東レ ラージトウ炭素繊維、メキシコで生産設備を増強

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2021年11月19日

 東レは18日、米国の子会社Zoltek(ミズーリ州セントルイス)でのラージトウ炭素繊維の生産設備増強を決定したと発表した。Zoltekのメキシコ工場の生産設備を現行の年産1万3000tから2万tに増強する計画。設備投資額は約1億3000万USドル(約140億円)で、2023年の生産開始を予定している。

 Zoltekは、ハンガリー工場で年産1万5000tのラージトウ炭素繊維を生産しており、メキシコ工場増強後の生産能力は全体で約3万5000tに拡大する。

 近年、環境負荷が少ない再生可能エネルギーが注目されており、中でも風力発電の新規導入が進んでいる。またブレード(発電翼)には、発電効率向上を目的に、長尺・軽量化要求が強まっており、比重が低く、強度・剛性が高い炭素繊維の使用比率が増加傾向にある。

 こうした状況を背景に、産業用途での要求特性を満たすラージトウ炭素繊維は、今後も中長期的な市場成長が見込まれている。今回、メキシコ工場の生産設備を増強することで、より強固な安定供給体制を確立し、拡大するラージトウ炭素繊維の需要を確実に取り込む構えだ。

 Zoltekは今後も、米国、ハンガリー、メキシコに生産拠点をもつ強みを生かし、風力発電翼用途を中心とするグローバルな需要拡大に対応していく。

東レ 5G通信用の新規透明耐熱フィルムを創出

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2021年11月18日

PPSフィルムを高透明化、早期に実用化を図る

 東レはこのほど、同社が独自に展開する二軸延伸PPS(ポリフェニレンサルファイド)フィルム「トレリナ」について、独自技術で高い透明性を実現した透明耐熱フィルムを創出した。PPSの特長である、耐熱性や難燃性と5G通信に適した誘電特性も保持しており、5G透明アンテナをはじめ、電子部品を中心とした幅広い用途展開が期待される。現在ユーザーへのサンプル提供を始めており、早期実用化を目指して研究・技術開発を進めていく構えだ。

従来のPPSフィルム(左)と開発した高透明PPSフィルム(右)

 超高速通信を実現する5Gは、高周波数帯域の特性上、電波が遠くまで届きにくいことから、多数のアンテナが必要とされる。そのため、視認性や意匠性が良く設置自由度の高い透明アンテナが求められている。現在、軽くて割れない特長から透明回路基板としてPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムや透明PI(ポリイミド)フィルムが使われているが、電気特性の1つである誘電正接が高く、5G通信の信号ロスが大きいことが課題となっていた。

 一方、東レが世界で唯一展開する二軸延伸PPSフィルム「トレリナ」は、

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東レの4-9月期 機能性化成品が好調で増収増益に

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2021年11月10日

 東レは9日、2022年3月期第2四半期(4―9月期)連結業績(IFRS)を発表した。売上収益は前年同期比24%増の1兆630億円、事業利益2.1倍の702億円、営業利益12.5倍の690億円、純利益13.6倍の609億円だった。

 セグメント別に見ると、繊維事業は増収増益。国内外ともに需要の回復が見られた。衣料用途ではスポーツ・アウトドア用途が好調に推移し、産業用途では自動車関連用途で数量を伸ばした。

 機能化成品事業は

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東レ ナノ微細突起ポリエステルフィルムを創出

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2021年11月1日

平滑性と取扱性を両立、先端デバイスなどに展開

 東レはこのほど、二軸延伸ポリエステルフィルム「ルミラー」について、独自の二軸延伸技術と特殊処理を組み合わせ、滑剤粒子を用いることなくフィルム表面にナノオーダーの微細な突起を高密度に形成する革新技術を開発した。これにより、フィルムの平滑性とハンドリング性(取扱性)を両立している。

ナノ微細突起ポリエステルフィルム表面

 同開発品は、微細化がますます進む半導体や電子部品用の機能性フィルム、それらの製造工程フィルムなどを中心に、幅広い用途への展開が期待される。既に

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東レ ハンガリーのセパレータ子会社、LG化学が出資へ

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2021年10月29日

 東レはこのほど、LG化学との間で、東レ100%子会社であるハンガリーのLIB用バッテリーセパレータフィルム製造・販売会社THUに対して、LG化学が新たに3億7500万ドル(約430億円)を出資し、THUを存続会社とした折半出資の合弁会社LTHSを設立することに合意したと発表した。

 合弁会社は現THUの現有設備でセパレータフィルムを製造し、LGグループの欧米拠点向けに販売する。また、今後の需要拡大に備え、現THU敷地内においてフィルム基材の製膜設備の増強と、コーティング加工設備の新規導入を進めていくことに加え、合弁会社設立から2年半経過後に東レ持分の20%をLG化学に譲渡し、以降はLG化学が経営・事業の主体を担うことにも合意した。

 セパレータフィルムにおいて、LG化学はコーティング技術、東レはフィルム基材の製膜技術に強みをもち、これまでグローバルに製品を供給してきた。

 合弁会社では、LG化学、東レからそれぞれが保有するLGグループのセパレータ製造に必要な技術のライセンスを供与。両社の強みを生かしてシナジーを発揮することで、大幅な成長が見込まれる車載用途に向けて高品位なセパレータフィルムを製造する。また、LGグループの電池素材から電池製造まで一貫の垂直事業モデルのもとで安定的な販売先を確保し、事業拡大を進める。

 なお、東レグループが日本・韓国にもつ各セパレータフィルム関連拠点(製膜とコーティング加工)については従来通り、東レグループが開発・生産・供給を継続し、顧客ニーズに応じた製品を提供していく。

東レ 感光性導電材、低抵抗化・低反射化技術開発

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2021年10月21日

シート抵抗が8分の1、次世代デバイスへも展開

 東レは20日、感光性導電材料「RAYBRID(レイブリッド)」について、シート抵抗を従来比8分の1に低減する低抵抗技術、および配線黒化プロセス構築による低反射化技術を開発したと発表した。同技術を用いた開発品は、

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東レ 軟包装印刷用水なし平版開発、環境に貢献

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2021年10月14日

独自技術で高精細と低コスト実現、採用拡大図る

「IMPRIMA FR」を使用した軟包装材

 東レは12日、新たに軟包装EB(電子線)オフセット印刷用に特化した水なし平版「IMPRIMA FR」を開発し、10月に上市すると発表した。同社は、コンバーター、インキメーカー、印刷機械メーカーとの連携を強化し、軟包装水なしEBオフセット印刷のトータルソリューションを提案することで、今年度中の実用化を目指していく考えだ。

 食品包装に使用されるフィルムの印刷には、グラビアやフレキソが採用されるケースが多い。しかし、

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東レ サウジの海水淡水化プラント向けにRO膜を受注

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2021年10月12日

 東レはこのほど、サウジアラビア王国のラービグ3海水淡水化プラント向けに、逆浸透(RO)膜を受注したと発表した。

 ラービグ3海水淡水化プラントは、日量60万㎥の造水量を誇り、RO膜法としては同国最大であり、世界でも上位に入る大規模プラント。製品ならびに技術サービスの提供は、東レグループ現地子会社TMMEが担う。

 東レは、TMMEを基盤とした現地サービス強化を実現するため、現地生産や始運転支援に加え、必要に応じて返送点検サービスも提供することで、日本のエネルギー安定供給を支える世界の水不足解決に貢献していく。

 アラビア湾岸諸国では、人口増加を背景とした旺盛なインフラ投資が行われ、特に多くの飲料水確保のための海水淡水化プラントの建設計画が進行。近年は、環境意識やコスト削減意識の高まりに伴い、従来の蒸発法よりもエネルギー消費量の少ない逆浸透を利用するRO海水淡水化プラントの需要が拡大している。今回の受注は、同社の中東での10年以上にわたる堅実な実績や、安定運転に必要な技術支援が高く評価され実現した。

 東レは、長年にわたり、RO膜の販売、生産、技術サポートを通じて、世界規模での水問題の解決を支援してきた。同社のRO膜は海水淡水化をはじめ、下水浄化、工業用途など幅広い用途に展開している。これまでの累積出荷量は生産水量ベースで同9140万㎥を超え、生活用水換算で6.4億人相当(世界人口の約8%)の需要をまかなえる量に相当するまでに拡大した。

東レとシーメンス グリーン水素の製造開発で提携

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2021年9月8日

電解装置を低コスト化、グローバル展開を視野に

東レ 日覺昭廣社長

 東レとシーメンス・エナジー(ドイツ)は6日、革新的なPEM(固体高分子)型水電解によるグリーン水素製造技術の創出に向け、「戦略的パートナーシップ」を構築すると発表した。両社は今後、飛躍的に拡大が予想される世界市場獲得に向けて、両社の水素・燃料電池関連技術や事業、グローバルネットワークを生かして、世界各国・地域の顧客に最適なソリューションを提供し、再生可能エネルギー由来のグリーン水素の導入拡大やグローバル事業の展開を共同で推進していく。

 両社はグリーン水素を、大規模発電などの電力用途のみならず、

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山梨県など9者 大規模P2Gシステムの実証開始

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2021年9月2日

NEDOグリーンイノベーション基金事業に採択

 山梨県、東レ、東京電力ホールディングス、東京電力エナジーパートナー、日立造船、シーメンス・エナジー、加地テック、三浦工業、ニチコンは1日、コンソーシアム「やまなし・ハイドロジェン・エネルギー・ソサエティ(H2-YES)」を構成し、大規模P2G(Power to Gas)システムによるエネルギー需要転換・利用技術開発に係る事業を開始すると発表した。なお、同プロジェクトは、グリーンイノベーション基金事業における新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業の採択を受けている。

 同日オンラインで開催した共同記者会見の中で、山梨県の長崎幸太郎知事は「再生可能エネルギー導入拡大と、GHG(温室効果ガス)削減は人類共通の課題であり、化石燃料からの脱却が必要だ。山梨県、東レ、東電はこれまで、米倉山(こめくらやま、甲府市)において再エネでグリーン水素を製造するP2Gシステムの開発を進め、基盤技術を確立してきた。しかし

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