【ポリカーボネート特集2】住化ポリカーボネート

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2019年12月12日

電気電子・自動車分野に注力、センサー用途での拡大に期待

 住化ポリカーボネートは「品質」と「高収益」をキーワードに事業を展開している。同社のポリカーボネート(PC)は純度が高いのが特長で、顧客から透過性の高さや劣化しにくいなどの点で高い評価を得ている。

 同社はこれまで電気電子分野に注力してきたが、自動車の電子化、電動化により活躍できるフィールドが拡大すると考える。高品質のポリカーボネート樹脂を基に、収益性の高い多様なグレードを開発しており、中でも現在注力しているのが、センサー用波長選択性PC樹脂製品「PHシリーズ」と、高剛性を特長とする「HTシリーズ」だ。

 「PHシリーズ」は

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【ポリカーボネート特集3】帝人

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2019年12月11日

マーケティング体制変革へ、市場の変化に合わせ

 帝人は日本で最初に商業生産した独自の製法と、コンパウンド技術を強みとして、ポリカーボネート(PC)事業を展開している。

 同社にはプロジェクトによりPC樹脂を扱う部署がいくつかあるが、樹脂事業本部樹脂ソリューション営業部門では、PC関連の主力製品として、PC樹脂「パンライト」と、PC樹脂とアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂のポリマーアロイである「マルチロン」を扱っている。

 現在、「パンライト」で注力しているのは、眼鏡用途やシリコンウエハーのキャリアケース、自動車用途など。眼鏡用途では厳しい品質管理や、ブルーライトをカットする波長のコントロール技術などが評価されて使われている。

 半導体工程で使われるシリコンウエハーのキャリアケースは、ケースから不純物やガスが発生するとシリコンウエハーが痛むため、高純度のPC樹脂が求められる。同社独自製法による純度の高さが採用のポイントとなっている。

 さらに、半導体の微細化に伴い、顧客からの要求特性が変わっていくが、それに的確に対応できることも選ばれている理由だ。

 自動車用途ではヘッドライトのほか、電装化に伴いコックピットパネルの検討が進んでいる。

 また、繰返し滅菌して利用できる製品として、

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【ポリカーボネート特集4】出光興産

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2019年12月10日

市況に影響されにくい事業へ、高付加価値品の比率向上

 出光興産は連続式溶液法(界面法)の共重合と分岐しやすさという特長を生かしたポリカーボネート(PC)製品の開発を進め、市況に左右されにくい高付加価値品の比率を高めている。

 その1つが高透明グレード。単に透明性を向上させているだけでなく、導光性に特徴を持たせLED光源から光を遠くまで輝かせることができるほか、光の色をデザイン・制御しやすくしている。こうした特性が評価され、自動車向けDRL(昼間点灯)や座席の

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【ポリカーボネート特集5】三菱エンジニアリングプラスチックス

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2019年12月9日

高機能比率の向上へ、高硬度樹脂など拡販図る

 ポリカーボネート(PC)製品で国内トップメーカーの三菱エンジニアリングプラスチックス(MEP)は、「EVOLVE2021」(新中期事業計画2019~2021年)で掲げる「市況に左右されない収益力の獲得」の方針に沿って、PC事業を展開している。

 具体的には、高機能グレード比率の向上と、将来テーマの育成と収益化を図る。高機能グレード比率の向上では、高硬度樹脂「ユーピロン」Kシリーズや熱伝導性PC、高意匠性材料などの拡販に注力する。

 表面硬度に特徴がある高硬度樹脂「ユーピロン」Kシリーズは、主にスイッチ類で採用されているが、

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【合成ゴム特集1】ハイエンドのS-SBR堅調、CRは各社が増強

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2019年12月6日

 合成ゴムの需要は米中貿易摩擦の影響により、足元では停滞傾向にある。合成ゴム工業会によると、今年1-8月の合成ゴム全体の出荷は前年同期比7.4%減、生産は同2.7%減と低調だ。

 品目別では、SBRの出荷は同4.3%減、生産は同7.8%減、NBRの出荷は同9.4%減、生産は同0.5%減、CRは出荷が同5.1%減、生産は同0.8%減、BRは出荷が同3.2%増、生産は同2.0%減、EPTは出荷が同6.5%減、生産は同3.0%減、その他は出荷が同2.0%減、生産は同6.5%増。樹脂改質用途などが好調なBRの出荷と、その他の生産がプラスになった以外は、前年実績を下回っている。

 国内の昨年の自動車生産は前年並み、今年1~8月は前年比3.7%増となっているが、グローバルでは昨年・今年と前年割れになっていることもあり、合成ゴム全体の1~8月の輸出は前年同期比4.2%減。特に中国自動車向けの合成ゴムの輸出が二桁減となっている。

 その中で、低燃費タイヤ向けのS―SBRは、汎用を含めると世界的に年率で

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【合成ゴム特集2】東ソー デボトルで能力増強、新系列の増設も視野に

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2019年12月6日

 クロロプレンゴム(CR)事業を展開する東ソーは、南陽事業所(山口県周南市)の生産能力を、デボトルにより3万4000t/年から3万7000t/年へと増強する。能増に合わせて老朽化対策を行うため、投資額は約50億円となる。すでに機材を発注しており、再来年10月に完工の予定だ。

 CRは医療用手袋や水系(非溶剤系)接着剤の用途が拡大している。一方で、材料代替など長期的な需要動向の不透明感、建設に巨額の資金が必要なことから、新規プラントの建設などの大規模増強が近年行われてこなかったため、この3年ほどは世界的に需給がひっ迫していた。

 足元では米中貿易摩擦による世界的な経済の減速や、インドの需要減などにより「CRの需要は

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【合成ゴム特集3】JSR 高強度のSBR開発、EV含め新たなニーズに対応

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2019年12月6日

 JSRの高機能タイヤ用溶液重合SBR(S-SBR)事業は、依然として好調を維持している。低燃費タイヤ市場が年率4~5%で成長する中で、同社の昨年度のS-SBRの販売は前年度比10%程度、今年度上半期は前年同期比10%以上の伸びとなっている。

 その背景として、タイヤの需要面では、例えば中国で

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【合成ゴム特集4】旭化成 シンガポールを増強、S-SBRが27万t体制に

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2019年12月6日

 溶液重合スチレン・ブタジエンゴム(S-SBR)で、世界トップレベルの生産能力を持つ旭化成は「その体制を盤石なものとすることが経営課題の1つ」(同社)であり、その一環として、シンガポールの製造プラントの能力増強を実施した。2013年に製造を開始した同プラントでは、2017年に約3万tの増強工事を開始し、今年2月に完工した。現在は顧客認証の手続き中で、本格稼働を待っている段階である。

 能力増強によって同プラントの生産能力は13万tとなり、川崎(10万5000t)、大分(3万5000t)と合わせ、同社のS-SBRの生産能力は合計27万tとなる。同社によると、S-SBRは「グローバルで見ると、

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【合成ゴム特集5】デンカ 唯一の2拠点体制ベースに顧客へBCPを提案

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2019年12月6日

 クロロプレンゴム(CR)で世界トップシェアのデンカは、青海工場(新潟県糸魚川市)の10月の定修に合わせ、デボトルによる数千tの能力増強工事を実施した。

 「こうした状況であるからこそ、新規顧客に対応できるようになり、既存顧客

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【バイオプラ特集】化学産業 プラスチック代替への動きに対応が急務

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2019年11月8日

産官挙げてバイオプラ普及に注力、環境問題に貢献

 日本の化学産業が技術開発を進めてきたプラスチックは、機能性を高めたことでフードロス軽減や自動車の軽量化など社会に新しい価値を提供し、社会問題解決に貢献してきた。

 しかし、アジア地域の新興国では使い捨てたプラスチックが河川から海洋に流出し、海洋プラごみや、マイクロプラ問題といった環境汚染が深刻化している。また、先進国が輸出してきた廃プラも、中国やASEAN各国が受け入れを拒否する動きが強まっている。こうした中、廃プラ問題の1つの解として、バイオプラスチックが注目を集めている。

 バイオプラには、植物原料の「バイオマスプラスチック」と、ある一定の条件の下で分解し、最終的には二酸化炭素と水にまで変化する「生分解性プラスチック」がある。すでに大手食品メーカーや外食チェーンなどでは採用が進んでおり、今後ますますニーズが高まると予想される。

 今回の異業種特集ではバイオプラについて、省庁や業界団体の取り組み、バイオ素材に注力する化学メーカーの研究開発や市場開拓、また今後の戦略や課題などについて聞いた。