三菱ケミカルホールディングス 中計最終年度のコア営利目標を上方修正

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2018年12月5日

 三菱ケミカルホールディングスは、中期経営計画「APTSIS20」(2016~2020年度対象)で掲げる成長戦略を一段と加速させ、2020年度にはコア営業利益(IFRS)4100億円の達成を視野に入れていく方針だ。

中計の説明を行う越智社長
中計の説明を行う越智社長

 2018年度までの計画進捗を踏まえ、最終年度の目標数値の見直しを発表。ケミカルズの市況下振れやヘルスケアの事業環境悪化を、機能商品の成長戦略や産業ガスM&Aの効果などでカバーし、当初目標から収益の上積みを図っていく。

 4日に開催した事業説明会で、越智仁社長は「世界において保護主義の広がり、米中貿易摩擦、原油の乱高下など事業環境が大きく変化しており、中計の見直しを行った。従来はコア営業利益目標3800億円、目線を4300億円に置いていたが、コミットメントとして4100億円を設定した」と語った。

 またヘルスケアについては「当初目標を下回っているが、2023年度にはコア営業利益1000億円達成を目指す」考えだ。今年度については、「前中計で構造改革が一段落し、今中計では収益力が高まっている。世界経済が上向いていることに加え、中国の環境規制強化や過剰設備対策などにより事業環境が改善した。コア営業利益3500億円を1つの目安としているが、それを超える力がついてきた」とし、薬価改定や定修規模差などにより減益となるが、海外事業が伸びていることで当期利益を押し上げるとの見通しを示した。

 続いて中計の主要施策では、各事業領域の施策に加え、三菱ケミカルの統合効果と協奏による新しい技術領域・市場領域を使った成長、グローバル市場でのアクセス・マーケティング力強化、2015年を睨んだ次世代テーマの早期事業化、地球環境問題の深刻化に対応したKAITEKI経営の深化などを説明。ポートフォリオマネジメントでは6つの市場(モビリティ・エレクトロニクス・メディカル・ヘルスケア・環境エネルギー・パッケージ)にフォーカスし、2025年に向けて成長加速を図っていく。

 ポートフォリオ改革では3000億円の事業の再構築、グループ会社25%削減などに取り組んでいるが、今年度までに1000億円規模の事業撤退・売却を実施し、111社の関係会社を削減した。続いてフォーカス市場と基礎素材の成長戦略を説明。

 越智社長は「三菱ケミカル統合により、

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旭化成 「フロッシュ」のベビー向け洗剤を来年2月に発売

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2018年12月4日

 旭化成ホームプロダクツは3日、「Frosch(フロッシュ)」ブランドのベビー向け新商品、「フロッシュベビー ほ乳びん・食器洗い」を、来年2月1日に発売すると発表した。500ml入りで、希望小売価格は600円(税抜)。

フロッシュベビー
フロッシュベビー

 新商品は赤ちゃんのことを考えた「無香料・無着色・無リン」で、「弱酸性」「ノンアルコール処方」で手肌にやさしい、ほ乳びん用洗剤。ボトルも、愛らしいロゴが印象的なパステル調のデザインで、子育てに忙しい毎日をひととき癒してくれる。乳児期だけでなく、離乳食期にも、食器洗いとして継続して長く使うことができる。

 フロッシュは環境先進国ドイツで1986年に生まれ、世界40カ国以上で愛されているサステナブルハウスケアブランド。2012年に旭化成で食器用洗剤を販売開始後、現在では主婦の約70%の認知度を誇るブランドとなった。

 主力である〝生分解性〟で〝手肌にやさしい〟食器用洗剤を中心に、住居用洗剤カテゴリーの商品や衣料用洗剤・柔軟剤も販売しており、「衣・食・住」の洗剤カテゴリーを幅広くカバーしている。

 新商品により、同社は初めてベビーカテゴリーに進出。〝使う人の手肌にやさしい〟食器用洗剤として、今までフロッシュを使用したことがない人にも商品特性が理解され、試してもらえることを目指す。

 

旭化成ファーマ 関節リウマチ治療薬の在宅自己注射が保険適用に

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2018年12月4日

 旭化成ファーマは3日、関節リウマチ治療薬「ケブザラ皮下注150㎎シリンジ、同200㎎シリンジ」(一般名:サリルマブ/遺伝子組み換え)が、1日から在宅自己注射指導管理料対象薬剤となり、在宅自己注射が保険適用になったと発表した。また併せて、同日から投薬期間制限が解除された。

150㎎シリンジ
150㎎シリンジ

 ケブザラはインターロイキン 6(IL‐6)受容体に対するヒト型モノクローナル抗体で、関節滑膜での炎症に重要な役割を果たしていると考えられているIL‐6の作用を抑制する薬剤。同剤はサノフィ社とRegeneron社が共同で開発を行い、米国、カナダ、欧州をはじめ日本を含む世界19カ国で発売されている。

 日本ではサノフィ社が昨年9月に「既存治療で効果不十分な関節リウマチ」の効能・効果で製造販売承認を取得し、11月に薬価基準に収載、今年2月から旭化成ファーマが発売している。

 関節リウマチの治療は長期に及ぶことがあり、患者の治療と日々の生活との両立を図る点で、通院の負担がより少ない治療が望まれるケースがある。旭化成ファーマは、ケブザラの在宅自己注射が保険適用になったことと、投薬期間制限の解除によって、患者や医療関係者に、より一層貢献できるものと考えている。

 なお、新医薬品は、厚生労働省告示第107号に基づき、薬価収載後1年を経過する月の末日までは、投薬は1回14日分を限度とされている。

アジア石化市況 エチレンが2週連続で上昇

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2018年12月4日

 アジア地域の石化市況では、エチレンが2週連続で上昇し、11月第3週は995~1050ドル/tでの取引となった。11月第1週に底を打ってから反転基調となっており、前週から下値で75ドル、上値で100ドル高と値を戻しつつある。

 ナフサとのスプレッドも

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旭化成 非加熱・非加圧で高度濃縮の新規膜システムを開発

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2018年12月3日

 旭化成は30日、液体を非加熱・非加圧脱水し、成分を高濃度に濃縮することに適した独自の膜システムを開発したと発表した。

新規膜システムの貸出機(左から中型、小型)
新規膜システムの貸出機(左から中型、小型)

 同システムは、逆浸透膜法を使う場合に比べ、濃縮率が3倍程度に高められる。例えば、コーヒー液の濃縮では、10倍濃縮後でも液中の香味気成分を元の状態を保つことができ、固形成分の存在化でも運転が可能なことを確認した。

 現在、顧客への新規膜システムの貸出機を整備しており、今後は食品加工メーカーや医薬品メーカーへの貸し出しを開始していく予定だ。

 食品・飲料や医薬成分の濃縮は、香気・風味・その他有効成分の成分割合を高められ、輸送・保管コストの低減もできることから関心が高まっている。

 しかし、従来の濃縮技術である蒸留法や逆浸透膜法では加熱や加圧が必要なこと、あるいは原理的に高度濃縮することが難しい液体が多いことが、有効成分などの品質を保持したまま高度濃縮をする上で課題だった。

 そこで、これまでウイルス除去膜や水処理膜などの膜サプライヤーとして蓄積してきた独自の膜技術を生かし、従来技術の課題であった「熱や圧力に弱い成分を含む液体の高度濃縮」に適した新規膜システムの開発を行った。

 同社では、従来の技術では困難だった熱に弱い成分を含む液体などを非加熱・非加圧で脱水し、高度濃縮できる同システムの特長を生かし、食品・医薬産業などへの幅広い用途展開を図ることで、2020年の実用化を目指していく。

AGC 5G向け超低損失の石英ガラスアンテナを開発

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2018年12月3日

 AGCはこのほど、伝送損失が低くて透明な5G向け合成石英ガラスアンテナの開発に成功した。今後、車載用や室内外用アンテナなどでの実用化に向けた研究開発を進め、来年からサンプル提供を開始する。

新開発の合成石英ガラスアンテナ
新開発の合成石英ガラスアンテナ

 あらゆるモノがインターネットに接続するIoTの時代を迎え、2020年頃から5Gの運用開始が見込まれている。同社は伝送損失が極めて低く、周波数28GHz帯以上を利用する機器デバイスやインフラに最適なアンテナの開発を進めてきた。

 今回開発した合成石英ガラスアンテナは、28GHz帯向けとして開発したアンテナ設計技術を、同社の合成石英ガラス「AQ」に適用させることにより、超低伝送損失特性を実現。また、独自の微細加工を行うことで、アンテナパターンを透明化することに成功した。

 視認エリアに設置しても美観や景観を損なわず、視界の遮りを極力抑えることができることから、車載用や室内外用といった分野で最適なアンテナになる可能性がある。

 同社グループは、長期経営戦略「2025年のありたい姿」で、モビリティとエレクトロニクス事業を戦略事業と位置付けている。

 中でも5Gの実用化を大きな事業機会と捉えており、これまでコネクテッドカー向けオンガラスアンテナや既存窓を基地局化できるガラスアンテナの開発、プリント基板用材料フッ素樹脂の生産増強、米国企業のプリント基板材料リジッドCCL(銅張積層板)事業部門の買収などに取り組んできた。

 今後も長年培ったガラス・電子・化学品・セラミックスの技術を複合化させ、次世代高速通信技術の発展に貢献するとともに、積極的に事業を拡大していく。

インドのPVC輸入 7-9月は20%増、米国品が拡大

2018年12月3日

 貿易統計によると、インドの第3四半期(7-9月期)の塩ビ樹脂(PVC)輸入は50万2000tとなった。昨年同期は41万9000tであり、前年比では19.9%増と旺盛な需要が継続している。

 例年インドでは、6~8月にかけてモンスーン期に入るため、農業用パイプなどの需要が低迷していた。しかし今年は建築用途などインフラ向けに需要が好調であり、単月で見ても、7月が15万4000t、8月が17万1000t、9月が17万7000tと落ち込むことなく高水準で推移している。

 インドのPVC需要は

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AGC EUVマスクブランクスの供給体制を追加増強

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2018年11月30日

 AGCはこのほど、グループ会社のAGCエレクトロニクスで、EUV露光用フォトマスクブランクス(EUVマスクブランクス)の供給体制増強を、今年2月の発表分に加えて追加実施することを決定した。

EUVマスクブランクス
EUVマスクブランクス

 今回の追加実施により、同社グループのEUVマスクブランクス生産能力は2020年に現在の約3倍になる。

 あらゆるモノがインターネットに接続するIoTの時代を迎え、電子機器が高機能・小型化し、半導体チップには計算処理の高速化やデータの大容量化、高集積化が求められている。

 これに対応するためには半導体チップの回路パターンを微細にする必要があるが、現行の光リソグラフィ技術では〝7ナノ世代〟と呼ばれる微細なパターン形成は理論上難しく、それに代わる技術として最有力とされているのがEUV露光技術だ。

 同社は、EUV露光技術で用いられるフォトマスクブランクスの研究開発を2003年に開始。ガラス材料、ガラス加工、コーティングなどの自社技術を統合することで、「ガラス材料」から「膜材料」までを一貫して手掛けることができる、世界で唯一のEUVマスクブランクスメーカーとなった。

 今後主流になるEUV露光技術の拡大を見据え、EUVマスクブランクスの供給体制をさらに増強することを決定した。

 同社グループは、経営方針「AGC plus」のもと、エレクトロニクス事業を戦略事業の1つと位置付けている。今後大きな需要の伸びが見込まれるEUVマスクブランクス事業に対し積極的な設備投資を実施し、半導体産業の発展に貢献していく考え。