日本ゼオン CNTシート作製、リチウムデンドライトを抑制

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2022年1月26日

 日本ゼオンは25日、産業技術総合研究所(産総研)と共同で、スーパーグロース法により製造される単層カーボンナノチューブ(SGCNT)を使って作製したシートにより、リチウム金属の充放電時に発生するデンドライト(樹枝状結晶)を抑制する技術を開発したと発表した。リチウム金属電極(負極)の

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産総研 植物油上に水を載せるだけで超低摩擦表面を実現

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2022年1月25日

産業技術総合研究所(産総研)はこのほど、表面にぬれ広がったオレイン酸の上に水を載せた疎水親油性部材・複数潤滑流体表面を開発し、摩擦係数0.01以下の超低摩擦を実現した。

界面の摩擦は、自動車や産業機器などの損傷や劣化、エネルギー損失の原因となるため、低摩擦技術の確立は重要な課題だ。摩擦係数0.01以下の超低摩擦状態を得るために大量の潤滑油やグラフェンなどの “産総研 植物油上に水を載せるだけで超低摩擦表面を実現” の続きを読む

産総研 可視光水分解・水素生成の効率改良指針を明確化

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2022年1月24日

 産業技術総合研究所(産総研)はこのほど、人工光合成化学プロセス技術研究組合、徳島大学、京都大学、信州大学と共同で、可視光で水を水素と酸素に分解する酸硫化物光触媒のエネルギー変換効率の改良指針を明確化した。

 光触媒による水分解反応は太陽エネルギーで水素を生成できるため、世界中で研究開発が進められている。粉末光触媒の

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産総研 材料設計技術利用推進コンソーシアムの会員募集

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2022年1月19日

 産業技術総合研究所(産総研)はこのほど、今年4月に設立する「データ駆動型材料設計技術利用推進コンソーシアム」の会員募集を開始した。産総研のデータ駆動型材料開発技術を集約した「材料設計プラットフォーム」が利用できるとともに、関連する最新情報が提供される。

 従来の「経験と勘」に基づく仮説・検証という長時間・多大作業から脱却し、データに基づく革新的で高速な材料開発を可能とする基盤技術の構築を目指し、産総研と先端素材高速開発技術研究組合(ADMAT)は、NEDO「超先端材料超高速開発基盤技術プロジェクト(超超プロジェクト)」(2016~2021年度)を推進。

 材料の構造と特性との相関関係や法則をデータから帰納的に抽出し、新たな材料設計の指針とする材料開発手法で、ここで培われた技術・設備・データ・知財を集約して「材料設計プラットフォーム」を構築。同コンソーシアムはこれを利用するための窓口となる。超超プロジェクトで得られたデータに加え、データ駆動型材料設計に関する最新の情報も提供される。

 また会員間の秘匿化されたデータを共用する「AIST Materials Gate データプラットフォーム」も利用できる。これは目的に応じて「光機能性微粒子」「配線/半導体材料」「電子部品材料」「機能性高分子」「触媒」の5つの材料群で構成されている。

 今月26日には、「nano tech 2022 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」(26~28日:東京ビッグサイト)の中で、「データ駆動型材料研究の将来展望」をテーマにパネルディスカッションを開催し、同コンソーシアムの設立と活用について紹介する。法人、団体、大学、公的機関を対象に広く会員を募集し、データ駆動型材料開発技術の普及を目指す。

産総研 酸化物系電解質材料で全固体LIBが室温作動

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2021年12月28日

産業技術総合研究所(産総研)はこのほど、次世代リチウムイオン電池(LIB)である酸化物系全固体電池用の高容量正極と負極を開発した。高エネルギーで “産総研 酸化物系電解質材料で全固体LIBが室温作動” の続きを読む

産総研とJX金属 素材・技術連携研究ラボを設立

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2021年11月24日

 産業技術総合研究所(産総研)とJX金属はこのほど、「JX金属‐産総研 未来社会創造 素材・技術連携研究ラボ」を設立した。

JX金属と研究ラボ設立(左:JX金属の村山社長、産総研の石塚理事長)

 連携研究ラボでは、産総研の製造プロセス技術、素材特性の評価技術と、JX金属の非鉄金属に関する幅広い技術や知見によって、革新的な素材・技術の社会実装を促進するとともに、イノベーションを生み出す技術開発への取り組みを通じて、持続可能な未来社会の創造に貢献していく。

 近年、注目を集めている次世代無線通信は、持続可能な未来社会の実現には不可欠であり、そのために高機能な次世代デバイスの開発が求められている。デバイスに使う配線形成用の材料開発、製造プロセス技術開発、次世代の高速無線通信周波数帯での評価技術開発を進めることが重要になる。連携研究ラボでは、両者がもつ素材開発技術、製造プロセス技術を融合、発展させることにより、高機能な次世代デバイス向け材料を早期に社会に実装することを目指す。

 研究内容としては、次世代無線通信の基盤技術を確立するため、フレキシブル配線板の新規製造法の開発、銅箔/樹脂接合技術および銅箔、銅箔/樹脂接合材の高周波導電率の評価に取り組む。また、これにとどまらず、非鉄金属に関する様々な領域での素材や技術の開発を推進していく。

宇部興産など PEFC向け高性能触媒の合成に成功

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2021年11月16日

 宇部興産、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、産業技術総合研究所(産総研)、先端素材高速開発技術研究組合(ADMAT)は15日、共同で、固体高分子型燃料電池(PEFC)向けの高性能なコアシェル型触媒の合成に成功し、その高効率合成も実現したと発表した。

 PEFCは、高いエネルギー変換効率や長寿命、低温作動(室温~100℃)などの特長をもち、FCV(燃料電池自動車)の動力源や家庭用コージェネレーションシステムなどで利用されている。

 エネ変換効率をより向上させるためには、正極(カソード電極)での酸素還元反応(ORR)の活性を高める必要があり一般的には白金が採用されている。しかし白金は高価で資源量も少ないため、使用量を大幅に低減しながらもエネ変換効率を向上させる手法の確立が求められている。

 そこで近年は、触媒粒子の外表面(シェル)部分のみに選択的に白金を存在させ、粒子の内部(コア)部分を他の金属で置き換えた構造をもつコアシェル型触媒により、白金利用効率の向上を目指す研究が活発化。しかしコアシェル型触媒の合成法として普及している銅‐アンダーポテンシャル析出(Cu-UPD)法は工程が非常に複雑かつバッチ式であるため、生産性が低いことが課題となっていた。

 こうした背景の下、NEDOは「超超プロジェクト」で、計算・プロセス・計測の三位一体による機能性材料の高速開発に取り組んでおり、その一環として四者共同で、カソード触媒の白金使用量の大幅な削減を可能とするコアシェル型触媒を効率的に合成する技術開発を行ってきた。

 今回、1日当たり数十種の触媒を連続・自動合成することが可能なハイスループットフロー合成装置を使って、短時間で最適なコアシェル構造をもつ触媒合成条件を確立し、またプロセス条件を最適化して、従来比十倍以上の触媒の高効率合成プロセスを実現した。この成果によりPEFCで課題となっている高い白金コストを大幅に低減することで、燃料電池触媒のより一層の社会実装を促進するとともに、脱炭素社会の実現に貢献する。

産総研 大規模イベントでの感染予防対策を調査・速報

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2021年11月1日

 産業技術総合研究所(産総研)はこのほど、日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)と名古屋グランパスエイトと連携し試合時の入場者間の平均距離とマスク着用率を調査した。政府、日本サッカー協会、Jリーグによる「ワクチン・検査パッケージ」に関する技術実証における、観客による感染予防対策の実施状況調査の第1弾で、10月6日の本試合で実施した。

 ソーシャルディスタンスの計測は、ワクチン接種証明・陰性証明チェックブースでの入場者間の平均距離をレーザーレーダーで計測。試合開始10分前の最も混雑した時間帯であっても、半径2m以内の平均人数は2人ほどで、密集は発生していなかった。

 試合中のマスク着用率は、カメラ撮影とAIの画像解析で評価。通常座席でのマスク着用率は平均で93%、ワクチン接種普及前と比べて大きな変化はなかった。また、ワクチン・検査パッケージ席(ワクチン接種証明・陰性証明チェックを通過した人の席)でのマスク着用率も93%で、通常座席と同程度だった。

 1試合のみの調査結果だが、ワクチン接種が進み、緊急事態宣言などが解除された状況下での試合でも、ワクチン接種済や事前検査で陰性が証明されている観客も含め、マスク着用率は従前に比べ大きな差はなかった。

 今後も調査を継続し、結果を取りまとめる。なお今回は速報のため、今後、数値などが修正される可能性がある。

産総研 海洋生分解性プラの標準化コンソーシアムを設立

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2021年10月25日

 産業技術総合研究所(産総研)はこのほど、産総研コンソーシアム「海洋生分解性プラスチック標準化コンソーシアム」をイノベーション推進本部・標準化推進センターに設立した。

 プラスチックごみによる海洋汚染問題に対し、官民連携した取り組みに向けた2019年策定の「海洋生分解性プラスチックの開発・導入普及ロードマップ」に示された新素材・代替素材の普及を、オールジャパンで促進することを目的とする。産業界が抱える技術課題やニーズを抽出し、産総研の技術・知見を活用した新材料・製品の社会実装に必要な標準化を推進し、持続可能な社会の実現と産業競争力の強化を図る。

 新技術の普及と市場拡大には技術を共通利用するための国際標準化が求められ、製造、バイオテクノロジー、環境影響評価など業界を超えた知見が必要となる。新しい産業分野での標準化と規格の普及のため、ニーズ・シーズの探索や情報共有、議論の場を提供する。

 発足当初は、産総研の生分解性プラスチックに関する合成・評価技術の普及と、今後の標準化ニーズや技術開発を主軸とした情報交換を図る。長期的には対象をサプライチェーンにも広げ、G20大阪サミットで共有された「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」の目標、2050年までに海洋流入ごみゼロの達成に向け、企業側が抱えるプラスチックに関連するSDGs課題を見据えた対応へ展開していく。

 今後、生分解性プラスチックなどの製造や評価法に係わる企業、標準化団体、大学・公的研究機関の研究者の参加募集と、「海洋生分解性プラスチック標準化コンソーシアム設立記念講演会」を開催する予定。なお募集サイトを、標準化推進センター公式ページ(https://unit.aist.go.jp/spc/)上に開設する。