【ポリカーボネート特集5】三菱エンジニアリングプラスチックス

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2019年12月9日

高機能比率の向上へ、高硬度樹脂など拡販図る

 ポリカーボネート(PC)製品で国内トップメーカーの三菱エンジニアリングプラスチックス(MEP)は、「EVOLVE2021」(新中期事業計画2019~2021年)で掲げる「市況に左右されない収益力の獲得」の方針に沿って、PC事業を展開している。

 具体的には、高機能グレード比率の向上と、将来テーマの育成と収益化を図る。高機能グレード比率の向上では、高硬度樹脂「ユーピロン」Kシリーズや熱伝導性PC、高意匠性材料などの拡販に注力する。

 表面硬度に特徴がある高硬度樹脂「ユーピロン」Kシリーズは、主にスイッチ類で採用されているが、

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【合成ゴム特集1】ハイエンドのS-SBR堅調、CRは各社が増強

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2019年12月6日

 合成ゴムの需要は米中貿易摩擦の影響により、足元では停滞傾向にある。合成ゴム工業会によると、今年1-8月の合成ゴム全体の出荷は前年同期比7.4%減、生産は同2.7%減と低調だ。

 品目別では、SBRの出荷は同4.3%減、生産は同7.8%減、NBRの出荷は同9.4%減、生産は同0.5%減、CRは出荷が同5.1%減、生産は同0.8%減、BRは出荷が同3.2%増、生産は同2.0%減、EPTは出荷が同6.5%減、生産は同3.0%減、その他は出荷が同2.0%減、生産は同6.5%増。樹脂改質用途などが好調なBRの出荷と、その他の生産がプラスになった以外は、前年実績を下回っている。

 国内の昨年の自動車生産は前年並み、今年1~8月は前年比3.7%増となっているが、グローバルでは昨年・今年と前年割れになっていることもあり、合成ゴム全体の1~8月の輸出は前年同期比4.2%減。特に中国自動車向けの合成ゴムの輸出が二桁減となっている。

 その中で、低燃費タイヤ向けのS―SBRは、汎用を含めると世界的に年率で

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【合成ゴム特集2】東ソー デボトルで能力増強、新系列の増設も視野に

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2019年12月6日

 クロロプレンゴム(CR)事業を展開する東ソーは、南陽事業所(山口県周南市)の生産能力を、デボトルにより3万4000t/年から3万7000t/年へと増強する。能増に合わせて老朽化対策を行うため、投資額は約50億円となる。すでに機材を発注しており、再来年10月に完工の予定だ。

 CRは医療用手袋や水系(非溶剤系)接着剤の用途が拡大している。一方で、材料代替など長期的な需要動向の不透明感、建設に巨額の資金が必要なことから、新規プラントの建設などの大規模増強が近年行われてこなかったため、この3年ほどは世界的に需給がひっ迫していた。

 足元では米中貿易摩擦による世界的な経済の減速や、インドの需要減などにより「CRの需要は

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【合成ゴム特集3】JSR 高強度のSBR開発、EV含め新たなニーズに対応

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2019年12月6日

 JSRの高機能タイヤ用溶液重合SBR(S-SBR)事業は、依然として好調を維持している。低燃費タイヤ市場が年率4~5%で成長する中で、同社の昨年度のS-SBRの販売は前年度比10%程度、今年度上半期は前年同期比10%以上の伸びとなっている。

 その背景として、タイヤの需要面では、例えば中国で

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【合成ゴム特集4】旭化成 シンガポールを増強、S-SBRが27万t体制に

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2019年12月6日

 溶液重合スチレン・ブタジエンゴム(S-SBR)で、世界トップレベルの生産能力を持つ旭化成は「その体制を盤石なものとすることが経営課題の1つ」(同社)であり、その一環として、シンガポールの製造プラントの能力増強を実施した。2013年に製造を開始した同プラントでは、2017年に約3万tの増強工事を開始し、今年2月に完工した。現在は顧客認証の手続き中で、本格稼働を待っている段階である。

 能力増強によって同プラントの生産能力は13万tとなり、川崎(10万5000t)、大分(3万5000t)と合わせ、同社のS-SBRの生産能力は合計27万tとなる。同社によると、S-SBRは「グローバルで見ると、

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【合成ゴム特集5】デンカ 唯一の2拠点体制ベースに顧客へBCPを提案

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2019年12月6日

 クロロプレンゴム(CR)で世界トップシェアのデンカは、青海工場(新潟県糸魚川市)の10月の定修に合わせ、デボトルによる数千tの能力増強工事を実施した。

 「こうした状況であるからこそ、新規顧客に対応できるようになり、既存顧客

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【バイオプラ特集】化学産業 プラスチック代替への動きに対応が急務

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2019年11月8日

産官挙げてバイオプラ普及に注力、環境問題に貢献

 日本の化学産業が技術開発を進めてきたプラスチックは、機能性を高めたことでフードロス軽減や自動車の軽量化など社会に新しい価値を提供し、社会問題解決に貢献してきた。

 しかし、アジア地域の新興国では使い捨てたプラスチックが河川から海洋に流出し、海洋プラごみや、マイクロプラ問題といった環境汚染が深刻化している。また、先進国が輸出してきた廃プラも、中国やASEAN各国が受け入れを拒否する動きが強まっている。こうした中、廃プラ問題の1つの解として、バイオプラスチックが注目を集めている。

 バイオプラには、植物原料の「バイオマスプラスチック」と、ある一定の条件の下で分解し、最終的には二酸化炭素と水にまで変化する「生分解性プラスチック」がある。すでに大手食品メーカーや外食チェーンなどでは採用が進んでおり、今後ますますニーズが高まると予想される。

 今回の異業種特集ではバイオプラについて、省庁や業界団体の取り組み、バイオ素材に注力する化学メーカーの研究開発や市場開拓、また今後の戦略や課題などについて聞いた。

【バイオプラ特集・インタビュー】経済産業省

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2019年11月8日

製造産業局素材産業課長 吉村一元氏

環境貢献分野で日本の技術をビジネス化

━プラスチックごみ問題への現状認識について。

 吉村 現在はプラスチックを使っていること自体が悪いように見られている。ただ、スーパーに並んだ商品を見れば分かるように、プラスチックがなければ食品を買うこともできない。わが国の根幹に位置づけられる重要な材料であることは間違いない。プラスチックは様々な分野で貢献してきたが、これからも成長する分野において大事な素材であり続けるだろう。

吉村課長
吉村製造産業局素材産業課長

 一方で、プラスチックごみの問題については国としても取り組んでいかなければならない課題だと認識している。世界でも推計で年間900万tものプラスチックごみが海洋へ流出し汚染につながっている。そこにはしっかりと対応していきたい。産業の発展とプラスチックごみ問題対策、この両輪で進めていく必要があるだろう。

 各国でもプラスチックへの対応は相当進んでいる。欧州では2018年にEUのプラスチック戦略を発表し、ホテルなどで使用される一部のワンウェイ(使い捨て)製品を2021年から禁止する規制案が提出され合意に至った。中国は2018年末に工業由来の廃プラ輸入を禁止し、タイやマレーシアといった東南アジア諸国でも輸入規制強化の動きが出ている。各国とも廃プラスチックの動きを注視しているのが実態だ。

 また、バーゼル条約では、国境を越えた有害廃棄物の輸出入に関する規制を定めている。2019年に開催された関係国の会議では、汚れたプラスチックごみを条約の規制対象とすることが決定され、2021年から施行される予定だ。汚れたプラスチックは完全に規制対象になる。世界的にも廃プラスチックの管理をしていこうという動きが進んでいると感じている。

━プラスチックごみ問題の解決に向けて、日本はどう動いたか。

 吉村 2019年2月に内閣官房の下に海洋プラスチックごみ対策の推進に関する「関係府省会議」が発足し、5月にその会議で「海洋プラスチックごみ対策アクションプラン」が策定された。この中では、対策分野の一番目に、「廃棄物処理制度等による回収・適正処理の徹底」が記されており、ポイ捨てや陸域での散乱ごみ、海洋プラスチックごみの回収などの課題が挙げられている。

 同じく5月には「プラスチック資源循環戦略」も策定された。3R(リデュース、リユース、リサイクル)とRenewableを徹底する基本原則となっている。ポイントは

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【バイオプラ特集・インタビュー】日本プラスチック工業連盟

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2019年11月8日

専務理事  岸村小太郎氏

バイオプラ・再生材、用途開発で消費者へ利用促進

━現在のプラスチックを取り巻く状況をどう捉えていますか

 岸村 海洋プラスチックごみ問題を発端に、脱プラスチックを巡る動きなども活発化している。確かにプラスチック業界に逆風が吹いているが、逆にいいチャンスではないか。例えば、来年7月から義務化されるレジ袋の有料化だ。プラスチックは安い、レジ袋はタダ、安いから大量に使って大量に捨てるといった消費者の意識が、少し変わっていくのではと期待している。

岸村専務理事
岸村専務理事

 国のプラスチック資源循環戦略の中でも、有料化により「価値づけ」することで消費者のライフスタイル変革を促す、とあるように、レジ袋の価値づけを契機に、ほかのプラスチック製品にもいい影響が及ぶのではないだろうか。

 欧米などでは一定の消費者が、少々高くても環境にいいものを選ぶという感覚がある。われわれ業界が率先して、再生材を使用したもの、リサイクルしやすい製品といった環境にいいものを提供していけば、この製品は割高にはなるが環境にやさしいものを購入しようと、消費者マインドが変わってくるかもしれない。

 それがバイオマスプラなのか、生分解性プラなのかは別として、樹脂生産量の減少は考えられるものの、現行品より高い価格で買ってもらえればビジネスとしてうまく回るし、石油資源の使用量も減らせる。そういうきっかけになるのではないかと思っている。

━これまで環境対応などに、どう取り組んできましたか。

 岸村 当連盟は以前から、樹脂ペレット漏出防止対策や、リデュース・リサイクル検討委員会を設け、容器包装リサイクル法への対応を中心にした活動を行ってきた。その中で、ここ数年の環境・プラスチック問題を受け、もう少し幅広く、本当にあるべき環境対策やリサイクルについて検討をする場を作りたいとの思いから、今回のプラスチック資源循環戦略の策定となった。

━プラ工連版「プラスチック資源循環戦略」について。

 岸村 当連盟としては、行政や国内外の

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【バイオプラ特集・インタビュー】日本バイオプラスチック協会

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2019年11月8日

事務局長 横尾真介氏

バイオマスと生分解性、特長を訴求し普及を図る

━バイオプラ協会の沿革についてお聞かせください。

 横尾 当協会は1989年に生分解性プラスチック研究会(BPS)として発足した。当時は脂肪族ポリエステル系を中心とした生分解性プラの研究開発が進んでおり、実用化に関心を持つ企業が集まったのが始まりだ。

横尾事務局長02
横尾事務局長

 2000年にはグリーンプラ識別表示制度(GPマーク)を開始した。そうした中、2005年に「愛・地球博」が開催され、テーマである循環型社会の気運が高まったことに加え、原油価格が100ドル近くに高騰したため、バイオマス原料とナフサとの価格差が縮小し、石油資源の削減に寄与する植物由来の再生可能プラへ一気に注目が集まった。

 当協会は、バイオマスプラを取り込み、2006年にバイオマスプラ識別表示制度(BPマーク)を開始したこともあり、2007年に名称を「日本バイオプラスチック協会」に改称した。しかし、その後、原油価格が急落したことや、技術的なハードルがあったことからバイオマスプラへの関心が徐々に薄れ、当協会の会員数も2006、7年をピークに2017年まで減り続けた。

 しかしここにきて、地球温暖化問題や海洋プラごみ問題への関心が高まったことで、昨年には会員減少に歯止めがかかり、今年になって退会した企業が戻ってくるなど増加傾向となっている。

━バイオプラの普及に向け、どのような活動をしていますか。

 横尾 当協会の活動では、主に2つの柱でバイオプラの普及拡大を推進している。1つは先ほどもお話しした認証事業だ。BP(バイオマスプラ)マークやGP(グリーンプラ)マークが付いている製品が、地球環境に貢献していると、消費者が見ただけで判別できる識別表示制度に注力している。

 認証制度を始めた頃は、エコブームの追い風もあり企業の登録数が増加した。しかし、販売につながらなければ3年後の更新を行わないケースも多くあり、認証制度の浸透は難しい状況にある。そういった意味において、この制度のメリットを、消費者だけでなく企業も享受できる環境にしていかなければならないだろう。

 もう1つの活動は

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