JXTGエネルギー 「バイオマス・ショア寄付講座」に参画

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2020年4月14日

 JXTGエネルギーは、東京大学大学院農学生命科学研究科に開設されている「バイオマス・ショア寄付講座」に対し、三菱ガス化学、三菱商事および日新商事と共同で寄付を行っている。

 同講座が実現を目指す「バイオマス・ショア構想」は、大気中のCO2を削減しながら産業活動を行う社会の構築を目標としている。具体的には、海洋深層水湧昇流のある砂漠海岸で、海洋深層水を淡水と高濃度海水に分離し、淡水で農業・緑化、高塩濃度海水で藻類を培養し、それぞれの過程でCO2を吸収させることで高付加価値な生産物を得るシステムを構築するもの。また、同システムには再生可能エネルギーを活用する構想となっている。

 同講座は2016年に開設され、2018年4月の三菱ガス化学が参画した第1期では、バイオマス・ショア構想の基本コンセプトの構築、実施候補地の確認などの基盤づくりが実施された。今年4月から開始する第2期では、同構想の実現可能性が検証される予定。

 JXTGエネルギーは、遺伝子組み換えを一切行わない独自の発酵技術を用いて、天然色素であるカロテノイドの生産性を高める研究開発を進め、アスタキサンチンやレアカロテノイドの商品化を達成している。高塩濃度海水で培養し得られる藻類には、タンパク質やグリセロール、グルタチオン、脂質などに加え、同社が扱うカロテノイド類も含まれることから、同講座への寄付を決定した。

 同社は「2040年JXTGグループ長期ビジョン」の達成に向け、機能材事業分野での「発酵生産技術」をはじめとする製品開発力の強化を通じて、革新的な事業を創出し、新たな価値を創造していく考えだ。

三菱ガス化学 台湾で超純過水の一貫生産体制を構築へ

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2020年2月19日

 三菱ガス化学はこのほど、半導体の製造工程で使用される超純過酸化水素(超純過水)事業のさらなる伸長を目指し、台湾子会社での工業用過酸化水素(工薬過水)製造設備の建設を決定したと発表した。

 超純過水は、主に半導体の製造工程で、洗浄・エッチング・研磨剤として使用される。今後、5GやIoT、クラウド、AIなどの進展による用途拡大により、半導体需要は長期的に伸長していくことが見込まれ、半導体の微細化に伴い、より高品質で大量の超純過水需要が高まっている。

 同社グループは、国内の3拠点(四日市、山北、佐賀)、海外7拠点(韓国2工場、米国3工場、シンガポール、台湾)に超純過水製造設備を構え、世界最高レベルの品質とそれを保証する分析・品質保証体制を持っている。世界トップシェアのリーディングカンパニーとして、これまで多くの顧客と取引を拡大してきた。

 また、超純過水に加え、半導体製造工程で使用される各種電子工業用機能性薬液も事業展開しており、いずれも高い支持を受けている。

 台湾では巨大半導体工場の建設が相次いで進み、今後も大型投資が予定されており、高品質な超純過水の需要が急増している。これらの需要に応え、供給安定性・高品質・コスト競争力を伴った超純過水の製造販売を実現し事業拡大を推進するため、工薬過水製造設備を建設し、稼働中の超純過水設備へ、原料となる工薬過水(原料過水)を供給することで、原料過水から超純過水までの現地一貫生産体制を実現する。

 同社グループは今回の供給体制強化を行うことで、今後も全世界的に、また長期にわたり続くと予想される半導体産業の成長に貢献するとともに、超純過水、電子工業用機能性薬液をはじめとする半導体製造に不可欠な材料供給のリーディングカンパニーとして、さらなる発展を目指していく考えだ。

三菱ガス化学 国内最大規模の完全人工光型植物工場を竣工

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2019年11月26日

 三菱ガス化学はこのほど、国内最大規模となる完全人工光型植物工場が竣工し、今月22日に竣工式を行ったと発表した。同社事業所である「QOLイノベーションセンター白河」内に建設していた。

 完全人工光型植物工場は、従来の畑地栽培やハウス栽培とは異なり、施設内で植物の生長に必要な光や温湿度、CO2濃度、水分、栄養分などの環境条件を制御しながら、常に最適な生育環境で植物を栽培する施設。そのため、季節や天候に左右されることなく、1年を通して、安定した品質の野菜を、安定に提供することが可能となる。

 今回竣工した工場は、完全人工光型植物工場としては国内最大規模を誇り、1日2.6t以上、1株80グラムのリーフレタス換算で約3万2000株の葉菜類の生産能力を持つ。また、工場設計の工夫や最新の技術ノウハウなどの導入により同時に多品種を栽培でき、一般消費者向け個包装商品から業務用商品まで、顧客ニーズに沿った計画的生産と供給が可能となった。

 今後は、同社とファームシップが共同で設立した「MGCファーミックス」がこの工場を運営するが、GLOBAL G.A.P.認証(食品安全に関する国際規格の1つ)の早期取得に向けた活動を開始するなど、安全・安心にこだわって生産・販売を行っていく。三菱ガス化学は、工場の竣工により、同社グループとしての「医・食」分野でのさらなる成長を目指すとともに、福島の発展・活性化にも貢献していく考えだ。

三菱ガス化学の4-9月期 PC市況悪化などで減収減益

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2019年11月6日

 三菱ガス化学の2020年3月期第2四半期連結決算は、売上高が前年同期比8%減の3033億円、営業利益は同45%減の160億円、経常利益は同75%減の116億円、純利益は同79%減の81億円となった。

 売上高はメタノールやポリカーボネートの市況が下落したことなどにより減収。 営業利益は特殊ポリカーボネートや特殊芳香族化学品の販売数量が増加したものの、前年同期に高い水準を維持していたポリカーボネート、高純度イソフタル酸、メタノールなどの市況が大幅に下落したことなどから減益となった。

 経常利益は営業利益の減少に加え、サウジアラビア合弁事業での一過性費用の計上などで、海外メタノール生産会社の持分法損益が大幅に悪化したことなどから減益となっている。

 セグメント別では、天然ガス系化学品は売上高が同15%減の753億円、営業損失が同38億円悪化の5億円。海外メタノール生産会社を中心とする持分法損失を55億円計上した結果、経常損失は同221億円悪化の64億円となった。

 芳香族化学品は売上高が同4%減の1028億円、営業利益は同23%減の77億円、経常利益は同25%の73億円。機能化学品は売上高が同7%減の986億円、営業利益は同43%減の80億円。エンジニアリングプラスチックス関連会社を中心とする持分法利益を16億円計上したため、経常利益は同47%減の94億円となった。

 特殊機能材の売上高は同4%減の261億円、営業利益は同18%減の20億円。持分法利益を2億円計上したことで、経常利益は同23%減の23億円となっている。

 通期連結業績予想については、売上高はメタノール市況が前回予想を下回って推移していることや未経過月の為替レートを円高方向に見直したことなどから、前回予想を下回る見通し。各段階利益についても、売上高と同様の理由に加え、発泡プラスチック事業の販売数量減、ポリカーボネートとポリアセタールの下振れなどもあり、前回予想を下回る見通しとなった。

 売上高は前年比6%減の6100億円、営業利益は同25%減の310億円、経常利益は同61%減の270億円、純利益は同67%減の180億円を見込んでいる。

三菱ガス化学 カメラレンズ用特殊PCで世界最高の屈折率

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2019年9月19日

 三菱ガス化学は18日、小型カメラレンズ用樹脂としてスマートフォン(スマホ)のカメラレンズなどに使用されている特殊ポリカーボネート(PC)「ユピゼータ EP」シリーズの最新グレードとして、世界最高の屈折率1.68を誇る「ユピゼータ EP-10000」の販売を開始したと発表した。

「ユピゼータEP」を用いたスマートフォン
「ユピゼータEP」を用いたスマートフォン

 スマホやタブレットなどのカメラレンズ素材には、高屈折率(レンズの薄型化に寄与)と低複屈折性(画像の鮮明化に寄与)を兼ね備えた特性が求められる。同社の特殊PC「ユピゼータ EP」はこれらを高い次元で両立し、さらに成形性も兼ね備えた光学材料である。

 スマホのカメラ性能の高度化がますます求められる中、マーケットニーズに応えるカメラレンズに欠かせない材料となっている。今回、販売を開始する「ユピゼータ EP-10000」は世界最高の屈折率1.68を有し、「ユピゼータ EP-9000」の屈折率1.67を凌ぐ材料で、薄さを維持しながらカメラ性能のさらなる高機能化を可能としている。

 同社は、「ユピゼータ EP-10000」の拡販を通じ、〝情報・通信〟領域のさらなる事業展開を進めていく考えだ。

5G/IoT通信展 化学メーカーもノイズ抑制素材など紹介

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2019年7月19日

 5GやIoTなど次世代のモバイル通信に必要な技術を集めた「第2回5G/IoT通信展」が、19日まで東京都江東区の青海展示場で開催され、化学メーカーでは旭化成、ポリプラスチックス/ダイセルポリマー、三菱ガス化学、JSRが出展している。

旭化成

旭化成
旭化成

 旭化成は薄型・軽量でありながら、高周波数帯域のノイズを吸収するノイズ抑制シート「パルシャット」を紹介している。

 1GHz以下の低周波数帯域では、磁界を抑制すればトータルでノイズを抑制することができる。しかし、5Gで使われる数十GHzの高周波数帯域では、電界の方が支配的なため、従来の磁性体を使用した抑制素材でノイズを抑制するのは難しい。

 パルシャットはポリエステル不織布を使い、表面に

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