日本板硝子 ガラスへの抗菌・抗ウイルスコーティング開発

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2021年4月23日

 日本板硝子はこのほど、ガラス基板上で高い抗菌・抗ウイルス機能を発揮するコーティング技術の開発に成功したと発表した。

 独自のゾル‐ゲル製法により、ガラスと同じシリカ構造の密着性の高い成膜が行え、そのコーティング膜は強固(鉛筆硬度9H)でガラスとほぼ同等の透過率をもつ。摩擦や薬品などへの耐久性が高く頻繁な接触操作やクロスによる拭き掃除ができ、静電容量式タッチパネルなどにも使える。

 ガラス表面に塗布された銅含有膜が、空気中の水分や酸素などと反応して活性酸素類(H2O2、OHラジカルなど)を発生し、表面に付着したウイルスのエンベロープ膜の破壊や、脂質、タンパク質、遺伝子物質を分解し、細菌やウイルスを不活性化する。

 公的機関による国際規格準拠の評価試験で、99.99%以上のウイルス不活性化効果が確認され、ヒトコロナウイルスや大腸菌への効果も確認された。

 銅の作用で、紫外線(自然光)や可視光(蛍光灯)が当たらない暗所でも抗菌・抗ウイルス効果を継続的に発揮する。スマートフォンやタブレットをはじめ、レジ端末、ATM、エレベーター、医療機器、家電などの各種端末画面や操作ボタンといった人が触れる様々な部位に使え、個人用途に限らず病院や介護施設、飲食店など、衛生的環境が求められる公共の場所へ使用することで、安心・安全な環境の実現に貢献する。今後マーケティング活動を進め、来年3月期中に発売開始する考えだ。

ブリヂストン 乗用車用タイヤのサブスクサービス開始

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2021年4月23日

 ブリヂストンはこのほど、グループ会社ブリヂストンリテールジャパンが乗用車用タイヤのサブスクリプションサービス「モボックス」の提供をコクピット・タイヤ館で開始したと発表した。

 自動車業界はMaaSやCASE化の波が加速し、消費者の生活スタイルや消費スタイルも変化している。これに対応し、「タイヤに安心感と気軽さを」というコンセプトで同サービスを開始した。

 タイヤとメンテナンスを月額定額で利用できるサービスで、専門知識をもったスタッフによる使用用途に合わせたタイヤの提案、組み替え・脱着に加え、パンク補償、定期的な安全点検や各種メンテナンスなど、安心感のあるサービスを提供する。これを通じて、顧客の安心・安全な移動を支え、タイヤを適切に管理し長く利用してもらうことで資源生産性を向上させ、適正空気圧を保つことで燃費悪化を抑制してCO2排出量削減にもつなげていく考えだ。

産総研 即時・持続性ウイルス不活化コーティングを開発

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2021年4月22日

 産業技術総合研究所(産総研)はこのほど、就実大学と共同で即時性と持続性に優れた抗ウイルスコーティングの作製技術を開発した。

 消毒薬クロルヘキシジン(CHX)を含浸させたアルミナ(Al2O3)ナノポーラス膜で、多様な素材表面に質感と強度に優れ、耐久・持続性のある抗ウイルスコーティングを形成する。固体表面のウイルスは低温低湿下では1週間にもわたり感染力を保つため、ウイルスの不活性化は接触感染回避に重要だ。

 エンベロープ型ウイルスに対して界面活性剤による清拭は有効だが、ドアノブや手すり、つり革など公共のものには頻繁には行えず、短時間でのウイルス不活性化とその持続性が求められる。塗布しただけの薬剤は水や油に溶出し、長期間の抗ウイルス効果はない。薬剤を練りこんだ樹脂コーティングも、薬剤が表面に出にくく効果が不十分であり、密着性を落とす場合もある。

 今回、耐久性に優れたナノポーラスセラミックス膜に薬剤を担持・固定化する技術を開発した。強固な密着力と機械強度をもつ厚さ1㎛以上のナノポーラスセラミックス膜を、セラミックス微粒子を金属や樹脂、ガラスなどの基材表面に常温で吹き付け、その衝撃力だけで緻密なセラミックス皮膜を形成する産総研のエアロゾルデポジション法で作製。含侵用薬剤は、水溶液中の帯電状態や親油基の長さ、分子の立体構造などの観点でCHXを選定した。

 ステンレス基板上に作製した抗ウイルスコーティングの抗ウイルス効果を、A型インフルエンザウイルスを使ってISOのウイルス不活性化評価試験で評価した結果、24時間の抗ウイルス活性値は4.5以上、不活性化率は99.997%以上、2時間では各々3.7以上、99.98%以上であった。

 CHXの残留量をラマン散乱分光法で評価した結果、塗布しただけの薬剤は水溶液中の超音波洗浄1分30秒で消失したが、今回のコーティングでは10分後も残存した。乾燥環境でのボール・オン・ディスク試験(摩擦摩耗試験の一種)30分間でも、数分の1程度は残存していた。またコーティング表面の摩擦係数は1前後で、ビロードの様な感触である。

 今後は企業に呼びかけ、早期の実用化を目指す考えだ。

ブルーイノベーション ドローンポートシステム、災害対策を支援

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2021年4月22日

 ブルーイノベーションはこのほど、独自開発した「災害用ドローンポートシステム」の実証実験を大分県日田市で行い、迅速な災害対策を支援できることを確認したと発表した。

災害用ドローンポートシステムを実証
災害用ドローンポートシステムを実証

 同社は、2016年から国土交通省や東京大学と共同で物流用ドローンポートの開発を推進。画像認識による誤差数十センチの高精度着陸が可能なほか、安全に着陸できない場合に自動で離着陸を禁止させる機能を備えている。

 今回、このドローンポートとクラウドを連携させ災害用に応用展開することで、災害発生時の緊急情報の発信と共有、ドローンによる救援物資輸送の自動運航までの一連のオペレーションの統合運用・管理が、同システムつで可能になることを実証した。

災害時にドローンの活躍が期待される
災害時にドローンの活躍が期待される

「災害用ドローンポートシステム」は、災害時情報の発信と関係各所間での共有、それに基づくドローンによる物資輸送の運航を一元運用・管理するもの。災害時、道路遮断などの影響を受けないドローン輸送が必要最小限の体制・人員で実施できるようになり、救援物資輸送の迅速化と作業負担の軽減、ひいては地域住民への速やかな安全安心の提供が可能となる。

 同社は今後も、同システムを活用した災害時支援システムの実証実験を重ね、2022年4月以降の実用化を目指していく。

 

クレハ 「NEWクレラップ」パッケージをリニューアル

2021年4月22日

 クレハはこのほど、「NEWクレラップ」のパッケージをリニューアルし今月上旬から販売を開始した。

 パッケージサイズをさらにコンパクトにし握りやすさを向上させ、より快適に使用できるようパッケージの表記も見直した。サイズは高さと奥行きを現行の44mmから43mmに各々1mmずつ小さくし、小さな手の人や子どもでもさらに握りやすくなった。

 パッケージには、二次元バーコードを印字してラップが巻き戻った時の修復方法や「クレハカット」の説明にアクセスできるようにした。またイラストを加えて、電子レンジでの使い方や、油性食品を電子レンジ加熱する際の注意事項、引き出しシールの使い方を分かり易くした。

 同社は「いちばんうれしいラップになろう。」を基本コンセプトに、消費者の意見を商品づくりにつなげ、「感動品質」を目指して改良を続けている。1960年に日本初の家庭用ラップとして「クレラップ」を発売し、1989年にはV字型の刃「クレハカット」採用などの大幅リニューアルで「NEWクレラップ」に生まれ変わり、2008年には誰もが安心して使えるように、刃を金属からプラスチック素材に変更した。

 また、売上の一部を「乳がんをなくす ほほえみ基金」に寄付することで女性の健康な暮らしをサポートし、「ベルマーク教育助成運動」への協賛でより良い教育環境づくりの支援や災害被災地への援助など、社会貢献活動に役立てている。

AGC ガラス製透明スクリーンが広告投影用車窓に採用

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2021年4月22日

 AGCはこのほど、ガラス製透明スクリーン「グラシーン」がニューステクノロジーとS.RIDEが今年6月開始予定のタクシー車窓モビリティサイネージサービスに採用されたと発表した。

 特殊なスクリーンフィルムを、2枚のガラスで挟み込んだ合わせガラス構造で、映像を投影していない時は透明な窓ガラスだが、投影時はクリアな映像を映し出すことができる。主に商業施設や店舗、ショールームの窓ガラスとして映像演出用途に採用されている。

 今回採用される「THE TOKYO MOBILITY GALLERY Canvas」は、タクシーの空車時間にサイドガラスに広告を投影して新たな情報発信源として活用するもの。自動車用窓ガラスに求められる安全性・耐久性を確保しながら、高コントラストな広告を投影することが可能だ。

 AGCグループは、顧客に「新たな価値・機能」をプラスする製品づくりに取り組んでおり、今後も顧客が満足できる新たな価値をプラスした製品を提供するために、技術革新を進めていく考えだ。

生命科学インスティテュート Muse細胞製品

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2021年4月22日

新型コロナ感染症の肺疾患対象に臨床試験を開始

 生命科学インスティテュート(LSII)は20日、新型コロナウイルス感染症に伴う急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を対象疾患としたMuse(ミューズ)細胞製品「CL2020」の国内臨床試験開始の記者会見を開いた。

記者会見の様子

 同社は三菱ケミカルホールディングスグループの事業会社の1つで、健康・医療ICT、次世代ヘルスケア、創薬ソリューションを担っている。名古屋大学医学部附属病院病院などでの臨床試験を来月から開始し、今年度内の申請、来年度内の承認取得を目指す。

 Muse細胞は

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旭化成メディカル バイオプロセス事業の中国販売会社が営業を開始

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2021年4月22日

 旭化成メディカルは21日、関係会社である旭化成生物工程(上海)=AKBCが、今月1日から中国での営業を開始したと発表した。

ウイルス除去フィルター「プラノバ 」
ウイルス除去フィルター「プラノバ 」

 旭化成メディカルは、バイオ医薬品や血漿分画製剤といった生物学的製剤の製薬プロセスで使用するウイルス除去フィルター「プラノバ」や、装置の製造・販売を中心としたバイオプロセス事業を成長エンジンの1つに位置づけている。1989年に、世界で初めて生物学的製剤からウイルスを除去するために開発された「プラノバ」は、ウイルスろ過業界のリーダーとしての確固たるポジションにある。

 世界的な新型コロナウイルスのパンデミック下、製薬会社での抗コロナ製剤の開発と商業生産化へのニーズが急速に高まるとともに、「プラノバ」の需要が増加。1日も早くワクチンや治療薬が医療現場に届き、人びとの薬へのアクセスを加速させるため、同社は「プラノバ」のグローバルでの供給体制の強化に努めている。

 こうした中、今回、中国事業のさらなる拡大を図るために営業を開始したAKBCでは、在庫管理や受注プロセスの現地化による納期短縮と、中国人民元による決済システムの導入を通じ、中国での物流サービスの向上・供給体制の拡充を図っていく。テクニカルサポート体制についても、中国現地での技術的アドバイスや支援、実践的なトレーニングの提供を通じて、顧客により快適に製品を利用してもらうための環境を強化していく。

 同社は、旭化成グループのヘルスケア関連事業の一員として、世界の人びとの〝いのち〟と〝くらし〟に貢献することを使命とし、生物学的製剤の安全性と生産性向上に貢献するパイオニアであり続ける。

三井化学 韓国・錦湖三井化学でMDI増強、61万tへ

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2021年4月22日

 三井化学は21日、韓国の関係会社、錦湖三井化学(三井化学SKCポリウレタン:50%、錦湖石油化学:50%)の麗水工場で、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)生産設備を増強すると発表した。年産20万t増強し、年産能力は61万tに拡大する。今月に着工し、2023年9月の完工、2024年1月の営業運転開始を予定。投資額は400億円を見込む。

錦湖三井化学 麗水工場
錦湖三井化学 麗水工場

 MDIは、自動車部品、自動車や家具のシートクッション材、住宅や冷蔵庫の断熱材フォーム、弾性繊維や各種接着用原料など、多くの分野で使用されている代表的なポリウレタン主原料。MDIの需要は、地球温暖化抑制のため各国で推進されている住宅建築の断熱性能向上の政策効果や、経済成長に伴う快適性向上要求の高まりにより、年率6%の需要増が見込まれている。

 錦湖三井化学は、弾性繊維や合成皮革などに使用される高機能MDI(モノメリック系)と、断熱材などに使用される汎用MDI(ポリメリック系)を生産・販売する。今回の増強により、断熱材などの需要伸長はもとより、電気自動車(EV)を中心としたNVH(ノイズ・振動・ハーシュネス)制御に使用される高機能MDI需要のさらなる拡大に対応し、MDIのグローバルリーディングカンパニーを目指していく。 

 また、生産設備の増強に併せて、生産工程で発生する副生物を原材料として再利用するリサイクル設備の導入も計画されている。原材料自給率の向上のみならず、工場からの排水量やサプライチェーン全体でのGHG排出量の削減を図る考えだ。三井化学は今後も 成長が見込めるMDI事業の拡大と、一層の高機能化を進めていく。