ランクセス エメラルド・カラマ・ケミカル社の買収完了

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2021年9月14日

 ランクセスはこのほど、同社で2番目の規模の大型買収となる米エメラルド・カラマ・ケミカル社の買収を完了したと発表した。

 エメラルド・カラマ・ケミカル社は米国に本社を置く特殊化学品メーカーで、従業員約470人、米国、オランダ、英国に生産拠点をもち、昨年の売上高は約4億2500万米ドル、特別項目を除いたEBITDAは約9000万米ドルだった。企業価値は10億7500万米ドル、負債類似項目控除後の買収額は約10億4000万米ドルで、流動資産から資金を調達した。売上の約75%はパーソナルケア製品や化粧品用製品、高級フレグランス、食品・飲料などに使用されるコンシューマー向け特殊化学品で、アーシー、フローラル、フルーティー、スパイシー、ハーバルなどの30以上のアロマケミカルが含まれる。

 コンシューマープロテクション部門下に新設するフレーバー&フレグランス・ビジネスユニットに組み込み、バリューチェーンを強化する。残り25%は主にプラスチック、塗料、コーティング、接着剤業界の高成長産業用途向けの特殊化学品であり、ポリマー添加剤ビジネスユニットに統合される。

 ランクセスは魅力的な成長率が期待できる市場でのポジションを強化し、飲料・食品産業、あるいは洗浄剤・化粧品用製品で利益率の高い応用分野を開拓しており、安定と収益性を高めるための重要なエンジンだとし、今後3年以内に相乗効果によるEBITDAの上積みとして約3000万米ドルを見込んでいる。

帝人 訪問看護師向けのサイト開設、地域包括ケアを支援

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2021年9月14日

 帝人はこのほど、訪問看護師や訪問看護事業者への情報提供に特化したウェブメディア「NsPace(ナースペース)」(https://www.ns-pace.com/)を開設したと発表した。

 訪問看護に必要な情報や、職員の採用や教育、事業所の運営などに関するノウハウ、さらには訪問看護師同士の交流の場を提供し、訪問看護師と訪問看護事業者にとってのプラットフォームとなることを目指していく。

 団塊の世代が75歳以上となる2025年以降には、国民の医療や介護の需要がさらに増加すると見込まれている。これに対し、政府は在宅医療の体制整備を急務とし、高齢者が住み慣れた地域で住まい・医療・介護・予防・生活支援などのサービスを一体的に受けられるよう、地域の包括的な支援・サービス体制(地域包括ケアシステム)の構築を推進。

 こうした中で、訪問看護師は、在宅医療の中心的な担い手としてのニーズが高まっており、その所属事業所である訪問看護ステーションの数は10年間で約2倍に増加している。しかし、経営に必要な情報やノウハウが充分に得られないことや、採用や教育が上手くいかないなどの課題により、休止や廃止に至る事業所も多く課題となっていた。

 今回、帝人はウェブメディア「ナースペース」を開設し、課題解決の支援を通じて、地域包括ケアシステムの構築に貢献する。「ナースペース」の特長として、①訪問看護師の求める訪問看護関連の情報に特化し、迅速に検索・閲覧が可能、②訪問看護事業所の経営者層、管理者層にも有用なコンテンツ構成、③オンラインセミナーなど各種イベントを定期的に開催し専門性の高い人材の育成や経営を支援、④事業運営に欠かせないマニュアルやフォーマットを提供し事業運営を効率化、などが挙げられる。

 帝人は今後、「地域包括ケアシステム関連新事業の創出」を掲げ、保険領域に留まらない地域密着型の総合ヘルスケアサービスの提供を目指しており、今回の取り組みを含めたデータプラットフォームを活用することで、新たな市場創出を推進していく。

訪問介護士向けのウェブメディア「NsPace」
訪問介護士向けのウェブメディア「NsPace」

 

JSR 東証プライム市場を選択、上場維持基準に適合

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2021年9月14日

 JSRは13日、来年4月4日に移行が予定されている東京証券取引所(東証)の新市場区分で、「プライム市場」を選択し申請することを取締役で決議したと発表した。同社は7月に東証から同件に関する一次判定結果を受領し、「プライム市場」の上場維持基準に適合していることを確認していた。

 今後は東証の定めるスケジュールに基づき、所定の手続きを進めていく。

 

 

 

昭和電工 SiCエピウェハー、ロームと長期供給契約を締結

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2021年9月14日

 昭和電工は13日、高効率SiCパワー半導体事業をグローバルに展開しているロームとの間で、パワー半導体向けSiCエピタキシャルウェハーに関する、複数年にわたる長期供給契約を締結したと発表した。

 今回の長期供給契約の締結は、昭和電工の優れた品質と安定供給体制が評価されたものであり、先進的な開発を進めるロームと、SiCエピウェハーの特性均一性、低欠陥密度などの向上に向けた技術的な協力関係をさらに強化するものになる。

 昭和電工のSiCエピウェハーは2009年の上市以来、システムサーバー電源や鉄道車両、太陽光発電システム用インバーター、電気自動車の高速充電スタンド用コンバーターなど様々な用途に採用。大きな成長が見込まれるSiCパワーデバイス市場では、SiCエピウェハー事業の拡大が期待される。

 昭和電工グループは、世界最大(同社推定)のSiCエピウェハー外販メーカーとして、〝ベスト・イン・クラス〟をモットーに、急拡大する市場に高性能で高い信頼性の製品を供給し、電力損失や熱の発生が少なく、省エネルギーなSiCパワー半導体の普及に貢献していく考えだ。

旭化成 米ゾール・メディカルがイスラエル医療機器メーカーを買収

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2021年9月14日

 旭化成は13日、米国子会社ゾール・メディカル(マサチューセッツ州)が、イスラエルの医療機器メーカー・イタマー(Itamar)社の全発行済み普通株式を総額約5億3800万米ドル(約592億円)で取得する最終合意書を締結したと発表した。今年末までの買収完了を予定する。

 イタマー社は1997年に設立の、心臓病患者への医療に睡眠時無呼吸症の診断を加えることにフォーカスした、医療機器とデジタルヘルスのリーディングカンパニー。従業員数は約280人。患者と医療従事者のための革新的な睡眠時無呼吸症診断プログラムを開発しており、同製品はFDA(米国食品医薬品局)の認可を受け、自宅でできる安全で効果的な睡眠時無呼吸症の検査方法として使用されている。

 一方、ゾール社は、医療機関向け除細動器や自動体外式除細動器(AED)、着用型自動除細動器「LifeVest」などの心肺蘇生を中心とした既存事業に加え、心不全や呼吸機能障害といった心肺蘇生の周辺領域を取り込むことにより、クリティカルケア事業のさらなる拡大を目指している。

 同社のジョナサン・レナートCEOは、「現在、心血管疾患患者の60%が何らかの睡眠時無呼吸症を患っており、その患者の大部分が診断されていない状態と推定されている。イタマー社が加わることで、より多くの患者に睡眠呼吸障害の診断と治療を提供できるようになる」と、今回の買収に期待を寄せる。

 ゾール社は、今年4月には中枢性睡眠時無呼吸症に対する植え込み型神経刺激デバイスの製造・販売を行う、米国の医療機器メーカー・レスピカルディア(Respicardia)社を買収。新たな事業を加えることで、睡眠時無呼吸症領域での在宅検査・診断ソリューションを獲得し、心臓病患者へのサービスを強化したい考えだ。

 今回の買収は、イタマー社の株主による承認、規制当局による承認、その他の通常の取引完了条件を前提に、年末までの完了を見込む。また、買収完了後も、イタマー社の主要事業は、研究開発センターやデジタルヘルス技術センター、生産センターを含め、イスラエル・カイザリアにある現在の拠点で継続される予定となっている。

 

 

JSR サステナビリティレポート2021を発行

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2021年9月13日

 JSRはこのほど、2020年度のサステナビリティへの取り組み内容をまとめた「JSRグループ サステナビリティレポート2021」を発行した。JSRと国内外グループ会社からなる65社を対象範囲とし、ウェブサイト(https://www.jsr.co.jp/sustainability/)で公開している。

サステナビリティリポート Web版

 同レポートでは、サステナビリティ推進担当役員である中山美加氏が昨年度の総括、グループの目指す方向性や今後の取り組みなどのメッセージを発信。また、同社グループの非財務活動の各基本方針・活動内容・目標と実績の説明、詳細なESGデータを提供するとともに、新中期経営方針に合わせて見直した同社グループのマテリアリティ(重要課題)について、選定プロセスと外部有識者からの評価コメント(第三者意見)を掲載している。

 なお、英語版については10月末に発行する予定。

三井化学 Meiji Seikaファルマの農薬事業取得

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2021年9月13日

 三井化学は10日、100%子会社の三井化学アグロが、Meiji Seikaファルマの農薬事業を取得することで合意したと発表した。取得金額は概算で467億円、クロージングは年明けを予定する。

 今回の事業取得により、対象事業がもつ原体ポートフォリオ、国内外の顧客基盤、創薬・製剤技術および天然物に関する技術を三井化学アグロと融合していくことで、国内市場のプレゼンス向上と今後成長が見込まれる海外農薬市場への展開加速を推進していく。また、継続的な新規原体創出と市場ニーズに応えるマーケットイン型の製剤開発の強化を図ることができ、三井化学の長期経営計画の実現と三井化学アグロの成長戦略を加速したい考えだ。

 同事業取得までの流れは、まずMeiji Seikaファルマが新設会社を設立し、同社の農薬事業と同事業に係る子会社の全株式を吸収分割により新設会社に承継。その上で、新設会社の発行する全株式を三井化学アグロが取得し、完全子会社化する。当面は、取得した新設会社を三井化学アグロの子会社として運営し、将来的にはシナジーの創出によるさらなる事業成長を目指し、三井化学アグロと新設会社の合弁を予定する。

 三井化学グループの農薬事業の中核である三井化学アグロは、有機合成力を基盤に創出した独自の原体をベースに、地域別戦略に基づく国内外での農薬事業の拡大と、農薬事業の周辺領域であるPPM(Professional Pest Management)事業の拡大という成長戦略を通じて、持続的な農業の促進とQOL向上へ貢献することで、「農業化学品分野においてグローバルに存在感のある研究開発型企業」となることを目指している。

 

ダウ ESG報告書を発表、取り組みの透明性を一層強化

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2021年9月10日

 ダウはこのほど、環境・社会・ガバナンスに関する初の統合ESGリポート「INtersections(インターセクションズ)」を発表した。

 同報告書は、環境スチュワードシップに関して同社が実現した顕著な取り組みや、全ての事業、チーム、サプライチェーンおよび地域社会を通じて、社会にもたらす好ましい影響をまとめている。同報告書は、2003年から毎年発表してきたサステナビリティ報告書、また2018年から毎年発表してきたインクルージョンおよびダイバーシティ報告書「Shine(シャイン)」を進化させたものとなる。

 「インターセクションズ」には、世界をより良くしようと努力するダウの目指す目標とコミットメントへの取り組み状況が詳細にまとめられている。具体的な重点取り組み領域としては、CO2排出量の削減、プラスチックに対するサーキュラーエコノミー(循環型経済)の構築、コミュニティー支援、公平性のある職場に向けた活動などが挙げられる。さらに、アカウンタビリティ(説明責任)の推進、長期にわたるステークホルダーの利益保護を目的とした、業界で最高基準のダウのコーポレートガバナンスの慣行についてもまとめられている。

 ジム・フィッタリング会長兼最高経営責任者は「昨年に起きた出来事により、多くのステークホルダーの生活においてダウのチームが担う、重要かつ積極的な役割が浮き彫りになった。素材科学の専門技術を生かし、かつ当社パートナーとの連携を通じて世界にサステナブルな未来をもたらすという目的の下、私たちはこの役割に真剣に向き合い、顕著な進展を遂げた。今年のESG統合報告書の発表は、大胆な目標設定に対する当社のコミットメントと、取り組み状況の測定を再確認するものであり、また、業績に関する透明性を高める目的にも適うものだ」とコメントしている。

 

旭化成 キャンペーンモデルの起用、来年3月で終了

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2021年9月10日

 旭化成はこのほど、「旭化成グループキャンペーンモデル」の起用について、2021年度(2022年3月末)をもって終了すると発表した。

 同社は、1976年から毎年キャンペーンモデルを選出。繊維素材の水着発表会をはじめ、社会貢献活動・社内イベントへの参加など、46年の長きにわたり活動を展開してきた。一方、同社は、社会・環境の変化に対応しながら事業を積極的に多角化するとともに、事業ポートフォリオの転換を図り成長してきている。こうした状況を踏まえ、コミュニケーション活動についても再検討をした結果、キャンペーンモデルの活動を今年度で終了することを決定した。

 同社グループは今後も、多様な事業や活動を通じたコミュニケーションやPR活動を積極的に展開していく。