NEDO ドローン運航管理システム相互接続試験を報告

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2019年11月1日

 NEDOは30日、都内で記者会見を開催し、10月23~24日に実施した同一空域で複数事業者のドローンが安全に飛行するための運航管理システムとの相互接続試験の結果を報告した。

NEDOの宮本プロジェクトマネージャー
NEDOの宮本プロジェクトマネージャー

 今回の試験にはNEDOプロジェクト参画の17事業者に加え、一般のドローン事業者12社が参加。福島県、南相馬市、福島イノベーション・コースト構想推進機構の協力のもと、「福島ロボットテストフィールド」(波江町)で飛行試験を実施し、運航管理システムの実用性や相互接続に関するセキュリティー対策の有効性を実証した。

 NEDOロボット・AI部の宮本和彦プロジェクトマネージャーは、「21種類もの多岐にわたる用途のドローンが、システムに相互接続した。試験では最大37機が

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帝人ファーマ 関節リウマチ治療薬バイオ後続品の販売を開始

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2019年11月1日

 帝人ファーマは31日、関節リウマチと多関節に活動性を持つ、若年性特発性関節炎治療薬のバイオ後続品「エタネルセプトBS皮下注『TY』」の販売を、11月1日から開始すると発表した。

 同剤は500例を超える関節リウマチ患者を対象とした第Ⅲ相国際共同治験の結果を基に、昨年3月にYLバイオロジクスが厚生労働省に製造販売承認申請を行い、今年3月に承認された。

 同剤はインドの医薬品メーカーであるルピンリミテッドが製造する原薬を基に、陽進堂の100%子会社であるエイワイファーマが日本国内の工場で製剤化している。帝人ファーマと陽進堂は、2018年7月に同剤に関する販売提携契約を締結しており、今後、両社共同で販売していく。

 帝人ファーマでは、注力する「骨・関節領域」の製品ラインアップに同剤を加えることで、関節リウマチ患者のさらなるQOL向上に貢献していく。

NEDO CO2を有効利用するメタン合成試験設備が完成

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2019年10月31日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、国際石油開発帝石、日立造船とともに、CO2と水素からメタンを合成する試験設備=写真=を、国際石油開発帝石・長岡鉱場(新潟県長岡市)の越路原プラント敷地内に完成させた。

NEDO メタン合成 写真1 メタネーション試験設備 NEODは、CO2有効利用技術開発事業に取り組んでいる。同試験設備では、越路原プラントで天然ガス生産時に付随して出されるCO2と、水の電気分解によって製造された水素を合成することによりメタンを製造する。

 メタンを合成する反応器には、日立造船が開発した熱回収効率が高く、メタン合成能力の大型化に適したプレート型を採用。事業所内で分離・回収したCO2を用いたプレート型での試験は世界初の試みで、将来の大型化を見据えた取り組みとなる。

 試験設備のメタン合成能力は、1時間当たり8N㎥。今年度末までをめどに各種試験と連続運転を実施。今後の本格運転では、メタン合成プロセスの反応温度、反応圧力、反応負荷などのパラメータを種々変化させた最適化などの技術課題の評価・検討を行い、カーボンリサイクル技術の1つである、CO2を原料にメタンを生成する「メタネーション」技術の確立を目指す。

 事業規模は、2017~19年度の期間全体で約13億9千万円。火力発電などから排出されるCO2の削減は、気候変動対策として重要であり、またCO2を資源と捉えて、これを回収し、有効利用する「カーボンリサイクル技術」の開発も求められている。

 カーボンリサイクル技術としては、燃料や化学原料などの有価物へ再利用することが有用と考えられており、その中でもメタンは天然ガスの主成分で、エネルギーキャリアとして高いポテンシャルを持つほか、天然ガス(都市ガス)で使われている既存インフラを利用できるなど、大きな利点があると期待されている。

BASFジャパン 新規殺菌剤を発売、小麦の赤さび病などに高い効果

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2019年10月28日

 BASFジャパンはこのほど、畑作用の新規殺菌剤「イントレックス・フロアブル」の販売を開始した。小麦の赤さび病や雪腐病、てんさいの葉腐病、根腐病など、主に北海道で問題になっている畑作物の病害の防除で、高い予防と治療的効果を発揮するという。

 「イントレックス・フロアブル」はBASFが開発した新規有効成分ゼミウム(成分名:フルキサピロキサド)を含む、SDHIの系統の殺菌剤。北海道を中心に発生が見られる小麦の赤さび病の防除で、SDHI系統の薬剤はほとんど使用われておらず、「イントレックス・フロアブル」は耐性菌管理の新たな手段としての価値を生産者に提供する。

 浸達性と移行性に優れた有効成分のゼミウムは、植物体表面に速やかに強く吸着し、散布時に薬剤が接触しなかった部分にも成分が行き渡る。また、すぐに取り込まれない有効成分は葉の表面に結合し、徐々に吸収されることで優れた残効性をもたらし、作物を長期的に保護し病気の発生を防ぐ。

三菱ケミカル 蘭社と3Dプリンターで造形可能な樹脂を開発

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2019年10月28日

 三菱ケミカルは25日、オランダAtum3Dと、光造形3Dプリンターで造形可能な紫外線硬化樹脂「ダイヤビーム」の共同開発に成功したと発表した。「ダイヤビーム」の開発グレードは、11月19~22日にドイツ・フランクフルトで開催されるヨーロッパ最大の3Dプリンター展示会「Formnext2019」に出展する予定。

 3DプリンターメーカーのAtum社は、光硬化タイプの液体樹脂に紫外線を当てることにより、樹脂を硬化させて造形するDLP方式(Digital Light Processing)のオープン材料型3Dプリンターで、欧州で確立された顧客基盤と技術を持っている。

 同社は保有するプリンター・ソフトウェアの製造技術と蓄積されたノウハウによって、特定の原料による造形だけなく、顧客の要望に沿った樹脂を原料として造形することを可能としており、今回、三菱ケミカルで製造を予定する「ダイヤビーム」の共同開発に成功した。

 「ダイヤビーム」は紫外線硬化樹脂では両立することが難しい耐熱性と耐衝撃性をバランス良く持ち合わせ、耐摩耗性にも優れている。この特性と光造形3Dプリントにより、複雑な形状品の製造が可能なことから、自動車の内装材などへの採用が期待される。

 三菱ケミカルグループは今回の共同開発を含め、欧米市場とのネットワークを拡大することで、3Dプリンティング用素材にかかわる戦略を進化させ、積極的な事業展開を図っていく。

BASF 日本で栄養成分などの健康ソリューションを提案

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2019年10月25日

 BASFは世界で初めて人工知能(AI)によって同定された栄養成分「PeptAId(ペプタイド)」など、スポーツや健康的なライフスタイルに関心を寄せる日本の消費者に健康ソリューションを提案している。

 BASFのポートフォリオに新たに加わった 「ペプタイド」は、運動に関連する炎症マーカーの調整を助ける新世代の植物由来ペプチド。アイルランドを拠点とするバイオテクノロジー企業Nuritasとの協働事業により開発され、運動後のリカバリーをサポートする。

 数々の大きなスポーツイベントが日本で開催されるのを受け、日本の消費者の間では、スポーツ活動や健康への関心が高まっている。また、昨年以降、日本はアジア太平洋地域でスポーツニュートリションの最大市場となっており、関連製品は2桁の成長を続けている。過去15年間にフィットネスセンターへの加入率は約30%増加した。

 激しい運動による課題の1つに、炎症反応を引き起こす筋肉のストレスや損傷が挙げられる。これは筋肉痛や疲労感として身体活動を制限することがあり、アクティブな消費者にとっては懸念事項だ。

 「ペプタイド」は炎症マーカーの分泌をコントロールすることによって、損傷に対する身体の反応を調整し、炎症を抑え、回復を促進する。玄米から作られ、マイルドな植物性タンパク質の風味は、様々なアプリケーションに応用可能だ。

横浜ゴム アルプスアルパインとタイヤセンサーの開発を加速

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2019年10月25日

 横浜ゴムは乗用車用タイヤセンサーについて、アルプスアルパインと共同開発を進めていることを、現在開催中の「第46回東京モーターショー2019」のプレスカンファレンスで明らかにした。

 横浜ゴムはタイヤもCASEへの対応とIoT化が必須と考え、同モーターショーでは様々なCASE対応のための新技術を展示している。その中の「Connected(コネクテッド)」では、従来のタイヤ空気圧検知に加えて、摩耗検知と路面検知、それらのデータをデジタルツールで処理・管理していくソリューションビジネスの展開を視野に入れ研究開発を推進する。

 今後は、タイヤから得られたデータをいかにユーザーなどにフィードバックしていくかが必要だとし、そのためのシステムやアプリケーションの開発を重要課題に位置付けた。

 これらの取り組みが新たなタイヤビジネスの付加価値になっていくと予想されるため、タイヤセンサー開発の加速化が急務と判断し、アルプスアルパインと共同開発を進めている。電子部品メーカーのアルプスアルパインは、センサー開発のほか、システム設計力やソフトウェア開発力にも優れており、横浜ゴムは新しいタイヤビジネスモデルでのシナジー効果を狙う。

 横浜ゴムは、2004年に当時では国内タイヤメーカー初となる乗用車向けタイヤ空気圧モニタリングシステム「エアーウォッチ」を開発。また、トラックやバス用のモニタリングシステムは、運行傾向の分析やタイヤ点検時期の通知などユーザーの総合的な車両運行管理のレベル向上と、摩耗したトレッドゴムを新しく貼り替えて再利用するリトレッドタイヤの推進に活用している。

王子HD パルプ原料のプラ製造が環境省委託事業に採択

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2019年10月25日

 王子ホールディングスはこのほど、バイオプラスチック(ポリ乳酸、ポリエチレン)開発事業が、双日プラネットとともに、環境省が行うCO2排出抑制とプラスチック資源循環システムの構築を目的とする委託事業「令和元年度脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業」に採択されたと発表した。

 従来の石油を原料とするプラスチックを、持続可能なバイオマスを原料としたバイオプラに置き換えることで、大気中へのCO2排出を抑制し、地球温暖化防止に貢献することを目指す。

 一般的なバイオプラは主にサトウキビやトウモロコシなどの可食原料から製造されるが、同事業では非可食である樹木由来のパルプを原料としたポリ乳酸やポリエチレンの製造を実証する。これにより、食品原材料との競合をも無くした非可食バイオプラスチックの普及を目指す。

 双日プラネットではすでに2012年からブラスケム社(ブラジル)製のグリーンポリエチレン(サトウキビ由来)の販売・普及活動を行っている。今後、王子ホールHDではパルプからのポリ乳酸、ポリエチレンの製造検討を、双日プラネットでは既存のバイオプラスチック販売網を生かし、同実証事業で製造したバイオプラのユーザー側での利用性やリサイクル性の確認、LCA解析、マーケティングなどを行う予定だ。

日本ゼオン 医薬用COPの低吸着性について学会で発表

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2019年10月25日

 日本ゼオンは22~23日に、スウェーデンのイェーテボリで開催されたプレフィルドシリンジに関する学術大会で、バイオ医薬品でのプレフィルドシリンジ製剤の安定性について発表した。

日本ゼオン プレシリンジ プレフィルドシリンジとは、感染の危険除去や投与量調整の過誤軽減を主な目的として、薬剤があらかじめ充填された注射器のこと=写真。同社のシクロオレフィンポリマー(COP、製品名「ZEONEX」「ZEONOR」)製シリンジを使うことで、バイオ医薬品製剤の吸着・凝集が抑制されるとの結果が得られており、その研究成果を紹介した。

 同社はユーメディコ、大阪大学の内山進教授との共同研究により、COPをプレフィルドシリンジに使用した場合の、タンパク製剤の吸着と凝集体の発生について研究を進めてきた。

 これまでにタンパク製剤であるAdalimumab「Humira」、Etanercept「Enbrel」、Infliximab「Remicade」を使い、既存材質製とCOP製のプレフィルドシリンジ中のシリンジバレル表面への吸着性・凝集性を比較し、COPが低吸着性・低凝集性であることを報告している。

 さらに今回、同様にタンパク製剤であるAbatacept「Orencia(オレンシア)」のシリンジバレル表面への吸着量と凝集体の発生状況を比較したところ、COP製のプレフィルドシリンジにオレンシアを充填した場合、吸着量と凝集体発生量が、既存材質製に比べ抑制されるという結果が得られた。

 今回の発表では凝集体の発生状況についても報告した。なお、この研究に関連して、今年5月にはFDA(米国食品医薬品局)の下部組織であるバイオテクノロジー製品部でも、プレゼンテーションを行っている。

 抗体医薬品をはじめとしたバイオ医薬品は、医薬品市場で急成長している。ガラス製シリンジを使ったバイオ医薬品の保管では、その主成分であるタンパク質に影響を及ぼし、凝集体の発生が懸念されている。

 一方、COPはガラス製に比べ、タンパクの吸着・凝集が抑制されることが知られており、プレフィルドシリンジをはじめとする、バイオ医薬品に適用される材料として期待されている。同社は今後も独創的技術に根差したソリューションを積極的に提供し、医薬業界の発展に貢献していく。

宇部興産 CNF活用したコンセプトカーを専用道路で撮影

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2019年10月24日

 宇部興産は23日、同社が参画してきた環境省のNCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクトによるセルロースナノファイバー(CNF)部品を使用したコンセプトカーが完成し、走行シーンのプロモーションビデオを「宇部興産専用道路」(山口県宇部市~美祢市、全長31・94㎞)で撮影したと発表した。

CNF部品を使用したコンセプトカー(NCVプロジェクト提供)
CNF部品を使用したコンセプトカー(NCVプロジェクト提供)

 同社は、植物由来のCNFとナイロンによる自動車部品に適した複合材料の組成検討や材料の試作・提供を行っている。

 なお、プロモーションビデオは東京モーターショー(東京ビッグサイト:10月24日~11月4日、一般公開は25日より)の環境省ブースで上映されるほか、YouTubeの環境省公式チャンネルでも公開される。

 同プロジェクトは2016年に京都大学、産業環境管理協会など20以上の研究機関、企業などが参加して発足。植物由来の素材であり、鋼鉄の5分の1の軽さで、かつ5倍の強度を持つCNFを活用した材料(複合樹脂など)で自動車を軽量化し、CO2排出量を削減することを目標に推進してきた。

宇部興産専用道路のシーン(NCVプロジェクト提供)
宇部興産専用道路のシーン(NCVプロジェクト提供)

 自動車へのCNFの自動車部品への応用は日本が世界に誇るフラッグシップ技術。この中で宇部興産はナイロンの国内トップメーカーとしての技術と知見を生かし、車両のインテークマニホールドの材料としてCNFとナイロンの複合材料の組成検討と試作・提供を担当した。

 コンセプトカーの走行シーンを撮影した宇部興産専用道路は、「日本一長い私道」として知られるセメント製造設備の一部。映像では、植物由来の材料がふんだんに使われた自動車が緑豊かな風景の中をさっそうと走り抜けるイメージが表現されている。

 宇部興産は、今年度から3カ年の中期経営計画「Vision UBE 2025 ~Prime Phase~」の基本方針の1つとして「資源・エネルギー・地球環境問題への対応と貢献」を掲げている。今後も同社は、GHG排出量削減や、環境負荷低減に貢献する新たな技術・製品の創出と拡大を目指していく考えだ。セルロースナノファイバー