ENEOS サウジと協業しCO2フリー水素SC構築へ

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2021年3月26日

 ENEOSは25日、サウジアラビアの国営石油会社・サウジアラムコとの間でこのほど、CO2フリー水素・アンモニアのサプライチェーン構築に向けた協業検討の覚書を締結し、フィージビリティスタディ(FS)を開始すると発表した。

 今回の検討では、サウジアラムコが生産・供給する天然ガス・LPGなどの化石資源に由来する水素製造事業、製造時に発生するCO2を回収・貯留する事業、日本をはじめとするサウジアラビア国外の需要地への海上輸送の3点を対象にFSを実施する。

 海上輸送については、アンモニアや常温常圧で水素ガスの500分の1の容積となる液体・メチルシクロヘキサン(MCH)を含む様々な水素の輸送形態を検討する。日本は年間原油消費量の3分の1以上をサウジアラビアから輸入しており、サウジアラムコがCO2フリー水素・アンモニアの長期的な安定供給ポテンシャルをもつことから覚書を締締。

 ENEOSは、このFSの成果に基づき、日本への製品輸入を含め、製油所を起点に発電所などの近隣企業への水素供給事業の展開を目指す。CO2フリー水素・アンモニアサプライチェーンを早期に拡大することで、将来の水素社会実装と低炭素社会構築に貢献していく。

ENEOS 大分・常圧蒸留装置復旧へ、8月に運転再開

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2021年3月23日

 ENEOSは22日、昨年5月の火災により停止していた大分製油所(大分県大分市)の「第三常圧蒸留装置(原油を加熱して蒸留する装置)」について、現在、関係各所の協力を得て復旧作業を進めており、今年8月に運転を再開する見通しとなったと発表した。

 同火災は定期修理の工事の際、装置内に残った硫化鉄を含む可燃性堆積物が発熱、発火したことが原因。同社は今後、外部有識者を含む事故調査委員会より承認を得た再発防止策を確実に実行し、製油所工事の安全作業と常時の安全操業に努めていくとしている。

ENEOS ベトナム事業を強化、LNGなど拡大・推進

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2021年3月19日

 ENEOSはこのほど、ベトナム最大手の国有石油製品販売会社であるペトロリメックスとの間で、ベトナムでの新規共同施策の拡大・推進に関する覚書を締結したと発表した。また、同新規共同施策の実行推進強化を目的に、今年4月1日付で「ベトナム総代表」を設置する。

 ENEOSは、ペトロリメックスの長期的な戦略的パートナーとして、同社への出資比率を高めることにより協力関係の強化を行っているが、同覚書締結を契機に新規共同施策の検討をさらに推進することで、ベトナムでの事業拡大に向けた事業検討・展開を加速させていく考えだ。

 具体的には、①ペトロリメックスの石油製品サプライチェーン強化②ペトロリメックスSSの併設事業開発支援③電子決済導入支援・データマーケティングの強化④エネルギーインフラ事業(LNG、再生可能エネルギー)⑤水素事業⑥ペトロリメックスの物流効率化⑦ペトロリメックスの代理店管理―などを行っていく。

 ENEOSは、アジアを中心とした新興国の経済成長と、それに伴うエネルギーの需要増を事業創出の機会として捉えている。ベトナムでは、2016年のペトロリメックスへの出資以来、戦略的パートナーとして同社の事業価値向上を図るとともに、ベトナム国内で販売シェア約50%を誇る同社の石油製品販売に関わる事業を検討してきた。

 今回の新規共同施策のうち、2019年以降、協議・検討を重ねてきたLNG事業については、ペトロリメックスとのLNGターミナル、ガス発電所の建設・運営に関する共同検討の実施に合意。今後は両社の知見・強みを生かすことにより、LNG調達から発電までの一貫操業体制を確立し、伸び行くベトナムの電力需要への対応と電力需給安定化への貢献を目指す。一方では、新設する「ベトナム総代表」を通じて、現地での意思決定と業務執行の迅速化を図り、ビジネスパートナーや関係各所との連携を強化する考えだ。

 ENEOSは、2040年長期ビジョン「アジアを代表するエネルギー・素材企業」を目指している。ベトナムでも次世代型エネルギー供給・地域サービス事業を実現し、長期的な戦略的パートナーとしてペトロリメックスとの協力関係を基に、同国の経済・社会の発展と、両社の繁栄に貢献していく。

ENEOSなど 横浜市と水素FC船実証の包括連携協定を締結

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2021年3月17日

 ENEOS、日本郵船、東芝エネルギーシステムズ、川崎重工業、日本海事協会の5者はこのほど、「高出力燃料電池搭載船の実用化に向けた実証事業」について、横浜市と包括連携協定書を締結したと発表した。

 同事業は、昨年9月に新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業に採択されたもの。5者は連携により、①高出力燃料電池搭載内航船舶(水素FC船)の開発②船舶向け水素燃料供給の開発③船舶での水素エネルギー利活用の情報発信④その他、災害時の高出力燃料電池搭載内航船舶を活用した事業継続性の検討―を行っていく。

 横浜市では、港湾での脱炭素化の実現を目指し、カーボンニュートラルポートの形成に向けた取り組みを進めている。5者は水素FC船の開発・実証運航(2024年予定)に向けて、横浜市と連携して取り組みを進め、環境に配慮した船舶への対応をいち早く進めるとともに、横浜港から脱炭素化社会の実現に貢献していく考えだ。

 なお、カーボンニュートラルポートとは、国際物流の結節点・産業拠点となる港湾で、水素、アンモニアといった次世代エネルギーの大量輸入や貯蔵、利活用などを図るとともに、脱炭素化に配慮した港湾機能の高度化を通じて温室効果ガスの排出を港全体としてゼロにする構想。

ENEOS 大阪事業所のアスファルト発電設備を廃止

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2021年3月9日

 ENEOSはこのほど、大阪事業所(大阪府高石市)のアスファルトを燃料とする発電設備(13万kW:自家使用を除く)について、今年10月をめどに廃止することを決定したと発表した。

 同事業所の発電設備は、製油所の重油留分を燃料として電気を生み出すことで、同社グループ内の重油留分処理と電気事業に有効活用してきたが、今回、重質油の需給環境や電力市場動向の変化を踏まえて最適な事業体制を検討した結果、同事業所の発電設備を廃止することが競争力向上に資するとの結論に至った。

 ENEOSは、電気事業を次世代の事業の柱と位置づけており、今後も再生可能エネルギーをはじめ、新規電源の拡大を進めるとともに、最適な電源ポートフォリオを構築することにより、電気事業のサプライチェーン全体の競争力強化を図っていく考えだ。

ENEOS 山形県で風力発電事業の共同開発に参画

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2021年3月2日

 ENEOSはこのほど、三菱UFJリースの100%子会社であるMULエナジーインベストメントが開発を進める、山形尾花沢風力発電事業(仮称)の環境影響評価法の事業承継手続が完了したことを受け、同事業開発に参画し、今後は両社共同で開発を進めていくと発表した。山形県尾花沢市に最大出力17.2MWの陸上風力発電所を建設する計画。3~4MW級の風力発電機を最大3~4基設置し、2026年以降の運転開始を目指す。

 同県は陸上風力発電事業では国内有数の適地であり、良好な風況が見込まれている。両社は、国や同県の再生可能エネルギーに係る取り組みに即する形で、地球温暖化対策や地元自治体の活性化に寄与するものとして、同事業開発に取り組んでいく。

 ENEOSは、グループ長期ビジョンの中で、2040年時点でのカーボンニュートラルを掲げており、2022年度までに、国内外で行う再エネ事業の総発電容量を約100万kW以上に拡大することを目指し、事業展開を加速している。

 一方、三菱UFJリースは、再エネを注力分野の1つに位置づけており、MULエナジーインベストメントは、風力発電所や太陽光発電所などの開発、発電事業の運営管理などのアセットマネジメント事業を通して、再エネ分野のトータルソリューションを提供している。

 両社がこれまでに培った再エネ事業の知見を生かし、同事業の開発を加速するとともに、再エネ事業の拡大を通じて、低炭素化社会の実現に貢献していく考えだ。

ENEOS 3月のベンゼンACPは前月比195ドル高

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2021年3月2日

 ENEOSは1日、3月分のベンゼンACP(アジア契約価格)を855ドル/tで決着したと発表した。2月のアジアベンゼン市況は、堅調な誘導品需要と、原油価格の上昇により前月比上昇した。こうした市場環境を反映し、3月ACPは前月比195ドル/t高で決着した。

 なお、国内価格換算想定値は、96.6円/kgとなる。

ENEOS 人事(3月1日)

2021年2月17日

[ENEOS・人事](3月1日)▽機能材カンパニー機能材事業企画部副部長兼機能材事業管理グループマネージャー山本純二▽出向ENEOSテクノマテリアル三上順。

出光興産 ENEOSのPX装置など、譲受の基本契約を締結

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2021年2月12日

 出光興産は10日、ENEOSとの間で、ENEOS知多製造所の石油化学製品製造設備の譲受に向けた基本契約を締結したと発表した。両社は昨年10月に基本覚書を締結以降、譲受に関する協議を行っていた。対象となる知多製造所の石化設備は、パラキシレン(PX)製造装置(年産40万t)と、不均化装置など周辺設備。出光興産は国内に47万9000tのPX製造装置を保有している。

 出光興産は今後、譲受に関する詳細な条件をENEOSと協議し、今年9月末を目途に設備譲渡(譲受)契約を締結することを目指す。

 

ENEOS 東京都の水力発電所由来の電気を都内で販売

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2021年2月9日

 ENEOSはこのほど、東京都交通局が公募型プロポーザル方式で実施した「多摩川第一発電所ほか2カ所の水力発電所で発電する電気の売却先選定」で採択され、同交通局が運営する多摩川水系の3水力発電所(多摩川第一発電所、多摩川第三発電所、白丸発電所)から発電された地産地消の再生可能エネルギーを販売すると発表した。

水力発電写真 多摩川第一発電所
水力発電写真 多摩川第一発電所

 水力発電は、水量と高低差がもつエネルギーで水車を回転させ、水車に直結した発電機を回転させて発電。太陽光や風力などの発電が気象条件に左右される再エネであるのに比べ、発電量をコントロールできることに加え、安定的に発電できるメリットがある。

 同社は、東京都内の業務用高圧需要家を対象として、水力発電所由来の電気を活用した再エネメニューを新設し、今年4月から3年間、合計約3億kWhの電力の販売を目指す。また、同メニューを利用する需要家を対象とし、同交通局の水力発電を紹介する機会を提供する予定だ。

 近年の再エネへの関心の高まりや、使用電力を100%再エネで賄うRE100への加盟企業の増加を踏まえ、同社は2019年度から法人向けの再エネ由来の電気販売を開始し、環境志向の高い需要家に利用されている。これまでの取り組みに加え、同メニューの展開を開始することで、さらなる再エネの認知度向上と有効活用を推進していく考えだ。

 同社は、グループ長期ビジョンの中で、2040年時点でのカーボンニュートラルを掲げており、今後も、低炭素・循環型社会の実現に向けて、地産地消エネルギーの推進に積極的に取り組んでいく。なお、東京都交通局は1957(昭和32)年から多摩川第一発電所の運転開始を皮切りに水力発電事業に参入、発電した電気は都内に電気を供給する電気事業者に売却している。2019年度の3発電所合計の販売電力量は約1億1700万kWhで、一般家庭約3万5000世帯の使用量に相当する。

 今回の公募ではENEOSを選定し、都営バス全営業所(20カ所)への水力発電による電気の供給を条件に、今年4月から2023年3月末までの3年間、ENEOSに電気を売却する。