住友化学 アクセンチュアと合弁会社設立、IT体制を強化

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2021年4月9日

 住友化学は、デジタル革新の推進とそのための人材育成を目的として、アクセンチュアと合弁で「SUMIKA DX ACCENT」を設立し業務を開始した。

 住友化学は中期経営計画の基本方針の1つに「デジタル革新による生産性の飛躍的向上」を掲げる。研究開発、製造、サプライチェーン、営業・間接業務の各領域で取り組みを進めており、次のステップとしてデジタル革新を通じた既存事業の競争力強化、最終的には新たなビジネスモデルの創出につなげていく。

 これらの取り組みでは、ビジネス部門とIT部門が相互にデータを利活用し、最先端のデジタル技術のビジネスへの適用、また、それに合致したソリューションを考案することが求められる。それらの役割を果たすため、ITシステムの導入についてプロジェクトの推進・開発・運用保守を担う住友化学システムサービスの吸収合併を決定。同社がもつITに関する知見とビジネスとの融合を促進し、デジタル革新を支える体制を強化する。

 また今回、さらなる強化策として、デジタル領域で多くの企業を支援してきたアクセンチュアと「SUMIKA DX ACCENT」を設立。アクセンチュアがもつ先進的なAIやアナリティクス、オートメーションなど多岐にわたるノウハウや専門人材を活用。サプライチェーンや営業・間接部門での、最新デジタル技術の評価や業務適用可能性の実証実験、デジタル人材の育成を進め、IT部門とビジネス部門を連携させることで、デジタル革新を一層加速させる考えだ。

日本ポリケム 日本ポリプロから海外PPCP事業を取得

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2021年4月9日

 三菱ケミカル(MCC)の完全子会社である日本ポリケムはこのほど、JNCとの合弁会社である日本ポリプロ(JPP)が保有し、ポリプロピレンコンパウンド(PPCP)と、ガラス長繊維強化熱可塑性樹脂「ファンクスター」事業を展開する海外グループ会社の株式を取得することにより、同事業をJPPから日本ポリケムに移管すると発表した。移管対象となる会社は、米国、メキシコ、インド、タイの拠点と、中国の2拠点。

 日本ポリケムは、2003年に設立したJPPを通じ、国内外でPP、PPCPおよび「ファンクスター」事業を行ってきた。PPCPと「ファンクスター」は、自動車の軽量化に貢献できる有力材料として需要の増加が見込まれている。今回、MCCは、同事業の拡大を目的に、日本ポリケムを通じ、海外でのPPCPおよび「ファンクスター」事業を取得する。これにより、JPPがこれまで培ってきた技術力とMCCグループが海外に保有する様々な事業基盤を活用し、顧客ニーズに迅速に応えることで成長を加速させていく。

ハイケム 生分解性プラのCPDに着手、高機能化を展開

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2021年4月9日

 ハイケムは8日、プラスチックの製造、リサイクル企業である髙六商事(東京都荒川区)と生分解性プラスチックのコンパウンド事業について業務提携を行い、同事業に着手すると発表した。これにより、ハイケムが中国から輸入するポリ乳酸(PLA)やポリブチレン・アジペート・テレフタート(PBAT)などの生分解性樹脂を独自のレシピでコンパウンドすることで高機能化し、環境配慮型プラとして様々な分野への用途展開を図る考えだ。

ポリ乳酸(PLA)作られた製品
ポリ乳酸(PLA)作られた製品

 ハイケムは、中国で拡大する生分解性プラ市場を背景に、中国製樹脂の輸入に取り組み、生分解性材料の日本市場開拓に注力。昨年8月にはPLAの中国最大メーカーである豊原(ほうげん)集団の傘下企業と戦略的事業パートナーシップ契約を締結したほか、中国で生産が急増するPBATといった生分解性材料の取り扱いを強化している。

 一方、プラスチックの専門商社である髙六商事は、着色やコンパウンド樹脂を得意とする生産メーカー。独自の開発技術による自社製品の開発やリサイクルプラのコンパウンドによる高機能化を行っている。

 今回、両社がタッグを組むことで、中国から輸入する豊富な生分解性材料に植物由来の改質剤などで加工し、ニートレジンでは達成できなかった高機能分野への用途展開・拡大を図る。具体的には、生分解性樹脂のコンパウンドによる耐熱性、透明性、耐衝撃性などの高機能化や、機能性の高いABS樹脂やPC樹脂などとのアロイなどを実現させ、電化製品やアミューズメント製品などの分野に展開していく。なお、初年度は1000tの取り扱いを目指す計画だ。

 中国ではプラ全体の5%が生分解性に置き換わるという予測が発表されるなど、生分解性プラ市場の急拡大が想定され、各社の増産計画が進む。PLAでは、豊原集団が現在の年産5万tから2023年までに年産70万tに増強する計画を打ち出した。また、中国各社のPBATやPBSの生産についても、合計で年産124万tの増産計画がある。

 ハイケムは、生分解性材料の取り扱いアイテムと機能を一層強化するとともに、日本のみならず世界のコンパウンダーとの技術提携による独自グレードの開発や、加工法の開発にも注力し、生分解性プラの世界的な普及に貢献していく考えだ。

【化学企業 入社式訓示⑤】DIC 猪野薫社長

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2021年4月8日

 62名の皆さんを迎えることができ、大変嬉しく深く感謝し、心から歓迎する。

 新型コロナウイルスの出現で生活は一変した。テレワークが常態化し、これまでと異なる「もの作りの現場」を真剣に考えるきっかけとなった。「生産性の向上」と「働きがいの向上」を目指した「働き方改革」の全社横断的プロジェクトをスタートした。これからはワークライフバランスはもちろん、「能動的に取り組めて、働きがいある」職場が求められる。「やりがい」と「働きやすさ」を掛け合わせ、働くことに誇りをもち、能力と意欲ある「個」と「多様性」が正当に評価されていると実感できる「自己実現の場」を構築したい。

 デジタル化が進んでも、仕事は「人」が進め「人」がつながる中で進むという意味で、「働き」の本質は変わらない。「つながる」ことに知恵と工夫が必要だ。上司・先輩・同僚との「信頼関係」構築にはコミュニケーション能力が一層重要になる。高める努力をすれば「信頼貯金」が殖え、不足すると正論を聞いてもらえない場合もある。会社においても「信頼貯金」は大事で、社会に貢献する企業として尊敬されるには、社会課題に取り組む姿勢と正しい企業姿勢が重要だ。

 DICはESG経営を推進し「社会的価値の向上」と「経済的価値の向上」のシンクロ領域を進むべき事業領域とし、気候変動、海洋プラスチック問題、食の安全、デジタル化などの社会課題と社会変革にフォーカスし、事業ポートフォリオの質的転換を目指している。そして10年後のあるべき姿「ユニークで社会から信頼されるグローバル企業」を実現させる。

 毎年新入社員には「企業は誰のためにあるか」を考えてもらっている。会社は「個人が活躍する場」であり、経営のあり方として、意欲や能力のある全ての個人への「活躍の場」の提供と「正しいことを正しく行う」企業風土の醸成を重視している。それを踏まえ、真のDICパーソンになるために「異文化を受け入れる懐の深さと柔軟性をもつこと」「多様性(異なる性、国籍、意見をもつ人)とのコミュニケーション能力を身につけること」「常に『社会から信頼されるDICブランド』を意識すること」の3点をお願いする。個の多様性を結集し、素晴らしい会社を一緒に創っていこう。

 

 

【化学企業 入社式訓示⑤】日本触媒 五嶋祐治朗社長

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2021年4月8日

 当社の企業理念「TechnoAmenity」は「技術」と「豊かさ・快適さ」を合わせた造語で、約30年前に制定した。「私たちはテクノロジーをもって人と社会に豊かさと快適さを提供します」を意味し、社内外に広く表明し実践している。

 アメニティという言葉は、快適で心地よく生活できる環境や、自然や文化の豊かさと調和し将来に希望がもてる住みよい状態であるといった深い意味をもつ。暮らしの中のアメニティに貢献できる高い機能の素材やサービスを、全社のテクノロジーを結集して産み出し、社会へ提供し貢献することを目指している。

 同時に社員のアメニティも含んでおり、全ての社員が働き甲斐をもち生き生き働いてこそ大きな成果につながり、社会貢献できる。当社は今年創立80周年を迎えるが、創業当時の「先見性のあるチャレンジ精神」は脈々と受け継がれ、独自技術で新たな価値を創出する姿勢を、常に新たにしている。次の100周年、さらにその先に向けてずっと受け継いでいってほしい。

 そして、どんな事にもどんな人にも誠実に向き合うことで、同じ思いをもつ仲間が増え、より大きな力となって成功するということ。「誠実さが成功をもたらす」ことを信じ、意識して実践してほしい。将来のありたい自分を描き、それを実現するような生き方、働き方をしてもらいたい。「身についたものは変えられない」という思い込みはやめ「自分は変えられる」「自分の能力は必ず伸びる」ことに気づき、変化を避けていてはいい状況はつくれないと自覚することが大切だ。

 まずは、自らの成長を自らの意識改革でリードしてみる。その結果として一人ひとりが会社の発展に存分に力を発揮し、会社としても変化・成長し、40年、50年先にも「皆が誇れる会社」、つまり「安全で安心して働ける会社」「汗を流した人が報われる会社」「胸を張って働いているといえる会社」であり続けることを目指していく。

東ソー ジルコニア技術開発、市村産業賞功績賞を受賞

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2021年4月8日

 東ソーはこのほど、「革新技術による微細組織制御ジルコニアの事業化と新展開」で、市村清新技術財団が主催する「第53回市村産業賞」で功績賞を受賞した。

 1980年代に開発された高強度ジルコニアは、各社がセラミックスの主役になることを期待して実用化に取り組んだが、当時のジルコニアは経験を基にした粉末製造技術によるものであり、品質の安定化や量産化が困難だった。

 こうした中、東ソーは課題解決に取り組み、高強度ジルコニアに代わる微細組織制御ジルコニア(MCZ)を提案するとともに、品質安定性に優れたMCZ粉末の高生産性プロセスを確立した。次に、粒界ナノ構造・ナノ化学制御技術により広範な用途に使用できるように機能を強化した高耐久性および超高耐久性を特長とする次世代MCZを開発し、さらには高強度を維持して靭性を大幅に向上させた次世代MCZの創出にも成功した。

 このような長年の研究開発で生まれた革新技術は、ジルコニアの素材としての可能性を大幅に広げ、様々な分野での用途開発を加速。光接続部品、粉砕・分散メディア、審美歯科材料などで実用化され、市場形成を大きく進展させた。日本だけでなく世界の歯科市場をはじめ各産業に大きく貢献するとともに、今後は高度な信頼性が要求される広範な分野での展開が期待されている。

 これまでのジルコニアの技術開発および事業化の進展と将来性が高く評価され、今回の受賞に至った。同社では、今回の受賞を励みとし、今後も革新的な研究開発に取り組んでいく。

【化学企業 入社式訓示④】デンカ 今井俊夫社長

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2021年4月7日

 私は今日社長になったばかりで、その意味では皆さんと同じだ。

 世界中を襲った新型コロナウイルスは多くの命を奪い、対面でのコミュニケーションを阻害し、様々な影響を世界に与えた。コロナ禍の中で、気候変動に対する意識は強まり日本もカーボンニュートラルを宣言し、世界の格差は拡大し資本主義の限界が指摘され、また中国との地政学的問題も深刻化するなど、全世界の動きが早送りされたような状況だ。我々もリモートワーク、在宅勤務、時差勤務などの新しい働き方を実践することとなり、仕事の根源的な意味と向き合うことにもなった。

 皆さんは誰も経験したことのないポストコロナという新しい時代のなかで社会人としてのスタートを切るわけで、ニューノーマルではなく最初からノーマルな環境として働くことになる。その意味で、新しい環境をリードする存在になり得るものと期待する。

 当社は2017年に「Denka Value-Up計画」を掲げ、外部環境に左右されない高付加価値事業の集合体への変貌を目指してきた。重点分野であるヘルスケアと環境・エネルギー事業の進展により、昨年度は前年度を上回るレベルの利益を実現できる見込みだ。残りの2年間で計画を仕上げ、その後のデンカのあるべき姿を描いていきたい。

 皆さんには「相手の立場になって考えることができる人」になってほしい。顧客ニーズを正確に捉えることができる。さらに相手の立場になって考えられる職場での安心感は、仕事の生産性に大きく影響する。私は皆さんに「希望と挑戦」を常に与え続けられるような経営を目指したい。そしてデンカで仕事をすることを通じて、社会人として人間として成長できるような会社にしていきたい。「一番上手にできる高付加価値な仕事」に集中することで社会的な課題に敢然と立ち向かい、本日入社された皆さんとともに、デンカを「世界にとってかけがえのない会社」にしていきたいと思う。

【化学企業 入社式訓示④】トクヤマ 横田浩社長

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2021年4月7日

 社会人のスタートを切るにあたり、今胸に抱いている志をもち続け、前向きに充実した会社生活を過ごしていただきたい。当

 社が100年以上にわたって構築してきた、徳山の恵まれた港湾環境を生かした石炭火力自家発電による競争優位のビジネスモデルは、脱炭素の潮流により転換が迫られている。今日から始まる新しい中期経営計画では、「事業ポートフォリオの転換」「地球温暖化防止への貢献」「CSR経営の推進」の3つの柱を掲げた大変革を打ち出した。

 2030年までに発電所のCO2排出を50%削減し、「電子・健康・環境」をドライビングフォースとする成長事業の売上高比率を現在の2倍の60%以上に高めるというゴールを設定した。それに合わせ、会社の存在意義を「化学を礎に、環境と調和した幸せな未来を顧客とともに創造する」に改めた。

 化学産業は世の中を変える可能性にあふれており、我々に課せられたミッションは環境と調和した幸せな未来を創造することだ。その実現に向け、ありたい姿を「マーケティングと研究開発から始める価値創造型企業」「独自の強みを磨き、生かし、新領域に挑み続ける企業」「社員と家族が健康で自分の仕事と会社に誇りをもてる企業」「世界中の地域・社会の人々との繋がりを大切にする企業」と、皆が心の底から共感できるように再定義した。

 トクヤマグループは今後成長する世界市場を相手に挑んでいく。そして会社の一番の宝は人材だ。より良い会社にできるどうかは社員一人ひとりの力量にかかっている。志を高くもちそれを実現すべく、日々勉強に励んでほしい。語学やICTスキル、仕事に必要な専門知識の習得はもちろん、様々な分野の人と関わり、仕事での実践を積み重ねながら人間力を磨き、世界で通用する人材を目指すことだ。

 「天は自ら助くる者を助く」とあるように、会社は目標に向かって自ら行動し努力する人を求めている。人生の限りある時間をいかに有意義に使うか、後悔のないよう日々目的をもって行動してほしい。

 最後に創業者岩井勝次郎の言葉「常に事業は艱難になり安逸に破る」を伝えるとともに、皆さんが元気で明るく、はつらつとした毎日を送られることを祈念する。

 

【化学企業 入社式訓示④】クラレ 川原仁社長

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2021年4月7日

 希望と意欲に満ちあふれた皆さんを迎え、たいへん嬉しい。私も今年社長になったので、同様のスタートだ。

 当社は創業時から「社会から得た利益は、社会に還元する」という基本理念で経営基盤を固め、社会福祉活動や公共的事業を行い、「世のため人のため、他人(ひと)のやれないことをやる」ために、独自の卓越した技術で社会に貢献するという信念で発展してきた。社会的責任・社会貢献に関し、長い歴史で積み上げた実績が真の強みで、これを引継ぎ発展させるために一緒に進もう。

 さて、幸せな生活と、働き甲斐を感じて質の高い仕事をするには、健康が基本だ。健康管理には十分留意し、そして人格を確立してほしい。毎日の心掛けで「芯」ができ「価値観」が定まり、考え方や行動への自信に繋がり、組織やチームの中でのリーダーシップ能力が醸成される。

 仕事に取り組む際の心構えは3つ。1つ目は「分からないことは、遠慮せずに周りの人や先輩、上司に聞く」こと。初めての仕事には、謙虚に教えを請う姿勢が大切だ。最初は会社の仕組みや仕事の全体像、背景が分からず「何を知らないのかさえも分からない」だろうが、分かるまで聞き、しっかり覚えてほしい。

 2つ目は「与えられた仕事や役割でベストを尽くす」ことだ。実際の仕事はイメージとは違うかもしれないが、今後のキャリア・習熟度を勘案して用意している。与えられた仕事や役割に真摯に取り組み、小さな一つひとつの積み重ねが力となっていく。自分に起こる出来事と、今の自分を受け容れ、どんな仕事にも真摯に向き合い、誠実に取り組んで結果を出すと周りから信頼され、大きく重要な仕事を任せてもらえるようになるはずだ。

 3つ目は「自己研鑽を続ける」ことだ。これからが勉強であり、世の中には知らないことが山ほどあり、毎日新しい事も起こり、変化の連続だ。どのような職務も、世の中の動きや課題と無縁ではない。本を読み、話を聞き、講習や研修に参加して見聞を広め知見を深め、考える力を養ってほしい。

 最後に、現場実習では一番大切な行動原則としての方針「安全はすべての礎」を繰り返し聞くだろう。しっかりと学び、よく考え、理解し、配属時には全員が自ら体現できるようになっていることを切に願う。

ユニチカ 役員人事(1日)

2021年4月7日

[ユニチカ・役員人事](1日)▽取締役常務執行役員高分子事業管掌榎田晃▽常務執行役員技術開発本部長兼技術開発企画室長生産統括管掌北野正和▽上席執行役員高分子事業本部長グローバル推進管掌東京駐在松田常俊▽同役員フィルム事業部長中西雅之。