日化協 7月の「日化協インデックス」をHPで公開

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2018年10月4日

 日本化学工業協会は化学産業全体を示す新たな指標となる「日化協インデックス」の公開を、3日から同協会の専用ウェブサイト(https://www.nikkakyo.org/basic/page/nikkakyo_index)で開始した。

 今回公表されたのは7月の指数で①「主要化学製品出荷指数」②「需要産業生産指数」③「企業業績指数」の3つの指数と、参考資料の「主要化学製品分野別出荷指数」。今までになかった化学産業全体を指し示すデータとして、化学製品の動向、顧客産業の状況、化学企業の業績の見地から、日化協が独自に関連公表データを集約して作成している。

 各月の指数は、季節変動などを考慮した3カ月の平均値(7月の数値は、5~7月の平均値を表したもの)で、2010年の平均値(全体を12で割ったもの)=「100」を基準に示されている。

 公開された指数を見ると、プラスチック、可塑剤、合繊原料、合成ゴムなど主要化学製品9分野33品目の動向を示す①では、7月は前月比0.3ポイント減の95.2となった。需要産業の季節変動を受けて出荷は2カ月連続のマイナスとなったが、振れを伴いながらも引き続き堅調に推移した。

 分野別では、合成染料、可塑剤、無機、塗料が前月から上昇し、化学肥料、合繊原料、界面活性剤のEO(エチレンオキサイド)、プラスチックが前月から低下した。一方、顧客産業の状況を示す②では、7月は同0.7ポイント増の99.5となり、4カ月ぶりにプラスに転じた。回復基調にはあるものの、わずかに前年を下回り頭打ちが感じられる。

 産業別では全分野で前月を上回り、特に電気、プラスチック、自動車、合成ゴムが好調を継続している。

 また、日化協会員企業30社の連結売上で見る化学企業の業績③によると、2Q(4-6月期)は汎用化学、特殊化学ともに1Q(1-3月期)を下回ったものの、指数は120近辺で推移。業績は国内外の堅調な市況に支えられ、頭打ち感はあるが好調を維持している。

 汎用化学は引き続き利益をけん引、原料高を売り値に転化しつつ、高稼働率も寄与して高収益を維持。1Qに大きく落ち込んだ特殊化学も、ほぼ前年並みに持ち直した。

 なお、「日化協インデックス」を閲覧するには、前出の専用ウェブサイトのURLを直接入力するか、日化協ホームページの上部にあるメニューバーから「日本の化学工業」→「その他経済指標」→「日化協インデックス」の順に選択すれは専用サイトにアクセスできる。

日化協 化学産業全体を示す新たな指標をHPで公開

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2018年10月2日

 日本化学工業協会は個別の化学製品の動向、顧客産業の状況、化学企業の業績のデータを集約し、化学産業全体を示す新たな指標として「日化協インデックス」を、10月3日から日化協のホームページ(https://www.nikkakyo.org/basic/page/nikkakyo_index)で公開する。

 これまで、日本の化学産業全体を示す適切なデータがなかったことから、日化協は、化学産業全体の「今」をあらわす指標について検討を行い、昨年11月から会員サイトでの公開を開始していた。その後、外部有識者へのヒアリング結果を踏まえ、データ集約対象とする化学製品の品目などを一部見直した。

 同インデックスでは①「需要家向け主要化学製品の出荷指数」(化学製品の動向)ではプラスチック、可塑剤、合繊原料、合成ゴムなど9分野33品目②「需要産業総合指数(生産)」(顧客産業の状況)では化学産業と関連が強い川下産業の6業種③「企業業績(連結売上)指数」(化学産業の業績)では日化協会員企業30社-の3つの指標を公開するが、日化協が様々な見地から独自に選定したデータを基に指標化したものとなる。

 今までになかった化学産業全体を指し示す新たなデータとして、同インデックスは会員企業のほか、アナリスト、学校の授業といった教育現場など、幅広い分野での活用を期待している。なお、今回の公開日は10月3日で、次回からは毎月第3営業日に更新が行われる予定。

日化協 「海洋プラ問題で日本の役割は大きい」と淡輪会長

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2018年9月26日

 日本化学工業協会は25日、定例記者会見を開催した。淡輪敏会長(三井化学社長)は4―6月の景況感について「化学産業の生産・出荷は回復し、企業業績は好調に推移した。為替も安定し、原料価格上昇への対応も好調な需要を背景とした価格転嫁が進むなど、事業環境は好ましい状況だった」と総括した。

淡輪会長
淡輪会長

 ただ「リスク要因としては

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VEC 月島と越谷で環境イベント、体験型ブースを出展

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2018年9月21日

 塩ビ工業・環境協会(VEC)は今秋も、東京都中央区と埼玉県越谷市で開催される参加型・体験型の環境イベントに参加する。

 VECでは塩ビの正しい理解を深めるとともに、環境学習の一翼を担うため、長年にわたり環境イベントへの取り組みを実施。中央区のイベントには今回が10回目の連続参加となり、越谷のイベントへは2016年から毎年ブースを出展している。

 近年は報道などで、国連のSDGs目標や海洋プラスチックといった、持続可能性の追求やごみ問題などが数多く取り上げられ、一般へのエコやプラ問題に対する意識が高まっている。

 こうした中、VECの展示ブースでは、親子で楽しめる塩ビ製の工作シート(A4サイズ)を用意。参加者は、担当者が解説する塩ビの魅力や有用性、環境への配慮・貢献度の話を聞きながら、彩色されたカエルやワニといった水辺の生き物を切り抜いて組み立てていく。

 VECの関成孝専務理事は「昨年は、30~40年経った塩ビ管が再生できる話や、使用済みテント生地を使ってバッグを作るアップサイクル(付加価値を高めたリユース)の話題など、いろいろと関心をもっていただいた」と振り返り、今回も様々な側面から塩ビの利活用を訴求していきたいとした。

 また同イベントについて「環境意識や塩ビというものを理解していただく『いい場』となっている。VECとしてもこのような場を大事にして、続けていきたい」(関専務理事)。親子で「環境について考える」時間を共有するには絶好の機会となるに違いない。

 各イベントの実施要項は以下の通り。【第15回 子どもとためす環境まつり】主催:中央区環境保全ネットワーク(電話:03―3536―4488)。開催日時:9月22日、午前10時~午後3時。場所:中央区立月島第二小学校(上履き持参のこと)。【Act Green ECO WEEK 2018】主催:Act Green ECO WEEK実行委員会。開催日:10月19~21日。場所:イオンレイクタウン(越谷市)。※詳細については後日、イオンレイクタウンや越谷市などのウェブサイトで告知される予定。

ULジャパン 電子たばこの電池に関する規格を発行

2018年9月18日

 米国の第三者安全科学機関ULの日本法人であるULジャパン(三重県伊勢市)はこのほど、電子たばことベーピングデバイスに搭載されたリチウムイオンバッテリーの欠陥や不具合を、検証段階で発見できる規格「UL8139」を発行したと発表した。

 リチウムイオンバッテリーの危険性への対処が求められる中、製造業者を支援するために開発された同規格により、製品の電気・加熱・バッテリー・充電システムの安全評価を行う。

 近年の禁煙・嫌煙の風潮の高まりを受け、電子たばこ・ベーピングデバイスの使用量は増加傾向にある。リサーチ・アンド・マーケット社の調査によると、世界の電子たばこ・ベーピングデバイス市場は、2025年までに614億ドルに達すると見込まれている。

 一方、04年の流通開始以降、電子たばこの発火や爆発によるけがや物的損害も増えるなど、急速に成長する電子たばこ市場の安全性に対する懸念が高まっている。

 電子たばこには通常、溶液(e‐リキッド)を温め、蒸気を発生させるためのバッテリー駆動式の発熱部分が内蔵されており、粗悪な品質のリチウムイオンバッテリーやその誤用は、発火や爆発の原因になり得ることが知られている。

 UL8139の要求事項への適合は、バッテリー関連の損傷の最小化や、ブランドを守ることにもつながる。また、認証を行う過程で、リチウムイオンバッテリーの欠陥や設計上の不具合を発見することができるため、製造業者はリチウムイオンバッテリーの爆発や火災という、重大な事故を未然に防ぐことができる。

 UL8139の試験には①通常使用時と予想可能な誤用時のバッテリーマネジメントシステム(BMS)の評価②機械的ストレス試験③偶発的起動④相互接続システムとの互換性⑤環境耐性が含まれる。同社はUL規格にとどまらず、国際規格や各国・地域の規制に準じた試験も実施し、今後も電電子たばことベーピングデバイスの安全性向上に努めるとしている。

日本包装機械工業会 来年の「JAPAN PACK」は幕張で開催

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2018年9月14日

 日本包装機械工業会は13日、来年10月29日~11月1日に開催する「JAPAN PACK 2019」の概要説明会を開催した。

 32回目となる今回は「きっとみつかる あなたの包程式」がテーマ。会場を従来の東京ビッグサイトから幕張メッセに移し、日本語名称も「日本国際包装機械展」から「日本包装産業展」に変更、ロゴも一新して開催する。

 会場は前回規模程度を確保しており、前回の445社・2342小間を上回る規模での開催を目指す。名称変更については、包装機械だけでなく、ロボットやコンポーネント、包装資材など、業界を取り巻く環境が多岐にわたっているほか、食品や医薬、化粧品、物流など様々な業界で包装が重要な位置を占めるようになったため。

 「個別企業・個別産業で課題を解決しにくい課題が多くなっている、ということを発信していきたいというコンセプトが、結果的に名称変更につながった」と同工業会の金澤信専務理事は述べた。

 テーマに関しては、問題解決を想起させる「方程式」という言葉の一部を「包」に変えた「包程式」という造語を、前回展に続き盛り込んだ。また、ロゴは製造加工から梱包まで、生産ラインに関係する多様な製品・技術などが一堂に集結する様子を一つのラインとして表現し、それらが集まってジャパンパックの頭文字「JP」を形成するデザインとしている。

石化協 「石油化学工業の現状2018年」を発行

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2018年9月12日

 石油化学工業協会はこのほど、「石油化学工業の現状2018年」を発行した。「石油化学工業の現状」は、同協会創立3周年目に当たる1961年に初版を発行して以来、ほぼ毎年発行されており、今日まで半世紀以上にわたり〝石油化学産業に関する基礎データ集〟として幅広く活用されている。

 さらに、東日本大震災後は、広範な製造業のサプライチェーンの川上に位置する化学産業の構図把握のための資料としても産・官・学の各方面で有効的に使用されている。

 また、同冊子では日本の石油化学産業の再編状況や、同協会会員企業の国内・海外での主要石油化学製品の生産品目についても分かりやすく解説されており、化学業界関係者のみならず、学生や一般にも石油化学産業の現状を的確に把握できる内容構成となっている。

 希望者には実費(1部600円+送料)で配布している。問い合わせは同協会総務部、電話:03-3297-2019、E‐mail:publication_requests@jpca.or.jp)まで。

NTT・産総研 固体中の核磁気共鳴現象の制御に初めて成功

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2018年9月10日

 NTTと産業技術総合研究所(産総研)はこのほど、微細なメカニカル振動子を用いて、固体中の核磁気共鳴現象を制御することに世界で初めて成功したと発表した。

 超高速の演算を可能とする量子コンピューターや、絶対的な安全性が期待される量子情報通信、あるいは超高感度の検出技術を提供する量子センサーなどの量子技術で、量子メモリーの重要性が注目されている。量子メモリーとは長い時間、量子状態を保持できる素子で、その候補の1つとして固体中の核スピンの利用が提案されている。

 今回、微細なメカニカル振動子が引き起こすひずみにより、核磁気共鳴の周波数を素子単位で制御できることが実験的に示された。この技術により、集積素子で所望の量子メモリーの核スピンを個別に操作することが可能となり、固体素子による量子メモリを実現していく上で、重要な要素技術となることが期待される。

 今回の成果は、NTTで素子作製・測定を行い、産総研で理論計算に基づいたデータ解析を行うことで得られた。メカニカル振動子は、トランジスターなどと同様に、半導体ナノ加工技術によって作製されるため、半導体チップへの組み込みが可能となる。

 今後はこの技術を使い、複数の素子での核スピンの選択的制御を実現し、量子メモリーや量子センサーなどの集積化に向けたプラットフォームとしての活用を目指す。

 なお、今回の成果は8月28日付の英国の科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に掲載された。また同研究の一部は、日本学術振興会の科学研究費補助金である新学術領域研究「ハイブリッド量子科学」の一環として行われた。

ULジャパン EV・HV用電磁環境両立性試験サービス開始

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2018年9月7日

 米国の第三者安全科学機関ULの日本法人であるULジャパン(三重県伊勢市)はこのほど、愛知県みよし市の自動車業界向け試験所「オートモーティブ テクノロジー センター」(ATC)内に、国内初となる電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)部品向け固定型ダイナモメーター搭載電波暗室「EHV Chamber」 を開設した。

 既存の高電圧対応電気試験に加え、EV/HV向け最新試験のワンストップ・サービスを提供する国内唯一の試験所となった。今月3日から正式にEMC(電磁環境両立性)試験サービスを開始している。

 同社はEV/HV市場拡大に備える国内車両メーカーや部品メーカーの試験期間の短縮を実現し、開発体制のサポートをさらに強化していく考えだ。2016年10月に発行された国際規格「CISPR 25:2016 Edition4」では、Annex ⅠにEV/HVに搭載される高電圧電源製品の評価方法が新たに追加された。これにより、EV/HV用車載部品の製品化段階で、走行中を模した実負荷試験が要求されるようになった。

 EHV Chamberは、最高トルク125Nm、最高回転数1万2000rpm、動力吸収容量一七〇kWまでの実負荷の再現が可能。さらに、ATCでは欧州メーカーが電気自動車に要求する電気試験(LV123、LV124、LV148)も提供しており、近年増加傾向にある車載向け高電圧製品にも対応する。

 米国・欧州が排ガス規制や燃費規制を開始するなど、現在各国の次世代自動車普及へ向けての対策が急速に進む中、国内各車両メーカーや部品メーカーも、EV/HVに付随する試験要求に対応するために、迅速に体制づくりを推進している。

 ULは最先端試験設備であるEHV Chamberの導入を通じて、EV/HV市場拡大に備えるメーカー各社の試験・開発体制構築をサポートするとともに、次世代自動車の普及と、自動運転技術の実現に貢献し、未来のクルマに対するトータルソリューションを提供していく方針だ。

SEMI 「世界OSAT工場データベース」の最新版を発表

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2018年9月7日

 マイクロ・ナノエレクトロニクス製造サプライチェーンの国際工業会であるSEMIと、テックサーチ・インターナショナルはこのほど、半導体後工程受託製造(OSAT)企業の、世界唯一のデータベースである「世界OSAT工場データベース」の最新版を発表した。

 同レポートは、半導体デバイスのテストとパッケージングを請け負う工場の最新情報を提供するもの。最新版レポートは320の工場を収録し、前回レポートから提供パッケージング技術や対応製品、新工場発表、オーナー変更など、80工場以上の情報が更新された。

 また、今回のアップデートでは両者の情報を組み合わせることで、2016年と17年の売上トップ20のOSAT企業リストを提供し、各工場の技術やサービスの変更を加えた。

 同データベースは中国、台湾、韓国、日本、東南アジア、ヨーロッパ、南北アメリカのOSAT工場を網羅している。特に、工場所在地、技術、能力、センサー、自動車、パワーデバイスなどの特化製品、提供パッケージング組み立てサービス、新規工場の発表(計画、建設中)を重点的に取り上げている。

 同レポートに収録された情報は、世界の120社以上の企業から、両者が収集した。レポートはシングルユーザー・マルチユーザーのライセンスで提供され、SEMI会員割引がある。

 SEMIは米国カリフォルニア州ミルピタスに本部があり、世界2000以上の会員企業、130万人の専門家をつなぎ、エレクトロニクス製造の技術とビジネスの発展を支援している。テックサーチ・インターナショナルは1987年の創立。アドバンストパッケージング技術とマーケット情報を専門とする、技術ライセンス・コンサルティング企業である。