ポリスチレン値上げ 各社の思惑で時期や幅に差

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2023年12月7日

ナフサやベンゼン価格が上昇、早期決着が急務に

 ポリスチレン(PS)メーカー3社の原料高に対応した値上げが出揃い、ユーザーとの値上げ交渉が本格化している。今回、各社によって値上げの時期や幅に違いが見られており、決着の行方が注目される。

 PS価格は、

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DIC PSとスチレン系製品を値上げ、原料高に対応

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2023年12月7日

 DICは6日、ポリスチレン(PS)製品およびスチレン系製品について、2024年1月1日納入分から値上げすると発表した。対象製品は、「ディックスチレンGPPS」、「ハイブランチ」、「ディックスチレンHIPS」、「エラスチレン」で、改定幅は各製品とも「16円/kg以上」。

 昨今の国産ナフサ・ベンゼン価格の高騰によりPSの原料価格が上昇している。同社は、自助努力による吸収を検討してきたが、これらのコスト上昇を吸収することは極めて困難な状況にあることから、今後の安定供給と事業継続を図るためには、価格改定が避けられないと判断した。

 

東洋スチレン ポリスチレン樹脂値上げ、原料価格が上昇

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2023年12月6日

 東洋スチレンは5日、ポリスチレン樹脂およびポリスチレン難燃樹脂「トーヨースチロール」について、2024年1月1日納入分から値上げすることとし、各需要家との交渉に入ったと発表した。改定幅は、GPグレード、HIグレード、特殊グレード、難燃グレードともに「15円/kg以上」。

 今年10月以降、主原料のナフサ・ベンゼン価格が上昇し、スチレンモノマー価格も上昇している。同社は、コスト低減に取り組んでいるものの、原料価格の上昇は自助努力の範疇を超えていることから、安定供給と事業継続を図るため、価格改定せざるを得ないと判断した。

旭化成 MMAモノマーなどを値上げ、採算是正を図る

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2023年12月5日

 旭化成は4日、MMAモノマー、シクロへキシル・メタクリレート(CHMA)について、今月15日出荷分より値上げすると発表した。改定幅は、いずれも「20円/kg以上」。

 原油価格上昇などを背景に、主原料であるナフサ価格および用役などのコストが大幅に上昇している。同社は、これらのコスト上昇は自助努力の範囲を大きく超えていることから、今後も国内で安定供給を継続するために、価格改定を実施せざるを得ないと判断した。

 

PSジャパン ポリスチレン値上げ、原料コストが上昇

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2023年11月20日

 PSジャパンはこのほど、ポリスチレン樹脂「PSJ‐ポリスチレン」について、12月1日出荷分から値上げすることを決定し、需要家への説明と交渉に入ったと発表した。改定幅は全グレードとも「20円/kg以上」。

 PSの主原料であるナフサおよびベンゼン価格が上昇しており、原料コストが大幅に上昇している。同社は、これらのコスト上昇分をすべて自助努力で吸収することは極めて困難な状況にあることから、価格改定の実施を決定した。

 

東洋紡 OPPなど包装用フィルム値上げ、来月から実施

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2023年11月20日

 東洋紡は17日、包装用フィルム製品の一部を12月11日出荷分から値上げする、と発表した。対象製品と値上げ幅は以下のとおり。

 二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)、無延伸ポリプロピレンフィルム(CPP)、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(LLDPE)はそれぞれ「連300円(20㎛換算)」、二軸延伸ポリエステルフィルム(PET)が「連300円(12㎛換算)」、二軸延伸ナイロンフィルム(ONY)が「連500円(15㎛換算)」、熱収縮ポリエステルフィルム「スペースクリーン」が「連750円(30㎛換算)」。また、透明蒸着フィルム「エコシアール」については、PETベース(コート無し)が「連300円(12㎛換算)」、PETベース(コート有)が「連500円(12㎛換算)」、ONYベース(コート無し)が「連500円(15㎛換算)」、ONYベース(コート有)が「連700円(15㎛換算)」。

 昨今の原油・ナフサ価格の高騰や高止まりによる原燃料費の上昇に加え、円安影響を受けた副資材費なども上昇しており、生産設備維持費などと合わせて、包装用フィルム製品の製造費を押し上げている。こうした状況下、同社では徹底したコスト削減に努めてきたが、現在の価格体系では顧客への安定的な製品供給が困難と判断し、価格改定を決めた。

三菱ケミカルグループ PVA製品群を値上げ、採算是正を図る

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2023年11月7日

 三菱ケミカルグループは6日、ポリビニルアルコール(PVA)製品群について、11月13日出荷分から値上げすると発表した。対象製品と改定幅は、酢酸ビニルモノマー(VAM)が「15円/kg」、PVA樹脂「ゴーセノール」、PVA特殊銘柄「ゴーセネックス」および「ニチゴーGポリマー」、「ゴーセネックスZ」用架橋剤「セーフリンク」が「40円/kg」。

 ナフサ価格高騰に伴う原材料価格の上昇に加え、ユーティリティーや物流に係るコストの上昇が継続し、事業収益が悪化している。同社は、自助努力のみによるコスト吸収は難しいことから、安定供給を維持するために採算是正が必要と判断し、今回、価格改定の実施を決定した。

積水化学工業 ポリエチレン管・継手類値上げ、コストが上昇

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2023年11月6日

 積水化学工業は2日、水道、ガス、下水用ポリエチレン管および継手類について、12月20日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は、ポリエチレン製パイプの上水用「エスロハイパーJW」、ガス用、下水用が「20%以上」、同継手が「15%以上」。

 昨今、円安の加速や素材市況の悪化により、原材料およびエネルギーコストが高騰している。加えて、品質維持や製品供給に必要な人材確保で労務費も一段と上昇している。こうした中、同社は、原料メーカーとの交渉や生産性向上により、コスト削減を重ねてきたが、自助努力で対処できる水準を超えていると判断し、今回、価格改定の実施を決定した。

クラレ PVAなど4製品を値上げ、コスト上昇に対応

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2023年11月6日

 クラレは2日、ポリビニルアルコール(PVA)樹脂「クラレポバール」「エルバノール」、PVA系樹脂「エクセバール」「モビフレックス」の4製品について、11月8日出荷分から国内外で値上げすると発表した。改定幅は、国内向けが「20円/kg」、アジアパシフィック、北米・南米、中東・アフリカ向けはいずれも「0.2米ドル/kg」、欧州向けが「0.2ユーロ/kg」。

 対象製品の各種コストの上昇は、同社の自助努力によるコスト吸収範囲を超えるものとなっている。こうした状況下、採算改善を行い、安定供給を維持するために今回、価格改定を決めた。