旭化成 HDI系イソシアネートを値上げ

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2018年9月12日

 旭化成は11日、HDI系イソシアネート「デュラネート」の国内外価格を、10月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は国内で60円/kg、海外では50セント/kg。

 原料価格、物流費などが高騰する中で、同社は自助努力による製造コスト低減を図ってきたが、事業採算は厳しさを増しており、製品の安定供給を継続させるためには、今回の価格改定を実施せざるを得ないと判断した。

帝人Fなど ポリエステル繊維を10月出荷分から値上げ

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2018年9月11日

 帝人フロンティアと同社グループの東邦テキスタイルは10日、ポリエステル繊維(長繊維・短繊維)とテキスタイルを、10月出荷分から値上げすると発表した。

 値上げ幅はポリエステル繊維と紡績糸が20~30円/kg、テキスタイルは5~10%/m。

 原油価格の上昇、ポリエステル原料であるPTA(高純度テレフタル酸)やエチレングリコールの価格上昇、国内物流費や人件費の高騰などによるコスト増が、自社の合理化努力で吸収できる範囲を超えていることから、同社では製品の安定供給を確保するため、価格改定を実施することにした。

旭化成 MMAモノマーとCHMAを値上げ

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2018年9月6日

 旭化成は5日、MMAモノマーとシクロヘキシル・メタクリレート(CHMA)を、9月10日出荷分から値上げすると発表した。改定幅はMMAモノマーが22円/kg、CHMAが22円/kg以上としている。

 MMAモノマーは世界的に塗料・接着剤、キャストシート、透明樹脂用途の需要が旺盛なことに加え、中国での環境規制の強化から、リサイクルMMA生産が大幅に縮小しMMAモノマーへの切り替え需要も伸長している。

 一方、供給面では世界的に長期の定期修理が続き、設備トラブルも相次いだことから、需給バランスは非常にタイト化しており、海外市況は上昇を続けている。

 こうした中、ナフサなど主原料の価格も上昇しており、同社は今後もユーザーへの安定供給を継続させるため、価格改定を実施せざるを得ないと判断した。

信越化学 塩ビの国内向け価格を10月1日納入分から値上げ

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2018年9月5日

 信越化学工業は4日、塩化ビニル樹脂の国内向け販売価格を、10月1日納入分から、12円/kg以上値上げすると発表した。

 同社は4月にエチレンやナフサをはじめとする原燃料価格の急騰を理由に、値上げを実施した。しかし、ナフサ価格はその後も相場が上昇し、不安定な動きを続けた後、騰勢を強めている。さらに、ユーティリティや輸送のコストも上昇している。また、既存の生産設備は操業開始から長期間が経過し、安全・安定操業と品質の維持を継続するための設備メンテナンス費用が、従来以上に必要となっている。

 同社では継続的にあらゆるコスト低減に努めているが、現在の原燃料価格の上昇は、企業努力の限界をはるかに超えるものとなっており、塩ビの今後の安定供給を維持するためにも、今回改めて価格改定を実施せざるを得ない状況となった。

 なお、塩ビの国内外の需要は堅調に推移。一方、中国の環境規制の強化などで、塩ビの供給量が減少していることから、世界の需給はひっ迫しており、価格は高値で推移しているという。

ジェイ・プラス 可塑剤を9月10日出荷分から値上げ

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2018年8月31日

 ジェイ・プラスは30日、アジピン酸系可塑剤とトリメリット酸系可塑剤を9月10日以降の納入分から、いずれも18円/kg以上値上げすると発表した。

 対象製品はアジピン酸系可塑剤の「DOA」「DINA」「D610A」、トリメリット酸系可塑剤の「TOTM」。

 原油・ナフサ価格の上昇を受け原燃料費が上昇、物流費など諸経費も上昇している。これらのコスト増を自助努力で吸収するのが困難になっていることから、安定供給を果たすため価格を改定することにした。

三菱ケミカル フィルム製品を9月21日納入分から値上げ

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2018年8月28日

 三菱ケミカルは27日、フィルム製品を9月21日納入分から、各々300円/連(15µm換算)値上げすると発表した。

 対象製品は、二軸延伸ガスバリアナイロンフィルム「スーパーニール」、二軸延伸ナイロンフィルム「サントニール」、透明蒸着フィルム「テックバリア」ONY系の3製品。

 カプロラクタム価格の高騰により、これらの製品の原料であるナイロン樹脂の価格が上昇していることに加え、電力・燃料費・物流費なども上昇し、製造コストを押し上げるとともに事業採算を圧迫している。

 同社はこれまでも、継続的なコスト削減を行ってきたが、現在の価格体系では安定的な製品供給が困難と判断し、今回の価格改定を決定した。

昭和電工 次亜塩素酸ソーダの国内販売価格を値上げ

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2018年8月28日

 昭和電工は27日、次亜塩素酸ソーダの国内販売価格を、10月1日納入分から6円/kg以上値上げすることを決定し、ユーザーと交渉を開始したと発表した。

 次亜塩素酸ソーダは、水道水・プールの殺菌消毒や紙・パルプの漂白などに使用される、ライフラインには必要不可欠な工業薬品。同社のソーダ電解事業は、原料価格、エネルギー・電力コストの上昇により、長期にわたり厳しい状況が続いている。

 さらに、安全・安定供給の実現に不可欠な物流面でも人件費・燃料価格上昇に伴い収益が悪化している。こうした中で、今後も同製品を安全・安定に供給するとともに事業の維持継続を行うには、自助努力によるコスト削減に加えて、コストアップ分の一部を価格転嫁せざるを得ないとの結論に至り、今回の価格改定を実施する。

東洋紡 自動車エアバッグ用ナイロン66原糸と基布を値上げ

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2018年8月24日

 東洋紡はこのほど、自動車エアバッグ用ナイロン66原糸と基布を、10月1日出荷分から100円/kg(原糸重量換算)値上げすることを決定し、顧客との交渉を開始すると発表した。

 自動車エアバッグ用原糸・基布の主原料であるナイロン66ポリマーは昨年来、主要各社のプラントの生産トラブルなどにより、「フォース・マジュール(不可抗力)」の宣言が相次いでいる。この影響でナイロン66ポリマーの需給がひっ迫し、長期にわたり価格が高騰している。

 さらに、ナイロン66ポリマーの主原料であるADN(アジポニトリル)のメーカー各社の供給能力拡張は数年後になると見られており、ナイロン66ポリマーの需給の逼迫は、今後数年間は継続する見通しだ。

 こうした状況の中、原料メーカー各社は、ナイロン66ポリマー価格の大幅な値上げを実施。また、ナフサなどの従来の価格転嫁指標の変動幅との乖離が拡大しており、同社のエアバッグ原糸・基布の採算性は極めて悪化している。

 同社はこれまでも、徹底したコスト削減に注力してきたが、現在の価格体系では顧客への安定的な製品供給体制の維持が困難と判断し、今回の価格改定を決定した。

 東洋紡は関連会社とともに引き続き、日本・タイ・中国・米国・欧州の世界5拠点で、原糸から基布まで一貫して供給できる唯一のメーカーとして、顧客のニーズにグローバル対応できる生産・供給体制の構築に努めていく考えだ。

東レ ポリエステル長繊維など値上げ 9月出荷分から

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2018年8月24日

 東レは23日、衣料用・産業用の各分野へ販売するナイロンとポリエステルの糸(長繊維)・綿(短繊維)、アクリル綿(短繊維)、ポリエステル長繊維不織布を、9月出荷分から値上げすると発表した。

 値上げ幅は、ナイロン糸・綿とポリエステル糸・綿・長繊維不織布が10円/kg、アクリル綿が70円/kg。現在の合繊原料の価格動向は、ポリエステル原料の高純度テレフタル酸とナイロン原料のカプロラクタム、アクリル原料のアクリロニトリルが高騰し、今後も高値圏での推移が予想されている。

 このような環境の下、同社は「トータルコスト競争力強化(TC)プロジェクト」を推進し、固定費と比例費のあらゆる項目で徹底的な費用削減・効率化の自助努力を続けてきた。

 しかし、現在の合繊原料価格の急速・大幅な高騰はこれらの努力で吸収できる範囲を超えている。同社は、安定した品質での商品供給や、さらなる高付加価値品の開発・提案を行う体制の維持・推進のため、今回の値上げ実施を決定した。