および新たな提携機会の獲得も目指す。

 一方、S-RACMOは、大日本住友製薬が所有する再生・細胞医薬製造施設「SMaRT」の一部、および大日本住友製薬の総合研究所(大阪府吹田市)内に今後新設される再生・細胞医薬製造施設を使用してCDMO事業を実施する計画。新施設は総工費約11億円で、来年12月の完成を予定している。また大日本住友製薬は、S-RACMOによる製造を視野に入れ、米・CorneaGenから日本での角膜内皮細胞(予定適応症:角膜疾患)の製造および製法開発を受託するため、すでに同社と交渉を開始している。