昭和電工 電子材料用高純度ガスを15%以上値上げ

2019年6月4日

 昭和電工は3日、半導体などの電子材料用に使用される高純度ガス4製品について7月1日以降納入分から値上げすると発表した。

 対象商品は、高純度HFC‐23(CHF3)、高純度FC‐218(C3F8)、高純度六弗化硫黄(SF6)、高純度塩化水素(HCl)で、値上げ幅は現行価格の15%以上となっている。

 電子材料用高純度ガスは、半導体・ディスプレイ・窒化ガリウム系LED、多結晶シリコン系太陽電池などの製造において、その工程で使われる製造設備内に付着する不要な化学物質を取り除くためのガス(クリーニングガス)や、基板の上を覆う薄い膜に微細な溝や孔を刻みつけて電子回路などを作るためのガス(エッチングガス)として使われる。

 高純度ガスを取り巻く事業環境は、需要は引き続きおう盛である一方、原燃料価格の高騰に加え、安全・安定供給に不可欠な物流面でも、人件費の上昇などによりコストが増加。

 同社はこれまでも生産効率の向上や物流の合理化などによりコストダウンに努めてきたが、今回の4製品は採算を確保できない状況にあり、今後も製品の安定供給体制を継続するためには、コスト上昇分の一部を価格転嫁せざるを得ないと判断した。

宇部マテリアルズ CSと関連製品を10%以上値上げ

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2019年5月31日

 宇部マテリアルズはこのほど、ファインマテリアル事業の主力製品である超高純度炭酸カルシウム(CS)とその関連製品を、11年ぶりに値上げすることを決定し、需要家との交渉を開始したと発表した。

 対象となるのは、超高純度炭酸カルシウム(CS)、超高純度カルシア(CSQ)、超高純度水酸化カルシウム(CSH)。いずれも6月17日納入分から10%以上値上げする。

 電力単価や人員確保に伴う構内作業料、各種原材料価格の上昇により、採算が悪化しており、CSを原料として製造するCSQとCSHも同様の状況。こうした製造コストの大幅な増加は自助努力だけで吸収することが困難であり、今後の安定供給継続のためにも、価格改定を要請することになった。

 CSは主に、積層セラミックコンデンサなどの原料として、電子材料用途で使用されており、自動車分野・通信分野における各種機器の高性能化に伴い、需要が急速に拡大している。

 

 

昭和電工 7月1日納入分から液体窒素を値上げ

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2019年5月30日

 昭和電工は29日、液体塩素を7月1日納入分から「7円/kg以上」値上げすると発表した。

 塩素は塩化ビニルなどの塩素化合物や、さまざまな化学製品を製造する際の不純物除去、漂白、中和、軟化などの工程に用いられる基礎化学品。

 液体塩素を取り巻く事業環境は、原燃料価格の高騰、設備の維持・更新費用の高騰、輸送費の上昇を受けており、自助努力の対応だけでは、製品価格・サービスの水準を維持するのが困難になっている。

 今後も競争力ある製品の提供と安全・安定供給を維持するため、同社では顧客にコストアップ分の一部の負担を、要請せざるを得ないとの結論に至った。

信越化学 メチレンクロライドなどを6月1日から値上げ

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2019年5月22日

 信越化学工業は21日、メチレンクロライドとクロロホルムの国内向け販売価格を、6月1日出荷分から値上げすると発表した。値上げ幅は、いずれも20円/kg以上。

 メチレンクロライドとクロロホルムは、塩素系溶剤として国内で底堅い需要があり、同社は長年、需要家に安定供給を続けてきた。

 しかし、今年に入り主原料の工業塩と天然ガスの価格が高騰するとともに、電力価格も高騰し、製造コストが上昇。さらには輸送コストも上昇しており、事業採算が著しく悪化している。

 同社は、継続的にあらゆるコスト低減に努めているが、現在のメチレンクロライドとクロロホルムの価格水準で採算を確保することは困難な状況だ。

 このため同社では、メチレンクロライドとクロロホルム事業の存続と安定供給の維持のため、事業を取り巻く厳しい現状を需要家に理解してもらい、今回の価格改定を了承してもらうよう努めていく。

 

三井化学 アクリルアマイドを15円/kg以上値上げ

2019年5月22日

 三井化学は21日、アクリルアマイド(AAM、固形換算)を6月1日出荷分から15円/kg以上値上げすると発表した。

 原料アクリロニトリルの価格上昇に加えて、副資材・用役費、物流費の値上がりが顕著となっている状況下、同社はあらゆるコストダウンに注力してきた。

 しかし、これらの上昇分を自助努力のみで吸収することは困難であると判断し、今回の価格改定を決定した。

 

宇部丸善ポリエチレン 24日からPEを15円/kg以上値上げ

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2019年5月15日

 宇部丸善ポリエチレンはこのほど、ポリエチレン(PE)製品を5月24日納入分から15円/kg以上値上げすると発表した。

 対象製品は同社ポリエチレン(LDPE、EVA、メタロセンL-LDPE、L-LDPE)および、その他同社取り扱い製品。

 主原料となる国産ナフサ価格が、原油価格の上昇や為替の円安継続に伴い急騰する中、今年2Q(4-6月期)は、4万8000円/kl程度が見込まれ、ユーティリティコストや副原料費などの諸経費もさらなる高騰が予想されている。加えて、深刻な人手不足の影響により運賃も上昇。

 同社は、上昇分を吸収するために合理化やコスト削減に注力するが、自助努力の限界をはるかに超える状況となっている。このような状況下、ユーザーへの安定供給継続のため、今回の販売価格改定が不可欠と判断した。

住友化学 27日からPEとPPを10円/kg以上値上げ

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2019年5月14日

 住友化学は13日、ポリエチレン(PE)とポリプロピレン(PP)の値上げを前提に需要家との交渉に入ると発表した。値上げ幅はいずれも「10円/kg以上」。5月27日納入分からの実施を予定。

 アジアのナフサ価格が、OPECの減産や産油国の供給不安による原油価格の高まりを受け上昇する中、今年4-6月期のナフサ輸入価格は、1-3月期対比でさらに上昇することが予想されている。

 こうした原料価格の高騰に伴うコスト増は、同社の自助努力だけでは吸収しえないものであり、安定供給を継続するためにも、今回の価格改定を決定した。

 なお、想定したナフサ価格が大きく変動する場合は、価格の改定幅を修正する場合もある、としている。

 

日本ポリプロ ポリプロピレンを15円/Kg以上値上げ

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2019年5月10日

 日本ポリプロは9日、ポリプロピレン全製品を21日納入分から値上げすると発表した。値上げ幅は15円/kg以上。内訳はナフサ価格上昇分と諸経費上昇分で12円/kg以上、物流費上昇分で3円/kg。

 原油価格はOPEC・非加盟産油国による協調減産、米国による対イラン経済制裁強化・対ベネズエラ経済制裁、リビアの政情不安により、再度上昇基調に転じ、その後も急激な上昇が続いている。また、為替も円安が定着し、今年第2四半期~第3四半期の国産ナフサ価格は、4万8千円/klを上回る水準となることが見込まれる。

 これに伴い、副資材や副原料などの諸経費の上昇も避けられない情勢となっている。さらに、2017年以降、物流費も人手不足を背景に大幅に上昇している。

 同社は厳しい経済環境の下、徹底したコスト削減に努めてきたが、今回の急激なコスト上昇分を自助努力のみで吸収することは困難であることから、価格改定をせざるを得ないとの判断に至った。

日本ポリエチレン 21日納入分からポリエチレン値上げ

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2019年5月10日

 日本ポリエチレンは9日、ポリエチレン全製品を21日納入分から値上げすると発表した。値上げ幅は15円/kg以上。内訳はナフサと用役・副原料価格上昇分で12円/kg以上、物流費上昇分で3円/kg。

 原油価格は、米国によるイラン、ベネズエラへの経済制裁、OPEC・非OPEC加盟国による協調減産継続により、大幅に上昇している。国産ナフサ価格についても、原油の高騰、域内の堅調なナフサ需要、為替も円安が定着していることにより、今年第2四半期~第3四半期には4万8000円/klを超える水準となることが見込まれる。

 これに伴い、用役・副原料価格も上昇している。また、昨今の人手不足により物流事情はますます逼迫してきており、安定物流を確保するために物流費も大幅に上昇している。

 同社は厳しい経済環境の下、徹底したコスト削減に努めてきたが、今回の急激な原燃料コストと物流費の上昇を自助努力のみで吸収することが困難なことから、価格改定をせざるを得ないと判断した。

 

三菱ケミカル アクリルアマイドを値上げ、国内は10円/kg以上

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2019年4月25日

 三菱ケミカルは24日、アクリルアマイド50%水溶液の国内・輸出品の価格改定を実施することとし、各需要家との交渉に入ったと発表した。

 改定幅は、国内が「10円/kg以上」(フォーミュラ改訂 純分換算)、輸出が「100ドル/t以上」。4月25日出荷分から実施される。

 アクリルアマイドは、国内の紙力増強剤や高分子凝集剤向けの需要が堅調に推移し、海外では石油採掘や水処理用途を中心に需要が伸長している。一方、供給面では原料のアクリロニトリルが、プロピレン価格と国産ナフサ価格との乖離による価格改定を昨年11月に打ち出したことに加え、燃料価格や梱包材料、物流費などの諸経費も急騰している。

 同社は生産の効率化などによるコスト低減に注力しているが、現在の原料価格上昇は自助努力で吸収できる範囲を超えており、安定的な製品供給を継続するためにも、コスト上昇分を価格に転嫁せざるを得ないと判断した。