住環境研究所がこのほど実施した「睡眠状況に関する実態調査」で、日常生活の乱れが睡眠に悪影響を及ぼすことが分かった。同研究所は積水化学工業住宅カンパニーの調査研究機関。
調査は、東京・神奈川・埼玉・千葉・山梨のセキスイハイムに住む、30~70歳代の1万4000人を対象に、今年1月、ウェブアンケート方式で行った。有効回答数は829件。
それによると、睡眠の満足については、3割以上の人が睡眠に不満を感じていた。年齢別では中年層で睡眠不満が高く、30代、40代、50代は4割を超えていた。これら中年(30―50代)の不満層では、95%が「日中に眠気がある」、86%が「起きた時、すっきり目が覚めない」と回答した。
睡眠不満の内容別に生活状況を見ると、「睡眠が足りない」「起きた時のすっきり感がない」人では、「平日の寝る時間の変動」「休日の寝る時間・起きる時間の変動」「平日の夜更かし」に当てはまる人が多く、日常の規則性が乱れていることが伺えた。また、日常生活の規則性が乱れると、眠りに影響を与えるだけでなく、体の不具合にも影響を与えることが分かった。
寝室の音環境については、不満層全体で音をうるさく感じる人が多く、「外部の音がうるさい」では、中年の不満層が53%になっていた。
家全体・寝室の温熱環境についても、不満層全体で不満が多く、「寝室の温度」は中年の不満層で31%となっている。さらに、不満層の中でも築20年以上の住宅に住んでいる人は、温熱の不満割合が30%と高い傾向にあった。
今回の調査では、睡眠や生活習慣の悩みを持っている人は、睡眠を改善するサービスに興味を持っていることが分かったことから、調査手法の指導などを行っている江戸川大学の福田一彦教授は、これからの住宅メーカーは「健康的な生活を送るためのノウハウや、それに基づくシステムを提供する総合的なサービス企業として期待されている側面もある」と述べている。