JXTGホールディングス ドローンステーション構築に向けた協業を開始

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2020年6月23日

 JXTGホールディングスはこのほど、センシンロボティクスと、将来のドローンステーション構築に向け協業を開始すると発表した。なお、協業開始に先立ち、今月12日、JXTGはJXTGイノベーションパートナーズを通じ、センシンロボティクスに資本参画している。JXTGグループは、デジタル革命の進展や社会ニーズの変化を好機と捉え、既存事業の枠を超えた新たな事業の創出・実行に向け、積極的な取り組みを推進。

 一方、スタートアップ企業のセンシンロボティクスは、ドローンをはじめとするロボティクスソリューションにより、設備点検、災害対策、警備・監視を中心に様々な領域に関する社会課題の解決と、関連業務の完全自動化に取り組んでいる。

 両社は、これまでにも石油事業のプラント設備点検の取り組みを行ってきた。こうした中、JXTGは、近い将来ドローンが飛躍的に活躍する社会を見据え、あらゆるドローンの離発着と、太陽光などの環境配慮型エネルギー供給の拠点としてのドローンステーション構想を描いている。

 その実現に向け、両社は今回の協業の中で、センシンロボティクスが提供する完全自動運用型ドローンシステム「SENSYN DRONE HUB」の活用について実行計画を策定し、2023年をめどに設備開発・実証を行っていく。また、同時にドローンを活用した設備点検、災害対策、警備・監視に関する新たなソリューションの開発にも取り組む。

 両社は、最新のロボティクス技術の積極的な活用により、顧客や社会が求めるサービスを創出し、社会の発展と活力のある未来づくりに貢献していく考えだ。

三洋化成 超軽量透明断熱材開発のベンチャー企業に出資

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2020年6月23日

 三洋化成工業はこのほど、板状の超軽量透明断熱材「SUFA(スーファ)」の事業化を進める素材系ベンチャーのティエムファクトリ(東京都港区)に出資を行った。「SUFA」の事業化を支援し、持続可能な社会の実現に貢献していく方針だ。

 地球温暖化防止対策は喫緊の社会課題であり、温室効果ガス(CO2)の排出量削減が強く求められている。省エネ対策の一環である冷暖房の効率向上や熱の有効利用の面から、断熱材の重要性が再認識されている。

 「SUFA(Super Functional Air)」は、ティエムファクトリと京都大学が開発した全く新しい断熱材(板状エアロゲル)で、高い断熱性能に加え超軽量で透明度が高いといった特長を持つ。エアロゲルは固体の中で最軽量・最断熱性の材料であるが、作製には超臨界乾燥装置が必要なため、コストが高いことが課題。今回、ティエムファクトリの独自処方により、特殊装置を使用することなく、高透明度の大判エアロゲルを作製することに成功した。熱伝導率も約0.013W/m.Kと世界最高レベル。透明で軽量なことから、窓や透明部の断熱といった住宅や自動車、保冷物流などへの搭載が期待できる。

 両社はこの共同開発を通じて、界面制御技術や機能化学品との融合、ウレタンフォームとの複合化といった「SUFA」の価値向上や事業化を促進する。さらに、無機素材の技術知見やノウハウを生かして、潜在顧客の開拓や幅広い断熱ソリューションの提供につなげる考えだ。

 三洋化成は、多様なニーズにスピーディーに応えるためのオープンイノベーションに取り組んでおり、引き続き有望な技術への積極的な投資を通じ、有力事業の支援や新規事業の創製を目指す。

カネカ 新型コロナ感染症に対する治療薬開発を加速

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2020年6月23日

 カネカは22日、日本医療研究開発機構(AMED)の「新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)に対する治療薬開発」の採択を受けた、と発表した。同社は国立感染症研究所と「COVID‐19の治療用ウイルス中和抗体の開発」を共同で進めてきており、今後、治療薬開発を加速していく方針だ。

 現在、世界中でCOVID‐19に対する医薬品として、治療薬やワクチンの開発が急速に進められている。カネカは、東京理科大学と共同で開発した体外免疫法を用いることによって、新型コロナウイルスとその変異型に対する抗体医薬品を開発する計画。同社は製薬企業と共同で2021年度中に臨床試験の開始を目指していく。

 同社はCOVID‐19に対し「アビガン錠」の原薬生産、またカネカユーロジェンテック社(ベルギー)ではベルギー政府の要請によりPCR検査試薬の製造供給を強化している。さらにワクチンとして早期実用化が期待されているmRNAやプラスミドDNAの製造体制をすでに整えている。カネカはこれからも革新技術を駆使して、感染症に対抗するための多面的なソリューションを提供していく考えだ。

エボニック CO2を化粧品原料へ転換、共同研究を開始

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2020年6月22日

 独エボニックインダストリーズはこのほど、独バイヤスドルフとCO2を出発原料とするサステナブルな化粧品原料開発の共同研究パートナーシップを結ぶことに合意した。なお、ドイツ連邦教育研究省(BMBF)から約100万ユーロの資金提供を受けている。

 革新的で高品質なスキンケア製品を供給しているバイヤスドルフは、カーボンフットプリントを削減できる原料を模索しており、人工光合成は選択肢の1つ。自然界の光合成をモデルに、太陽光エネルギー由来の電力とバクテリアを用いて、水とCO2から原材料を生成するアイデアだ。

 バイヤスドルフのシャナー研究開発担当上級副社長は、「両社共同で、製造する原料と応用する製品を見極めていく。このような取り組みは化粧品業界では始まったばかりで、共同研究に参画できたことを誇りに思う」と述べている。

 エボニックの人工光合成のハース責任者は、「CO2を出発原料とすることで、自然界の光合成と同様の循環型炭素サイクルが可能となる」とコメント。人工光合成関連の製品群を拡大する機会と捉え、「頼もしいパートナーとともに、サステナブルなCO2由来の製品を含むバリューチェーンを拡大していく」考えだ。

 この共同研究は、両社の協業に加え、昨年9月に始動したBMBFのプロジェクト、「パワー・トゥー・エックスⅡ(P2XⅡ)」に参加することを意味する。P2XⅡは、エネルギー転換分野に関するドイツ最大の研究イニシアチブ「コペルニクス・プロジェクト」の1つ。P2XⅡだけで42ものパートナーが参画しており、再生可能エネルギーを活用した高品質な製品を製造するためのプロセス開発を目指している。

JXTGエネルギー 東村山市と協定、エネコストと環境負荷を低減

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2020年6月22日

 JXTGエネルギーはこのほど、東京都東村山市と市のエネルギー自給率向上およびエネルギーコストと環境負荷の低減について協議を進めるため、「東村山市内のエネルギー施策推進に関する連携協定」(2020~2025年度)を締結した。

 同社は、「2040年JXTGグループ長期ビジョン」の中で「地域サービス」を掲げており、「地産地消エネルギーと地域コミュニティーサービスの連携」を目指している。昨年12月に東村山市の「民間事業者提案制度」にアジア航測とともに採択されたことを契機に、同市と協議を継続してきた。

 今回の協定では、東村山市内で行う太陽光発電事業、再生可能エネルギー由来電気の調達、蓄電池を活用したバーチャルパワープラント(VPP)事業の推進、災害長期化に備えた非常用電源・燃料の搬入体制構築などを検討し、2025年までにこれらの実現を目指す。

 一方、JXTGエネルギー、東村山市、アジア航測の3者は、東村山市役所の電気調達に関する業務効率化を目的に、東村山タウンマネジメントを今年4月に設立。同市の電気料金支払業務について、一元化や業務削減によって生み出された経済価値を地域の課題解決に還元していく。

 JXTGエネルギーは今後も、低炭素・循環型社会の実現に向けて、地域コミュニティーと連携し、地産地消エネルギーの推進に積極的に取り組んでいく。

 

積水化学 「あさかリードタウン」がABINC認証を取得

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2020年6月22日

 積水化学工業はこのほど、同社グループが「SEKISUI Safe&Sound Project」として広域的に開発を進める複合大規模タウン「あさかリードタウン」(埼玉県朝霞市)が、単独の企業グループとして初めて「ABINC ADVANCE認証」を取得した。同認証は、複数の街区を超えてエリア全体で実施される、生物多様性保全を通じたサステナブルな地域・まちの実現や、SDGsの達成を目指す民間セクターの貢献を、いきもの共生事業推進協議会が評価する新たな認証システム。

 「あさかリードタウン」は、同社グループの製品・サービスなどを102品目採用し(予定を含む)、コンセプトに掲げる「Safe&Sound:安心・安全で、環境にやさしく、サステナブルなまち」の実現を図っており、今回、①ハード、ソフトの両面から自然災害に備えるレジリエントなまちづくり、②緑地を介した地域コミュニティの活性化による、サステナブルなまちの実現、③SDGsの実現に貢献といったポイントが評価された。

 同社では、世界の人びとの暮らしと地球環境の向上のために、取り組むべき社会課題の領域を「住・社会のインフラ創造」と「ケミカルソリューション」に定め、ESGを経営戦略の中心に置き、事業と一体となった活動を進めている。「SEKISUI Safe&Sound Project」ではESG経営を具現化し、積水化学グループの技術力をフュージョン(融合)させたサステナブルなまちづくりに取り組んでいる。

「あさかリードタウン」鳥瞰
「あさかリードタウン」完成予想CG

カネカ シート状潜熱蓄熱建材を販売、快適性向上に貢献

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2020年6月22日

 カネカはこのほど、特殊樹脂製潜熱蓄熱材を使った、シート状の潜熱蓄熱建材「パッサーモ シート」を開発し、販売を開始した。住宅の省エネルギーや快適性向上に対するニーズは増加し、潜熱蓄熱建材への注目度も高まっている。

 同社は、押出法ポリスチレンフォーム断熱材「カネライトフォーム」の製品改良や使用法の提案などを継続して実施しているが、今回、潜熱蓄熱建材「パッサーモ シート」をラインアップに加え、省エネと快適な暮らしへのソリューション提供を強化していく。

 夏場は、日中の屋根面の表面温度は外気温に比べ非常に高温になり、室内温度の上昇につながることや、一度室内空間に入った熱は夜間も逃げにくいなどの課題があった。同社は3年間にわたり、大学や地域工務店の協力を得て夏期日中のピークカットに着目して効果的な潜熱蓄熱建材の使用法の検証を進めてきた。

 同シートは、特殊樹脂製潜熱蓄熱材を使用し、厚さ約1㎜のシート状に押出成形した潜熱蓄熱建材。屋根部に同シートと押出法ポリスチレンフォーム断熱材などを組み合わせて使用することで、屋外からの熱を同シートが蓄熱し熱の流入を抑え、夏期日中の日射ピーク時の室内への熱流入を削減する。加えて、夜間には蓄熱した熱を屋外に排熱することで、1日を通して冷房負荷を軽減し、省エネに貢献する。

 

出光興産 コーポレートおよびSSのブランドを刷新

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2020年6月22日

 出光興産は19日、昨年4月に統合新社が誕生して以来の一連の経営統合プロセスにめどをつけたことを契機として、今年7月からコーポレートブランドを刷新すると発表した。併せて、既存の両ブランドのカードの相互乗り入れが可能となる来年4月よりSSブランドを統一の上、コーポレートブランドと一体感を持った新たなSSブランドを展開していく。

新コーポレートブランド
新コーポレートブランド

 コーポレートブランド、SSブランド共通で用いるアイコンは、「人が中心の経営」を標榜する同社として人を象徴するものであること、同社が持つブランド資産を継承するものであることを基本に、「新しさ」「エネルギッシュ」「カッコよさ」「洗練」といった要素を加味して、今回新たに開発した。モチーフとなったアポロは、ギリシャ・ローマ神話に登場する太陽神で、理想の人の姿の意を持つことから、同社グループが目指す姿に合致すると判断した。

SSブランド
新SSブランド

 コーポレートブランドは、このアポロアイコンと小文字の「idemitsu」、SSブランドはアポロアイコンと「apollostation(アポロステーション)」をそれぞれ組み合わせて表記する。

 新SSブランドは、ガソリン、軽油など燃料油の供給や車関連サービスの提供にとどまらず、地域の人々の移動と暮らしを支えるサービスステーションという未来像を見据えている。SS全体の塗装、キャノピー、制服のデザインなどは現在、今秋に販売店・特約店に説明する予定で開発を推進。同社は、ブランドの統一と共に、カードをはじめとする販売施策を一本化し、さらなる顧客の利便性の向上に努めていく。

SSの未来像
SSの未来像

 

産総研 GHG排出削減を目指しゼロエミベイを始動

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2020年6月22日

94者参画、東京湾岸をイノベーション拠点に

 産業技術総合研究所(産総研)が主導する、温室効果ガス(GHG)排出削減に向けた新たな取り組み「東京湾岸ゼロエミッションイノベーション協議会」(ゼロエミベイ)が発足し、本格的な活動が始まった。

ゼロエミベイの柏木孝夫会長
ゼロエミベイの柏木孝夫会長

 今月16日に第1回総会を都内で開催。同協議会を率いる柏木孝夫会長(東京工業大学特命教授・名誉教授)は「世界には様々なイノベーション拠点があるが、ゼロエミッションのように、扱う分野が広範囲にわたるものを組み合わせて実証していく例は見当たらない。

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NEDOとIHI バイオジェット燃料の国際認証を取得

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2020年6月19日

 NEDOとIHIはこのほど、微細藻類を使った「バイオジェット燃料生産技術開発事業」で確立した生産技術により、IHIが国際規格「ASTM D7566 Annex7」を取得したと発表した。これにより、同技術で生産されたバイオジェット燃料は、既存のジェット燃料と混合して民間航空機の運航に使用することが可能となり、航空機のCO2排出削減効果が期待される。

 世界的な温室効果ガス(GHG)削減活動の中、国際民間航空機関(ICAO)はCO2排出量の増加抑制目標を定め、日本でも再生可能な代替航空燃料の生産事業をはじめ、航空輸送に関わるCO2排出量削減技術の社会実装が喫緊の課題となっている。

 こうした中、両者はバイオジェット燃料生産技術に関し、増殖が速く油分の多い微細藻類(高速増殖型ボツリオコッカス)を大量培養し、その藻油からの燃料一貫製造プロセスの次世代技術開発事業を2017年度に開始。鹿児島県とタイ(サラブリー県)で培養事業化試験を進め、培養藻類を原料にバイオジェット燃料を製造した。

 今回承認された「ASTM D7566」規格は、国際的標準化・規格設定機関ASTMインターナショナルが定めるバイオジェット燃料の製造に関するもの。適合する燃料は、既存ジェット燃料のケロシンと同性状で、既存燃料と混合使用してもエンジンなどの航空機材や燃料供給設備などのインフラの改修が不要なドロップイン型燃料とされ、国内外の民間航空機の運航で使用可能となる。

 さらに「Annex7」は、微細藻類ボツリオコッカス・ブラウニーから生産した粗油を水素化処理して合成したバイオジェット燃料に関する新しい付帯規格で、微細藻類を単独原材料として明記した、非可食植物の大量培養によるジェット燃料製造規格である。

 両社は今後、バイオジェット燃料の早期事業化を目指し、燃料製造・供給のサプライチェーン構築を進め、バイオジェット燃料の生産拡大・普及を通じて航空分野のGHG排出量の一層の削減を目指す考えだ。また、本年中には、このバイオジェット燃料を利用した国内定期便での商用飛行デモフライトを予定している。