旭化成 ゾール社がコロナ感染拡大で人工呼吸器を増産

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2020年3月26日

 旭化成は25日、新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)の世界的な感染拡大を受け、米国子会社のゾール社が人工呼吸器の増産を決定したと発表した。COVID‐19の世界規模の感染拡大により、医療機関では重症患者に必要な人工呼吸器が不足しており、ゾール社は、生産数を現在の約25倍に相当する月産1万台に増大させる。

 今回の増産決定に伴い、主に米国に拠点を置く部品メーカーに対しても部品の供給増を要請した。ゾール社の人工呼吸器は、最高クラスの性能を持つ内部フィルターシステムが装備されており、適切な医療体制の整っていない危険な環境下でも作業性が高く、患者のみならず医療従事者にとっても使いやすい製品となっている。

 また、同製品は細菌/ウイルスフィルターや薬液用フィルター、生物ろ過器、熱・水分交換フィルターの取り付けも可能だ。携帯性・耐久性・安全性・信頼性に優れ、過酷な環境でも使いやすいため、現在世界中の多くの医療機関などで使用されている。

 ゾール社は引き続き、人工呼吸器を必要とする医療機関などに、製品を速やかに届けられるよう尽力していく考えだ。

旭化成の新たな人財戦略 健康経営がスタート

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2020年3月26日

従業員の働きがい高め、創造性と生産性を向上

 旭化成グループは4月から、「社員一人ひとりの活躍と成長」と「生産性の向上」を実現するために、健康に資する取り組みを全社共通の重要テーマと位置づけた「健康経営」をスタートさせる。

小堀秀毅社長 中面用
小堀秀毅社長

 同社はこれまでも、従業員の健康保持・増進への支援をレスポンシブル・ケア(RC)の活動方針の1つに掲げ、快適な職場環境の形成を行ってきた。今回、その取り組みをさらに深化・拡大させていく考えだ。

 小堀秀毅社長は「従業員の働きがいは

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三井化学 メルトブローン不織布強化、増設で1.5倍に

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2020年3月25日

 三井化学は24日、100%子会社のサンレックス工業(三重県四日市市)で行っていた、メルトブローン不織布「シンテックスMB」製造設備の増設が完了し、今年1月に営業運転を開始したと発表した。

不織布製造設備を増設したサンレックス工業の外観
不織布製造設備を増設したサンレックス工業の外観

 三井化学は、産業材向け不織布需要の拡大に対応するためにラインの増設を決め、2018年8月に着工、昨年6月に完工した。1ラインの増設により、同製品の生産能力は1.5倍に拡大した。

 同社は、不織布事業を成長分野と位置づけ、自動車用シート「タフネル」、マスク・農業用シート「シンテックス」などの産業材向けに高品質な不織布を供給している。特に、メルトブローン不織布でピーク繊維径が数百ナノメートルの極細繊維銘柄「nano」では、フィルター用途を中心に製品展開を行う。

メルトブローン不織布
メルトブローン不織布

 今回の増設を機に、不織布事業のさらなる強化・拡大を図っていく考えだ。

中外製薬 カンボジアでチーム医療推進ワークショップ

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2020年3月25日

 中外製薬は、特定非営利活動法人ジャパンハートがカンボジアで運営する「ジャパンハートこども医療センター」で、現地医療関係者を対象としたチーム医療推進ワークショップを開催した。

 カンボジアでは、近年都市部を中心に急速な経済成長が続く一方、保健・衛生に関しては、医療関係者の絶対数の不足や、国民の医療・衛生に対する知識不足、保険制度の不備などの理由により、国民に等しく良質な医療が提供されるには至っていない。また、医療現場では人員、設備などさまざまな制約の下で、医師や看護師をはじめ多くの職種を含む医療関係者がいかに連携を強化し、質の高い医療を提供できるかが課題となっている。

 こうした中、カンボジアでのチーム医療の推進を目的とし、現地で医療関係者を対象とするワークショップを開催。ジャパンハートが運営する医療センターで行われた2日間(2月22~23日)のワークショップには、日本人を含む医師、看護師など計21名が参加。コミュニケーション上の課題解決スキルの学習を通じた医療の質の向上を目的に、1日目はクメール人スタッフを、2日目は日本人スタッフを対象にプログラムを実施した。現地の受講者に対しては、クメール語の通訳を介し母国語で実施することにより、日頃の思いや考えを引き出すことにつながった。

 日本では、患者に関わる医療のさまざまな担い手が、各々の高い専門性を前提に目的と情報を共有し、互いに連携・補完しつつ医療を提供するチーム医療が、治療の高度化・複雑化の進むがん領域で特に進んでいる。

 中外製薬は、がん領域のリーディングカンパニーとして、患者中心のチーム医療の支援に長年携わってきた。中期経営計画の戦略テーマである「Sustainable基盤強化」の実現に向け、6つの重点強化領域を掲げており、「保健医療アクセス」はこの1つ。今後もグローバルヘルスへの貢献を目指す取り組みに注力していく考えだ。

 

宇部興産 豊田通商の北米コンパウンドメーカーを買収

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2020年3月25日

 宇部興産はこのほど、豊田通商の連結子会社で、米国でコンパウンドの受託加工を行っているプレミアム・コンポジット・テクノロジー・ノースアメリカ(PCTNA社)の買収を決定したと発表した。4月1日をめどに宇部興産がPCTNA社の株式100%を豊田通商から譲り受け、新体制で事業を開始する予定だ。

PCTNA社の工場
PCTNA社の工場

 PCTNA社は、豊田通商グループ企業として2009年に設立。米国で主にナイロン以外の樹脂を原料とするプラスチックコンパウンド受託加工事業を行っている。日系自動車メーカー向け品質管理体制を整備しており、設立以来、同業界向けに長年の供給実績を持ち、その品質は高い信頼を得ている。

 宇部興産は、現中期経営計画の中でナイロン6事業を積極拡大事業と位置づけ、市場優位性を持つ押出用途のさらなる強化と、射出用途の事業領域の拡大を推進。昨年3月には、欧州子会社ウベコーポレーションヨーロッパ(スペイン・バレンシア州)がスペインのプラスチックコンパウンド製造・販売会社を買収し、射出・コンパウンド事業の海外拠点を拡充した。

 今回の買収により、従来の日本・タイ・スペインの製造拠点に加え、新たに北米で自社コンパウンド製造拠点を獲得。日本・アジア・欧州・北米の4極体制の確立により、自動車メーカー(OEM)・自動車部品メーカー(ティア1)へのグローバルな供給が可能となる。

  自動車分野で世界有数の市場でもある北米には、多くの日系OEM/ティア1が進出し、製造だけでなく開発業務も行うなど、現地化を加速化させている。宇部興産はPCTNA社を通じ、現地調達材提供を軸に、新たな価値を市場と顧客に提供する。

 また、宇部興産は、PCTNA社の持つ樹脂コンパウンドに関する技術・ノウハウも獲得。市場のニーズに応じた最適な樹脂種の提案、組み合わせが可能となり、宇部興産グループの製品開発、市場開発に大きく寄与することが期待される。

 宇部興産は、コンパウンド受託加工を新たな成長の機会と捉え、内製コンパウンドとのシナジーを通じ事業を展開することで、射出・コンパウンド市場での地位をより強固なものにしていく考えだ。

住友化学 環境負荷低減の技術開発、研究グループを新設

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2020年3月25日

 住友化学は24日、サステナブルな社会の実現に貢献するため、石油化学品研究所(千葉県袖ケ浦市)に、「研究グループ(環境負荷低減技術開発)」を4月1日付で新設すると発表した。

石油化学品研究所
石油化学品研究所

 同グループは、同社が石油化学品事業などで培ってきた触媒や化学プロセスの設計といったコア技術を活用し、炭素循環や温室効果ガス排出削減に関する環境負荷低減の技術開発に取り組む。

 現在、複数の研究所に分散しているテーマを石油化学品研究所に集約。研究者を約30名体制に強化することで、飛躍的に開発を加速させるとともに新規テーマにも注力する。また、優れた技術を持つ企業やアカデミアなどと積極的に連携し、環境負荷低減技術を石油化学部門の新機軸とし活動を進める考えだ。

 新グループでの開発テーマ例として、ごみ由来のエタノールを原料にしたポリオレフィンの製造技術、廃プラのケミカルリサイクル技術、CO2を用いた化学品製造技術、化学製造プロセスへの省エネ技術導入、省エネ排水処理システムの開発などを挙げている。

 同社は、経営として取り組む最重要課題(マテリアリティ)の1つに環境負荷低減への貢献を掲げている。引き続き、炭素循環技術や温室効果ガス排出削減技術など、社会課題に対するソリューションの早期創出を目指していく方針だ。

クラレ 米国火災事故を教訓、安全対策を強化

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2020年3月25日

伊藤社長「安全のための設備投資は着実に実施」

 クラレは、先日開催された決算説明会において、米国エバール工場火災に伴う訴訟や今後の安全対策について説明を行った。

 事故は、2018年5月に安全弁から漏れたエチレンガスが引火し発生。その後、当局の調査が行われ、安全設備の改造を実施した。同年9月には主要生産ラインが稼働を開始し、11月末に事故発生ラインが復旧したことで生産体制は正常化している。

 設備復旧と安全対策費用としては、補修や安全対策、また他のプラントへの横展開も含め約4億円程度だった一方、訴訟については、当時現場で働いていた外部委託業者160名が原告として提訴。2019年10月には一部原告と和解し、和解費用100億円を含む特別損失140億円を計上、さらに11月には140名超に対し訴訟引当金340億円の特別損失を追加計上した。今年1月には一部原告と和解(約289億円)が成立したが、残りの原告とは和解交渉が継続している。

 再発防止に向けた取り組みについて伊藤正明社長は、「特に海外プラントにおいて、

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三井化学 新型コロナ対策で支援、終息願い中国に寄付

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2020年3月24日

 三井化学はこのほど、中国での新型コロナウイルス対策の支援として、義援金100万元(約1600万円)を中国赤十字基金会に寄付すると発表した。

 同社は「このたびの中国湖北省武漢市を中心に発生している新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、罹患された皆様に心よりお見舞い申し上げます。罹患されている皆様の早期回復と、感染の終息を心より祈念申し上げます」とコメントしている。

トヨタ自動車など10社 中部圏水素利用協議会を発足

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2020年3月24日

 水素利用推進に取り組む民間企業10社(出光興産、岩谷産業、JXTGエネルギー、住友商事、中部電力、東邦ガス、トヨタ自動車、日本エア・リキード、三井住友銀行、三菱ケミカル)はこのほど、中部圏での水素の需要拡大と安定的な利用のためのサプライチェーンの構築を目指し、水素の大規模利用の可能性を検討する「中部圏水素利用協議会」を発足した。産業界全体で横断的に検討を進める日本で初めての取り組みとなる。

 現在、CO2の排出量削減による地球温暖化の抑制が喫緊の課題であり、これを解決するためには、持続可能で低炭素なエネルギー利用の促進が重要となる。そのため日本政府は、水素を将来の重要なエネルギーの1つに位置づけ、「水素社会」の実現に向けた「水素・燃料電池戦略ロードマップ」を策定。この中では、当面の目標として、2030年に年間30万tの水素を利用するという大規模な水素供給システムの確立が掲げられている。

 こうした中、水素の製造・供給サイドでは、さまざまな企業により社会実装に向けた新たな技術や方策の実証が進みつつあるが、水素を利用する需要サイドでは、大規模な使い方や水素利用量の拡大についての検討が個社レベルに留まっているのが現状。

 そこで、中部圏で産業界を横断した協議会を立ち上げ、大規模な水素利用の具体的な方策を検討し、供給サイドと連携を図りながら、社会実装に向けた取り組みを進める。

 同協議会では、2020年代半ばからの社会実装開始を目指して、①中部圏での水素受け入れ拠点から需要サイドまでのサプライチェーンの検討②中部圏全体での水素利用量のポテンシャルの試算③各々の需要サイドで受け入れ可能な水素コストの検討④必要な施策と社会実装につながる事業モデルの提案、などに取り組んでいく予定。

 ロードマップの実現に向けては、産業界での技術開発、コスト低減努力のみならず、金融界との連携による資金供給スキームの構築、政府のリーダーシップによる制度・インセンティブ設計、規制改革などの三位一体の活動が必要であり、同協議会はその一翼を担っていく。そして、同協議会の取り組みが中部圏のみならず日本各地に広がっていくよう、政府とも連携して官民一体となって進めていく考えだ。