積水化学 髙下社長「環境貢献製品で社会課題を解決」

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2018年11月13日

 積水化学工業は9日、都内で記者懇談会を開催した。髙下貞二社長は「上期は原燃料高や相次ぐ天災の影響もあったが、ほぼ想定内で進捗している。下期は3カンパニーとも増収増益となり、10期連続営業増益、6期連続最高益更新を達成する見込みだ」と語った。

 そして「環境を経営のど真ん中に置いており、SDGsに貢献する製品、技術、サービスを世の中に提供していく。日本、世界、地球で発生しているさまざまな課題に対し、環境貢献製品で解決していくことがわれわれのミッションだ」との考えを示した。

 続いて各カンパニーのプレジデントが近況を報告した。環境・ライフラインカンパニーの久保肇プレジデントは “積水化学 髙下社長「環境貢献製品で社会課題を解決」” の続きを読む

三菱ケミカル 赤色蛍光体特許侵害訴訟で中国企業に勝訴

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2018年11月13日

 三菱ケミカルは12日、中国での赤色蛍光体特許侵害訴訟で、被告である煙台希爾徳新材料(Shield社)による同社特許の侵害を認める一審判決が、10月30日に出されたと発表した。

 三菱ケミカルは、2015年1月23日付でShield社に対して、物質・材料研究機構(NIMS)と同社が共有する赤色蛍光体に関する特許を侵害しているとして、中国での蛍光体製品の生産や販売などの侵害行為の差し止めと、損害賠償を求める訴訟を深圳(セン)市中級人民法院に提起していた。

 これに対し、同法院は同社の主張を認め、Shield社による当該侵害行為の差し止めと同社への合計600万元(約1億円)損害賠償金の支払いを命じる判決を下した。

 中国はLEDパッケージの最大の生産国であり、赤色蛍光体の主用途である白色LEDパッケージでも最大生産量を誇る。その中国で同社の主張を認めて差し止めと損害賠償を命じた今回の勝訴判決は、長年積極的に投資、事業展開を行ってきた同社にとって非常に意義深いものとなる。

 また、今回の勝訴判決は蛍光体産業のみならず、白色LED産業全体でも重要な意味をもち、今後の両産業の健全な発展と秩序維持につながる。同社は今後も、他社が同社特許を侵害する製品を実施するようなことがあれば、適正な対応を取る考えだ。

 

昭和電工 超微粒子酸化チタンの生産設備増強を完了

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2018年11月12日

 昭和電工は9日、子会社である昭和電工セラミックス(長野県塩尻市)で、積層セラミックコンデンサー(MLCC)の原料である超微粒子酸化チタン「スーパータイタニア」の生産能力増強を完了したと発表した。

 多くの電子機器で使われているコンデンサーのうち、MLCCはスマートフォンや携帯電話など小型化・軽量化が要求される情報機器や薄型TVなどのデジタル家電に多く使用されている。

 MLCCの市場成長率は年10%程度だが、これら電子機器の需要拡大に伴い、設備はフル稼働の状況が継続。需要の拡大に対応し、今後も安定的に高品質な製品を顧客へ供給するため、今回、昭和電工セラミックス富山工場内にある、MLCC向け同製品の生産ラインを1系列増設した。

 来年1月以降、生産能力は現行能力の3割増となる。酸化チタン(TiO2)を原料とするチタン酸バリウム(BaTiO3)は、MLCCの基本構造の1つである誘電体に用いられる。また、MLCCの小型化・高容量化のためには高純度で粒子の微小なチタン酸バリウムが必要となる。

 チタン酸バリウムの製法には固相法と液相法があり、より低コストで誘電特性の高いチタン酸バリウムが得られる固相法には微小な酸化チタンが必要となる。

 同社が製造・販売する超微粒子酸化チタンは、最先端のプロセス制御技術で生産され、粒子の大きさは15∼250nmと微細であり、純度も高く、MLCCのさらなる小型化・高容量化に貢献する。また、MLCCの原料としてだけでなく、各種フィラー材料など、幅広いニーズにも対応する。

旭化成 米法人が「SPEオートモーティブ・イノベーション・アワード」受賞

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2018年11月12日

 旭化成は9日、連結子会社の旭化成プラスチックスノースアメリカ(APNA:米国ミシガン州)が、2018年度「SPEオートモーティブ・イノベーション・アワード」(シャシー/ハードウェア部門)を受賞したと発表した。

ガラス繊維強化ポリアミド66製セルフタッピング型複合ナット00 授賞式は7日(米国時間)にミシガン州で行われた。受賞対象となったのは、APNAがフィアット・クライスラー・オートモーティブ、イリノイ・ツール・ワークスと共同で開発した「ガラス繊維強化ポリアミド66製セルフタッピング型複合ナット」=写真

 旭化成のポリアミド66樹脂「レオナ90G55」シリーズを使って開発した。他の金属製や樹脂製のナットに比べ、軽量化や燃費向上によるCO2排出量、コスト削減を実現している。

 米国プラスチック技術者協会(SPE)が開催するSPEオートモーティブ・イノベーション・アワードは、革新的な自動車用プラスチック部品などを対象に表彰する制度で、同部品を対象とした賞の中では世界で最も古く、最大の規模となっている。

 APNAは同賞を過去7年間のうちに、素材部門で2つ、車体外装部門で1つ受賞しており、今回と合わせて合計で4つ目の受賞となった。

三井化学・コクヨ 形状記憶素材の特性を「壺」で可視化

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2018年11月8日

 三井化学はこのほど、形状記憶シートの特性を「壺」で表現した作品を、広告・クリエイティブの専門誌「月刊ブレーン」12月号の誌上で発表した。

 同社は、クリエイターとのコラボレーションプロジェクト〝Material Meets Creative Team〟を進めており、これまでに無かった新しい視点で「素材の魅力」を分かりやすく伝える活動を行っている。

UNFRAGMENT
UNFRAGMENT

 第6弾となった今回は、三井化学東セロの新開発品である「形状記憶シート」と、クリエイターの佐々木拓氏(コクヨ・クリエイティブセンター)とのコラボにより、初めから割れている壺「UNFRAGMENT」を製作し発表した。

 同作品は、その形状記憶性に着目し、「ゆっくりと元に戻る」特性をプロダクトに落とし込んだ。壊れた陶器を修繕することで新たな価値を生む金継ぎの技術を参考に、手で広げると壺が開き、時間の経過とともに元の状態に戻っていく。割れた状態と金継ぎされた状態を行き来する作品で、これまでに無いプロダクトの時間軸を表現した。

 三井化学東セロの形状記憶シートは、三井化学が開発した特殊ポリマーを発泡・シート化した製品で、特にその触感は高い評価を得ている。常温∼50℃付近で柔軟性を増す特性があり、人に触れている部分は柔らかく、触れていない部分は若干硬いため、サポートされている感覚が生まれる素材。

 各種ヘルスケアや医療、介護、スポーツ、シート、クッションなどの利用者にフィットするような用途で、世界に1つだけの製品開発に貢献できる素材として注目されている。

旭化成 コンセプトカー「アクシー」がドイツのデザイン賞を受賞

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2018年11月8日

 旭化成は7日、EVメーカーであるGLM(京都市)と共同開発したコンセプトカー「AKXY(アクシー)」が、ドイツの「ドイツデザインアワード Special Mention Category 2019」を受賞したと発表した。授賞式は来年2月8日にフランクフルトで開催される予定。

走るコンセプトカー「アクシー」
走るコンセプトカー「アクシー」

 アクシーは昨年5月に発表した走るコンセプトカー。これまで国内外の様々な展示会や顧客とのプライベート展示会で活用し、自動車関連産業の関係者と未来の自動車と自動車がもたらすソリューションについてディスカッションを行ってきた。

 今回、「このコンセプトカーはすべての内装と外装の要素が調和し、先進的なデザインに落とし込まれている。その形状と機能は細部に至るまで印象的で、未来の自動車の姿を彷彿させる」との評価から、同賞を受賞することになった。

 アクシーの開発・運用責任者であるオートモーティブ事業推進室の宇高道尊室長は「アクシーは有機的なイメージをもつ曲線と、無機的なイメージを持つ直線を巧みに組み合わせ、当社が理想とする安全・環境・快適な自動車を表した未来的なデザインにしている。そのことが評価され、今回の受賞に至ったことは大変嬉しい」と述べている。

 同社は、アクシーを今後も国内外の展示会などを通じて最大限活用し、より多くの顧客とのコネクトを続け、自動車の安全性と快適性の向上、環境への貢献に応じた多様なキーアイテムを総合的に提案していく考えだ。

宇部興産 機械部門の米子会社で組立工場の拡張が完了

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2018年11月8日

 宇部興産は7日、宇部興産機械の米国子会社UBE Machinery(UMI)で、射出成形機の組立工場の拡張工事が完了し、10月25日にオープンセレモニーを開催したと発表した。

拡張工事が完了した組立工場02
拡張工事が完了した組立工場

 拡張により、大型射出成形機の供給能力が倍増する。工場拡張に併せ、型締力3000t以上の超大型の射出成形機を組み立てるための大型クレーン、重量物搬送用の構内台車、最新鋭の粉体塗装設備を追加で導入するなど、効率的でより高い品質に寄与する生産体制を実現した。

 射出成形機の組み立てだけでなく、制御装置や油圧部品など、設備の老朽化した機器を最新の機器に刷新するリビルド事業のさらなる取り込みも図る。

 宇部興産機械は、宇部興産グループの機械事業の中核会社。昨年1月の宇部興産機械とU-MHIプラテック(旧三菱重工プラスチックテクノロジー)との射出成形機部門の事業統合を機に、グローバルな市場ニーズに対応した商品ラインアップのもと、UMIは北米市場での拡販を図ってきた。

 今回の拡張工事は、米系ローカルの顧客を中心に需要が高い、省スペースタイプの大型サーボ油圧2プラテン機の旺盛なニーズに応えるもの。

JXTGエネルギー 「ENEOS水素基金」の助成対象者を決定

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2018年11月7日

 JXTGエネルギーはこのほど、同社が設立した「公益信託ENEOS水素基金(運営委員長:堂免一成・東京大学大学院工学系研究科教授、受託者:三井住友信託銀行)」の2018年度助成対象者を決定した。

 助成を受けるのは▼北海道大学大学院理学研究院化学部門錯体化学研究室・小林厚志准教授▼岡山大学大学院自然科学研究科応用化学専攻・岸本昭教授▼慶應義塾大学理工学部応用化学科・緒明佑哉准教授▼鳥取大学大学院工学研究科化学・生物応用工学専攻・辻悦司講師▼東京理科大学理学部第二部化学科・倉持悠輔助教▼九州工業大学物質工学研究系・横野照尚教授の6人。

 小林・岸本・緒明の3氏は第1分野(水素製造技術)、辻・倉持・横野の3氏は第3分野(CO2固定化・削減技術)に関する研究をテーマとしており、今回は第2分野(水素貯蔵・輸送に関する技術)については、対象者がいなかった。

 同社は水素エネルギー社会の早期実現に貢献することを目的に、2006年3月に同基金を創設。水素エネルギー供給に関する研究助成に特化した公益信託としては、日本初の基金である。水素エネルギー供給に関する「独創的かつ先導的な基礎研究」に対し、年間総額5000万円(1件あたりの上限1000万円)の研究助成金を、約30年間にわたり安定的に交付することが可能な規模を有している。

 なお、公益信託とは委託者が財産を一定の公益目的のために信託銀行(受託者)に拠出し、設定した公益信託(公益信託契約)に従って、信託銀行がその財産を管理・運用し、公益のために役立てる制度。

 奨学金の支給、自然科学・人文科学研究への助成、自然環境保護活動への助成、国際協力・国際交流促進など、様々な金銭給付型の公益事業に活用されている。公益信託の設定にあたっては、主務官庁の許可が必要となっており、ENEOS水素基金の主務官庁は経済産業省である。

宇部興産 金山鉱区から石灰石の出鉱を開始

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2018年11月7日

 宇部興産は6日、宇部伊佐鉱山(山口県美祢市)で4番目の鉱区となる金山鉱区からの出鉱を開始したと発表した。

出鉱式 金山鉱区は2010年から開発工事に着手し、石灰石運搬道路の造成をはじめとした諸施設の設置など準備を進めてきたが、このほど工事が完了。関係者の参列の下、4日に出鉱式=写真=と安全祈願祭を行った。

 宇部伊佐鉱山は同社グループの建設資材事業の中核である伊佐セメント工場に隣接しており、セメントなどの原料となる石灰石の採掘を行っている。同社は1946年9月、伊佐採掘所(伊佐鉱区)を発足させたのを皮切りに、丸山鉱区(73年)、雨乞鉱区(82年)と開発を進め、合わせて年間約800万tの石灰石を採掘している。

 金山鉱区の出鉱開始は、国内での石灰石資源のさらなる安定供給や、同社グループの建設資材事業の基盤強化につながるものだ。操業にあたっては、これまで以上に地域との共生を念頭に、周辺環境に最大限配慮していく。

積水化学 次世代CADシステム開発へ、働き方改革などに対応

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2018年11月7日

 積水化学工業の住宅カンパニーはこのほど、2021年度の導入を目指し、次世代CADシステム「新SCOPE」の開発に着手すると発表した。

 同システムの導入により、主に①営業・設計業務の効率化と負荷軽減(働き方改革への対応)②顧客へのサービスの質向上③用途拡大(他の社内システムと連動)④設計業務の精度向上-の4つの効果が期待できる。

 同システム開発への投資額は5年間で約70億円となる。新システムでは、邸データ(建物と敷地の情報)をクラウドサーバーにより一元管理する。導入当初は新築部門の営業・設計業務で活用し、将来的には生産・施工、アフターサービス、リフォーム部門とも邸データを共有・活用することで、さらなる業務の効率化を図る。

 同社は1988年に、同社固有のユニット工法に対応した、独自のプラン設計システム「SCOPE」を開発。新築部門の基幹システムとして、これまで各種機能の強化・拡張を図り、先進性の高い工業化住宅の建築を可能にしてきた。

 今回、同システムに蓄積されたユニット工法の設計ルールを最大限に活用しつつ、最新のCADシステムやデジタル技術との相乗効果を図るシステム開発に着手することを決定。これにより、顧客へのプランのプレゼンの高度化や、敷地条件と建物を一体とした設計の効率化と精度向上などが可能になる。

 働き方改革への対応では、プレゼン機能の操作性向上、敷地への建物配置などの設計品質の向上、過去の推奨プランデータの活用、営業・設計・工場間の業務連携の質向上、在宅・サテライトオフィスワークの推進などが期待できる。

 一方で顧客情報のセキュリティに対してもより一層の強化を図る。これにより、営業担当では年平均残業時間の26%相当、設計担当では年平均残業時間の17%相当を削減できると試算している。

 また、敷地情報が入力できることにより、新システムの操作だけで、公的な各申請業務向けの図面が作成でき、今後の電子申請には有効であると判断している。

 また、現行のシステムで顧客に提出できる資料は、建物平面図・立面図・内観図・見積書(積算機能活用)・イメージパースに限定されているが、機能拡張で建物配置図や敷地形状を反映した実測型のパースが加わる。これにより、全作図の表現レベルとプレゼン資料の質的向上、さらには顧客満足度の向上を図る。

 今後は、2020年3月までに設計とプログラム実装を完了。その後のテストを経て、21年8月にセキスイハイム(鉄骨系商品)版をリリースし、22年9月までに全システムを本格運用する計画だ。