新たな収益源の創出に注力、石化再編の機運も上昇
わが国化学産業は、汎用分野、高付加価値分野とも厳しい状況が続いている。国内では、インバウンドやサービス需要が戻りつつあるものの、原燃料価格の高止まりや円安進行が物価高を引き起こしており、消費者の買い控えが続いている。海外では、中国の景気低迷の影響によりアジア全体の石化製品の需要が盛り上がらないことに加え、金利引き上げが欧米経済の重荷になっている。対面市場では、自動車分野は生産台数の増加に伴い、関連製品が回復傾向にあるのに対し、半導体はデバイスの落ち込みを背景に、メモリを中心に在庫調整が続いている。今年は事業環境の改善が期待されているものの、各社にとって新たな収益源となる事業の創出が大きなテーマになりそうだ。一方、カーボンニュートラル実現に向けて、脱炭素化に向けた動きが加速している。バリューチェーン全体でCO2排出削減への取り組みが進むとともに、原燃料のバイオマスへの転換や、プラスチックのケミカルリサイクルといった実証事業が活発化する。
こうした中、石化事業は、中国の能力増強計画による輸出環境の悪化に加え、環境対策も重荷となり、コンビナートの構造改革が求められている。センター各社の間でも再編の機運が高まっており、今年は何らかの方向性が打ち出されることが想定される。今回の新年特集号では、化学業界を代表する首脳の方々に、生き残っていくための戦略について話を聞いた。
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◇特集インタビュー◇
旭化成 代表取締役社長 工藤幸四郎氏
▽変化への対応と自らの変革がテーマ、成長基盤を構築
三井化学 代表取締役社長 橋本 修氏
▽2万人のリソースをフル活用、変革に粘り強くチャレンジ
積水化学工業 代表取締役社長 加藤慶太氏
▽長期ビジョン実現に向け成長を加速、挑戦する姿勢が重要
東ソー 代表取締役社長 桒田 守氏
▽スペシャリティの利益拡大に注力、安全対策も重要課題
JSR 代表取締役CEO兼社長 E・ジョンソン氏
▽半導体材料業界の競争優位性に一石、非公開化で成長強化
東亞合成 代表取締役社長 髙村美己志氏
▽川崎新研究所を事業創出拠点に、研究と営業の垣根なくす






次世代エネルギーとして、再生可能エネルギーや水素に注目が集まる。日本はFIT制度でメガソーラーが拡大し、太陽光発電導入量は世界3位を誇る。ただ住宅屋根に採用が進まず、都は2025年から新築物件への設置を義務化する。また、設置問題を解決するペロブスカイト太陽電池も実証が進んでおり、政府も日本発の技術として事業化に力を注ぐ。
東京都は2019年、気温上昇を1.5℃に抑制し、2050年までに世界のCO2排出実質ゼロに貢献する「ゼロエミッション東京」を打ち出した。2030年までにGHG排出量を2000年比で半減する「カーボンハーフ」を表明し、エネルギー消費量の半減、再エネ電力の利用割合の5割程度への伸長、都内太陽光発電導入量200万㎾以上を目指す。実現には