宇部興産 日立プラントメカニクスから化学機器事業を承継

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2020年3月5日

 宇部興産は4日、機械事業の中核会社である宇部興産機械が、日立プラントメカニクスから、産業プラント用機器事業のうち、事業を承継すると発表した。

宇部興産 反応器
反応器

 以前より製作協力関係があった日立プラントメカニクスが産業プラント用機器事業の中核であるクレーン事業の拡大に向け経営資源を集中させることになったため、宇部興産機械は反応器、熱交換器、薄膜蒸発器などの化学機器製品・アフターサービス事業を今年7月1日付で承継する。

 宇部興産機械は、化学プラント向けの圧力容器、自動車業界向けのダイカストマシン・射出成形機、電力会社向けの大型搬送設備など、さまざまな産業機械の開発・製造・アフターサービスを手掛けてきた。

熱交換器
熱交換器

 今回、日立プラントメカニクスの一部事業を承継し、その顧客基盤・生産技術・設備・人員を引き継ぐことで、より一層進化した製品・サービスを国内外の顧客に届けていく考えだ。

昭和電工 黒鉛電極の需要減少などで厳しい状況

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2020年3月5日

森川社長「来年度は営業利益1000億円回復に自信」

 昭和電工は、先日の決算説明会において2020年度の課題と戦略について説明を行った。森川宏平社長は、「今年度の業績は2つの要因で大幅減益(営業利益が前年比59%減の500億円)を予想している。1つは黒鉛事業の販売数量の減少、2つ目は中国発の新型肺炎による影響だ」と語った。

中計進捗を説明する森川宏平社長
中計進捗を説明する森川宏平社長

 同社の収益源である黒鉛電極の市場は、鉄鋼減産を背景に電炉メーカーの在庫調整で販売不振が長引いている。森川社長は、「在庫調整の早期解消に向けて減産を強化し、欧州拠点の生産能力の削減、稼働調整を実施する」とし、対策に取り組む考えだ。

 一方、電子材料、自動車、FA・産業機械の主要分野も、中国発の新型肺炎の影響で市場回復の遅れが収益の下押し要因となる。ただ、

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三井化学 コーポレートガバナンス・オブ・ザ・イヤーを受賞

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2020年3月4日

 三井化学は、一般社団法人・日本取締役協会が主催する「コーポレートガバナンス・オブ・ザ・イヤー2019」のWinner Companyに選定された。

授賞式での宮内日本取締役協会長(左)と淡輪社長
授賞式での宮内日本取締役協会長(左)と淡輪社長

 同表彰は、政府による成長戦略の1つとして、日本企業の稼ぐ力を推し進めるため、コーポレートガバナンスを用いて、中長期的に健全な成長を遂げている企業を後押しする目的で、2015年度より実施されている。

 今回、東証一部上場企業約2000社の中から、2019年度の受賞企業3社のうちの1社として同社が選定された。選定理由として、①総合化学という厳しいビジネス環境の中で、事業構造改革で付加価値の高い分野へ挑戦するための手段として、ガバナンスを効果的に使い直近4年間でROE10%も改善させたこと

 ②人事諮問委員会でのサクセッションプランの討議、ESG活動への積極的な取り組みなど、バランスの良いコーポレートガバナンスに堅実に取り組んでいること 

 ③表彰の歴史で初の旧財閥系・重厚長大型企業の受賞であり、このことは伝統的な日本企業も真剣に取り組めば、ガバナンスを効果的に活用できると実証するものであること、を挙げている。

 帝国ホテル東京で開催された表彰式で淡輪敏社長は、「選定いただき、社員一同大変光栄だ。当社は、1997年の合併以前から社外取締役を選任し、2006年からは独立社外取締役を複数選任するなど、一歩ずつ地道にコーポレートガバナンスを意識した経営を取り進めてきた。今回の受賞を励みに、よりコーポレートガバナンスの実効性を高め、当社の企業価値向上を図っていく」とコメントしている。

 

ポリスチレン 1月の国内出荷は5%減、7カ月連続の減少

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2020年3月3日

 日本スチレン工業会がこのほど発表した需給実績によると、1月のポリスチレン(PS)の国内出荷は、前年同月比5%減の4万7000tで、7カ月連続のマイナスとなった。

 用途別では、包装用が

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ランクセス 武漢の複数の病院に高レベルの消毒剤寄付

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2020年3月3日

 ランクセスはこのほど、武漢の複数の病院に消毒剤を寄付したと発表した。中国で発生している新型コロナウイルスによる感染症の蔓延を防止するため、同社は高い効果を発揮する消毒剤「Rely+Onビルコン」1tを、武漢と周辺の2市にある複数の病院に寄付した。この高レベルの1tの消毒剤を水で希釈することにより、10万ℓの消毒液を作ることができる。

2月16日に湖北省に到着した消毒剤「Rely+On ビルコン」1t
2月16日に湖北省に到着した消毒剤「Rely+On ビルコン」1t

 2月第1週に英国のサドベリー製造プラントから送られ、各病院に同月16日に到着した。第3者評価機関が実施した複数のテストで、「Rely+Onビルコン」は現在蔓延しているコロナウイルス株に極めて類似性が高い、サロゲート(代替)ウイルスを不活性化することが実証された。これらのテスト結果から、「Rely+Onビルコン」はCOVID‐19(新型コロナウイルス)に対しても、有効であると結論づけることができる。

 「Rely+Onビルコン」を使用する際は、希釈して硬質表面や設備にスプレーする。これにより、表面やドアノブ、テーブル、椅子などの消毒対策として、病院だけでなく、公共交通機関のターミナル、空港、ショッピングモールなどの施設でも汚染のリスクを軽減することができる。

 「Rely+Onビルコン」を製造している同社の物質保護剤ビジネスユニットの責任者は「ランクセスは、中国に8カ所の製造拠点があり、1200人の従業員を擁していることから、中国の人たちに深い繋がりを感じている」と述べている。

三菱ケミカル アセテート繊維原糸が「Bluesign」取得

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2020年3月3日

 三菱ケミカルはこのほど、トリアセテート繊維「ソアロン」とジアセテート繊維の「リンダ」原糸が、繊維業界での環境保全、労働者・消費者の観点で持続可能なサプライチェーンを経た製品に付与される認証である「Bluesign」を取得したと発表した。

 「Bluesign」とは、スイスに拠点を置くBluesign Technology社が運営管理している認証。繊維製品の各生産段階で使われる糸や染料・添加剤、織布などの材料から、人の健康や環境に悪影響を与えると考えられる全ての物質の除去を目的としており、テキスタイル業界で最も厳格な認証の1つと言われている。

 今回の認証取得は、「ソアロン」原糸・「リンダ」原糸が、サステナビリティに配慮し、環境保全や労働者・消費者に対する安心・安全性という観点で優れた原糸素材であることが評価された。

 「ソアロン」は、木材パルプを原料とする半合成繊維で、その原料は持続可能な形で適切に管理された森林から調達している。2017年には製造拠点である富山事業所フィラメント工場がFSC‐COC森林認証を取得しており、国内のみならず、海外でもサステナブル素材として注目されている。

 同社は、三菱ケミカルホールディングスグループが掲げる「KAITEKI」の実現に向け、引き続き国内外に向けてアセテート繊維のサステナビリティを訴求し、循環型社会の構築に貢献していく考えだ。

アジア石化市況 エチレン下落基調が強め700ドル

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2020年3月3日

ベンゼン下落基調を継続 SMは800ドル割れに

アジア地域の2月第2週の石化市況では、エチレンは下値80ドル/t安、上値65ドル/t安の700~770ドル/tでの取引だった。中国発の新型コロナウイルスの感染が国内外に拡大したことを背景に、ここ2週間で140ドル/t安と下落基調を強めている。

 スプレッドも

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DIC 半導体市場を睨み大型脱気モジュール生産を強化

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2020年3月2日

 DICはこのほど、液体の脱気・給気をコントロールする中空糸膜モジュール「SEPAREL」シリーズの生産能力増強を発表した。

大型脱気モジュール
大型脱気モジュール

 水処理などに用いられる大型脱気モジュールの強化を目的に、同社グループのDIC化工・市原工場で、新工場稼働により中空糸膜モジュールの生産能力を従来の1.5倍に拡大した。投資額は約16億円。DICは今回の増強により、中空糸膜モジュール事業の売上高を、2021年には2019年比で約1.7倍の拡大を目指す。

 大型脱気モジュールは、水から酸素や二酸化炭素を除去する直径10インチ(25.4㎝)以上の製品。中心部が空洞の繊維である中空糸を束にした膜に液体を通すことで、液中に溶け込んでいる窒素や酸素などの不純物を取り除き、液体の純度を高める。

DIC化工 市原工場
DIC化工 市原工場

 主な販売先は、半導体や液晶ディスプレイ(LCD)、電子部品の製造工程で用いられる超純水を製造する水処理装置メーカーになる。

 富士経済研究所調べによると、大型脱気モジュール市場は半導体や、LCD設備投資の活況、従来の脱気法である真空脱気塔からの置き換え促進により、2017年から2021年で約2.3倍に伸長すると見込まれている。

 DICグループは、中期経営計画「DIC111」の中で、環境に配慮した製品や高機能製品を社会へ提供することで、社会貢献と成長の実現を事業方針に据えている。今後も中空糸膜モジュールの市場要請に対応した高機能な製品を提供し、事業規模拡大に注力していく考えだ。

コベストロ 新素材がトヨタのEVコンセプトカーに採用

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2020年3月2日

 コベストロジャパンはこのほど、トヨタ紡織と共同開発した新素材が、トヨタ自動車の電気自動車(EV)コンセプトカー「LQ」に採用されたと発表した。

トヨタ「LQ」
トヨタ「LQ」

 新素材はコベストロの「Advanced Baypreg F NF」の技術と、トヨタ紡織のケナフ繊維の技術を日本で進化させて共同開発した軽量ケナフ繊維強化ポリウレタンコンポジットで、「LQ」のドアトリムに採用されたことで、世界初披露となった。

 EVの普及拡大が見込まれる未来のモビリティで軽量化素材が果たす役割は、これまで以上に重要になることが予想されている。コベストロは世界の自動車産業に向けて長期にわたり革新的な素材を提供してきた。日本市場でも、日本の研究開発拠点であるイノベーション・センター(兵庫県尼崎市)で、自動車の軽量化に貢献する低密度ポリウレタンフォームなど、数多くのサステナブルなソリューションを開発している。

 今回の新素材に使用されているケナフはアオイ科の植物で、東南アジアやバングラデシュ、インド、アフリカなど多くの地域で栽培されてきた。

 ケナフの特徴は成長速度が速く、短期間で多くの繊維を収穫できること。低価格であるだけでなく、機能性が高いという点で近年注目を集めている。植物バイオマスは代替原料として、自動車業界からの関心がますます高まっている。

 今回開発したケナフ繊維強化ポリウレタンコンポジットは、必要な実用強度を持つ基材として、世界で初めて1kg/㎡を切る画期的な材料であり、この複合材を使うことで、従来のドアトリム材に比べ30%以上の軽量化を実現した。材料が軽ければ軽いほど、1回の充電または給油での車の航続距離を伸ばすことが可能になる。共同開発はトヨタ紡織との強い連携の下、2019年9月にリニューアルしたイノベーション・センターで行われた。

 住化コベストロウレタン・ポリウレタン事業本部の井戸博章・自動車材料開発部長は、コベストロが推進するサーキュラー・エコノミーと、代替原料の活用を実現する好例を、日本のイノベーション・センターから提供することができたことを強調した上で「トヨタ紡織との新規開発は、特に軽量でサステナブルな自動車のデザインに大きな貢献ができると思う」と述べている。