宇部興産など4社 クリーンアンモニア安定確保で合意

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2021年12月24日

 宇部興産、住友化学、三井化学および三菱ガス化学は23日、4社共同でクリーンアンモニアの安定的確保に向けた検討を開始することに合意したと発表した。

 肥料や化学品の原料などの用途で幅広く使用されているアンモニアは、燃焼時にCO2を排出しないことや、水素含有量が高いことなどの特性から、近年ではカーボンニュートラル社会実現のための次世代エネルギー源として世界的な需要拡大が見込まれている。

 今年10月に政府が発表した「第6次エネルギー基本計画」の中で、燃料としてのアンモニアの安定確保の必要性が確認された。特に化石資源を原料にアンモニアを製造する際に発生するCO2を分離回収・利用し地下に貯蔵するCCUS技術の活用によって得られるブルーアンモニアや、再生可能エネルギー由来のグリーンアンモニアなどのクリーンアンモニアの安定的確保が必要とされている。

 こうした状況下、4社は各社の取り組みに加え、日本での安定的かつ競争力あるクリーンアンモニアの確保を目指し、新たに共同でのクリーンアンモニア確保の検討を始めた。

宇部興産 CPLの12月価格、前月比140ドル安

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2021年12月24日

中国が需給悪化で大幅安、アジア市況に影響及ぶ

 宇部興産は、ナイロン原料であるカプロラクタム(CPL)について、12月(上旬決め)の韓国・台湾大手向け契約価格を前月比140ドル安の2070ドルで決着した。9月以来、3カ月ぶりの下落となる。この背景として、中国がアジア市場向けに安価なナイロンチップを輸出し、競合品である台湾チップの価格が押し下げられたことや、ベンゼン価格が弱含みとなったことが挙げられる。台湾メーカーがCPLメーカーに対し値下げ要求を強めたため、12月の契約価格は大幅な下落となった。

 もともと中国のラクタムチェーン(CPL、ナイロン、紡糸)の各製品は、

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宇部興産 新規核酸医薬品開発ベンチャーへ出資を決定

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2021年12月20日

 宇部興産はこのほど、人工修飾核酸化学技術群を基礎としてより安全かつ効率的な新規核酸医薬品の実用化を目指すルクサナバイオテクへの第3者割当増資の引き受けによる出資を決定したと発表した。

 ルクサナバイオテクは、大阪大学大学院薬学研究科(小比賀聡教授)の画期的な人工修飾核酸に関する研究成果を社会実装する目的で、2017年に設立。人工修飾核酸技術のモノマー群(核酸合成物を構成する部品素材)と、これらのモノマー群を核酸合成物に設計する配列デザインノウハウをコア技術としている。これらの技術を基に、核酸医薬品を開発する製薬メーカーとの共同創薬や技術ライセンス提供を実施することで、未だ薬のない病気に対する治療方法を創出することを主事業としている。

 今回、宇部興産は、新規核酸医薬品の創薬ニーズに対するルクサナバイオテクの取り組みに賛同し、出資を決定した。ルクサナバイオテクの創薬力に加えて、宇部興産がこれまで培ってきた低分子医薬品原薬受託製造における高い有機合成・プロセス開発力、生産・品質管理力、承認申請力、およびその供給実績を最大限に活用し、今後需要が高まるとされる核酸医薬品の開発推進に取り組んでいく。

 宇部興産の医薬事業は、技術革新にあふれた「クスリづくり」を地域から発信し、すべての人々の健康に貢献することを目指している。これからも医療に貢献するため、自社/共同研究開発による「創薬」と「原薬・中間体製造」を両輪として新しい医薬品の種となる化合物を創出していく。

宇部興産 フェノール樹脂事業の子会社を吸収合併

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2021年12月20日

 宇部興産は17日、100%子会社である明和化成を吸収合併することを決議したと発表した。

 明和化成は1946年にフェノール樹脂成形材料の製造・販売を目的に、宇部興産を含む共同出資会社として設立。その後、電子材料用途を中心にフェノール樹脂事業を拡大し、半導体(封止材用エポキシ樹脂硬化剤)などの先端分野のサプライチェーンの一翼を担う素材メーカーへと成長し、今日に至っている。

 宇部興産は明和化成を2005年に100%子会社化しているが、今後も電子材料分野を中心に需要の拡大が見込まれるフェノール樹脂事業に経営資源を積極的に投入し、事業の成長を加速させるためには、吸収合併して機能品事業の中で一体運営することが望ましいと判断した。

宇部興産 東証プライム市場を選択、上場維持基準に適合

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2021年12月13日

 宇部興産はこのほど、来年4月の東京証券所(東証)の新市場区分への移行において、「プライム市場」を選択したと発表した。これは、同社が、東証から新市場区分における「プライム市場」の上場維持基準に適合しているとの結果を受けたもの。

 同社は今後、東証の定めるスケジュールに従い、所定の手続きを進めていく。

宇部興産 ポリイミドフィルムの工場を増設、能力20%増

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2021年12月9日

 宇部興産は8日、ポリイミド(PI)フィルム「ユーピレックス」の新工場を宇部ケミカル工場(山口県宇部市)内に建設することを決定したと発表した。2024年10月試運転開始予定で、生産能力は20%増加となる。

 既にPI原料モノマーであるBPDA(ビフェニルテトラカルボン酸二無水物)工場の増設を進めており(2023年度下期稼働予定)、今回、PIフィルムも増産することで、顧客への安定供給とともにPI事業の更なる拡大を図る。PIフィルムは、電子情報関連機器の回路基板材料などに使用されており、スマートフォン、パソコン、デジタル家電、車載などの市場拡大や高機能化に伴い、今後も需要拡大が見込まれる。

 同社独自のBPDA系熱イミド法で製造される「ユーピレックス」は、他のPIフィルムと比較して耐熱性・機械的特性・寸法安定性に優れ、LCD(液晶表示装置)やOLED(有機ELディスプレイ装置)分野向けを主体としたCOF(チップ・オン・フィルム)用途で高い市場シェアを獲得。また、FPC(フレキシブル・プリント回路基板)用途でも需要が好調に推移している。このような旺盛な需要に対応するため、積極的な生産能力増強と安定供給体制の確保が必要と判断し、今回の増強決定に至った。

 新工場は生産性を更に向上させる技術も導入し、様々なグレードを機動的に生産できる工場となる予定。宇部興産は2022年4月から「UBE株式会社」に商号変更し、化学事業会社として新たな一歩を踏み出す。今後、スペシャリティ化をより一層推進し、市況の変動に左右されにくい、レジリエンスと成長性を兼ね備えた事業体を目指す中で、その牽引役としてPI事業は、原料からフィルム・ワニスまでの一貫生産による強みを生かし、これからも収益拡大に一層寄与すべく、事業基盤の強化・拡大を図っていく。

宇部興産など 中国地域のCN電力推進部会、活動を開始

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2021年12月6日

 宇部興産など8者はこのほど、中国経済連合会が設立した「カーボンニュートラル(CN)推進協議会」の専門部会の一つとして設置された「CN電力推進部会」に参画し活動を開始した。今後、同部会において、中国地域におけるCN電力の需給拡大の推進に向けた検討を行っていく。なお、参画したのは宇部興産のほか、中国経済連合会、中国電力、マツダ、島根県、岡山県、広島県、山口県。

 CNの実現に向けた議論が国際的に加速する中、日本でも政府、自治体、地域、産業界など様々な枠組みで取り組みの強化が進む。中国地域は、CO2排出量の多い素材産業の割合が全国の中でも高く、また、輸送用機械産業の輸出が製品出荷額の多くを占めており、地域経済が持続的に発展していくためには、各業界の枠組みを超えて地域が一体となってCNに取り組む必要がある。

 特に電力のCN化は、産業界と地域社会の共通のテーマであり、対応すべき課題は非常に多岐にわたる。例えば、CN化に必要となる技術開発、サプライチェーンの構築、CN電力の拡大に係る投資を促進し、その効果を地域内に循環させる仕組み(CN電力拡大エコシステム)の整備なども対応すべき課題として想定される。そのためには、企業だけではなく行政をはじめ、多方面にわたるステークホルダーが一体となって取り組み、課題や解決策を共有し、電力のCN化を進めていくことが効果的になる。

 このような認識のもと、中国地域においてCN電力を推進するための課題を共有し、課題解決に共に取り組む企業や団体等を募るとともに、社会実装を見据えたフィージビリティスタディおよび実証に向けた協議を推進する。同部会としては、早期に着手可能で効果を期待でき、各方面のステークホルダーが協調して取り組むべき課題として、再生可能エネルギー由来の電力の需給拡大について検討を進めていく。

宇部興産 CPLの11月契約価格、前月比60ドル高

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2021年11月22日

中国の供給量が回復、オファー価格の上値抑える

 宇部興産は、ナイロン原料であるカプロラクタム(CPL)について、11月(上旬決め)の韓国・台湾大手向け契約価格を前月比60ドル高の2210ドルで決着した。同社はアジア地域の需給タイトを見越して2250ドルでオファーしていたが、事業環境が変化してきたことで上値が抑えられる結果となった。

 その要因として、

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宇部興産など PEFC向け高性能触媒の合成に成功

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2021年11月16日

 宇部興産、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、産業技術総合研究所(産総研)、先端素材高速開発技術研究組合(ADMAT)は15日、共同で、固体高分子型燃料電池(PEFC)向けの高性能なコアシェル型触媒の合成に成功し、その高効率合成も実現したと発表した。

 PEFCは、高いエネルギー変換効率や長寿命、低温作動(室温~100℃)などの特長をもち、FCV(燃料電池自動車)の動力源や家庭用コージェネレーションシステムなどで利用されている。

 エネ変換効率をより向上させるためには、正極(カソード電極)での酸素還元反応(ORR)の活性を高める必要があり一般的には白金が採用されている。しかし白金は高価で資源量も少ないため、使用量を大幅に低減しながらもエネ変換効率を向上させる手法の確立が求められている。

 そこで近年は、触媒粒子の外表面(シェル)部分のみに選択的に白金を存在させ、粒子の内部(コア)部分を他の金属で置き換えた構造をもつコアシェル型触媒により、白金利用効率の向上を目指す研究が活発化。しかしコアシェル型触媒の合成法として普及している銅‐アンダーポテンシャル析出(Cu-UPD)法は工程が非常に複雑かつバッチ式であるため、生産性が低いことが課題となっていた。

 こうした背景の下、NEDOは「超超プロジェクト」で、計算・プロセス・計測の三位一体による機能性材料の高速開発に取り組んでおり、その一環として四者共同で、カソード触媒の白金使用量の大幅な削減を可能とするコアシェル型触媒を効率的に合成する技術開発を行ってきた。

 今回、1日当たり数十種の触媒を連続・自動合成することが可能なハイスループットフロー合成装置を使って、短時間で最適なコアシェル構造をもつ触媒合成条件を確立し、またプロセス条件を最適化して、従来比十倍以上の触媒の高効率合成プロセスを実現した。この成果によりPEFCで課題となっている高い白金コストを大幅に低減することで、燃料電池触媒のより一層の社会実装を促進するとともに、脱炭素社会の実現に貢献する。