ナフサ急騰と円安が要因、4Qは7万5000円超も
ポリオレフィンメーカー各社は、ナフサ高に対応した値上げを8月下旬から相次いで発表している。
改定幅を見ると、ポリエチレン(PE)では、
2023年9月21日
2023年9月20日
2023年9月20日
東ソーは19日、ポリエチレン(PE)樹脂全製品について、10月1日納入分から値上げすると発表した。
対象製品は、低密度PE「ペトロセン」、直鎖状低密度PE「ニポロン‐L」「ニポロン‐Z」、超低密度PE「LUMITAC」、高密度PE「ニポロンハード」「ニポテック」、エチレン酢酸ビニル共重合体「ウルトラセン」、ポリオレフィン系接着性樹脂「メルセン」、高溶融張力PE「TOSOH‐HMS」で、改定幅は「20円/kg以上」となっている。
PE樹脂の主原料である国産ナフサ価格は、産油国の減産継続を背景とした原油価格の大幅な上昇と円安の影響により、さらなる上昇が見込まれている。同社は徹底したコスト削減に努めているが、こうした急激なコスト事情の悪化は自助努力のみで吸収することが極めて困難であることから、今後の安定供給を図る上でも価格改定を実施せざるを得ないと判断した。
2023年9月19日
ジェイ・プラスは15日、フタル酸系可塑剤(DOP、DINP)について、10月1日以降納入分から値上げすると発表した。改定幅はいずれも「34円/kg以上」。
原油・ナフサ価格が騰勢を強めており、第4四半期(10―12月期)の国産ナフサ価格は7万6000円/klを超える水準が見込まれている。また、主原料であるフタル酸は、粗原料である混合キシレンの市況高騰や、フタル酸製造に関わるユーティリティ、設備修繕費といった加工費上昇に伴い価格が大幅に上昇していることに加え、物流費の上昇も、収益を圧迫している。
こうした状況下、同社は、今後も原料を確保し現状の供給を維持していくためには、価格改定せざるを得ないと判断した。
2023年9月13日
2023年9月12日
2023年9月6日
プライムポリマーは5日、ポリエチレン(HDPE、LLDPE)とポリプロピレン(PP)を、10月1日納入分から「15円/kg以上」値上げすると発表した。
OPECプラスの協調減産、サウジアラビアなどの自主減産に伴う原油価格上昇に加え、日米の金利差を主要因とした円安影響もあり、国産ナフサ価格は7万2000円/klを超える水準で推移すると見込まれている。
同社は厳しい経済環境の下、あらゆるコストダウンに取り組んでいるが、コストの上昇は自助努力により吸収できる水準を超えていることから、価格改定せざるを得ないと判断した。なお、想定したナフサ基準価格が大きく変動する場合は、改定幅を修正する場合もあるとしている。
2023年9月5日
三井化学は4日、フェノールやアセトンとその誘導品など全7製品を10月1日納入分から値上げすると発表した。対象製品は、フェノール、アセトン、α‐メチルスチレン、IPA(イソプロピルアルコール)、MIBK(メチルイソブチルケトン)、ビスフェノールA、エポキシ樹脂「エポミック」。改定幅は「15~165円/kg」。
対象製品については、近年の修繕費上昇に伴う固定費の上昇、C重油やLNGなど燃料油上昇による用役コストの上昇、さらにはドライバー不足による物流費の上昇を受け、サプライチェーン全体のコストが大幅に上昇している。
同社はあらゆるコストダウンに取り組んでいるが、こうしたコスト上昇は自助努力により吸収できる水準を超えていることから、安定供給を持続的なものとするためには、価格是正を含め、価格改定せざるを得ないと判断した。
2023年8月24日
2023年8月24日