BASF 自動車構造部品のPA化で音振軽減と重量半減

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2021年7月19日

 BASFはこのほど、OEM向け自動車部品の国際的サプライヤーMAHLE社(ドイツ)が「Ultramid」(ポリアミド、PA)で作られたプラスチック製トランスミッションサポートブラケットを上市したと発表した。

 「Ultramid A 3 WG 10」はシャーシおよび構造部品に最適化されたフィラー高充填PAで、機械的特性が優れているため構造部品をすべて金属から置き換えることができ、重量は50%削減される。また、減衰性にも優れているため、部品のNVH(騒音、振動、不快感)を低減し乗り心地も向上する。さらに、射出成形することで、製造工程が簡略化されるとしている。BASF独自のシミュレーション技術「Ultrasim」によりMAHLE社をサポートし、開発工程を短縮できた。

 今回、MAHLE韓国はトランスミッション用の樹脂ブラケットを初めて立ち上げ、国内外に供給。構造部品の樹脂化が市場参入のきっかけとなったとしている。

ENEOS 油槽所跡地など3カ所にメガソーラー建設へ

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2021年7月19日

 ENEOSはこのほど、熊本県八代市、香川県高松市、新潟県新潟市の全国3カ所でメガソーラー発電所の建設を開始すると発表した。いずれも同社油槽所跡地や事業所内遊休地へ、発電容量約0.9㎿~約18.0㎿の設備を建設し、今年12月から2025年6月の送電開始を予定する。

 ENEOSの自社遊休地を活用したメガソーラー発電所は、同社の再生可能エネルギー発電所の主力を占めており、直近では今年3月、富山県高岡市の伏木油槽所跡を活用した「伏木メガソーラー発電所」(約0.7㎿)の送電を開始した。今回建設を予定している3カ所も、それぞれ油槽所跡地もしくは遊休地を利用するものになる。

 各発電所の概要は、「八代メガソーラー発電所」は八代油槽所跡地(約9000㎡)に建設、発電容量は約0.9㎿で今年12月の送電開始を予定する。「高松第2メガソーラー発電所」は高松油槽所跡地(約1万4000㎡)に整備し、約1.5㎿の設備で来年3月の送電開始を予定。「新潟第1メガソーラー発電所」は新潟事業所内の遊休地(約25万7000㎡)に建設し、約18.0㎿の規模で2025年6月の送電開始を予定する。ENEOSの発電設備は、新規整備の3カ所を含め全国で24ヵ所となり、総発電容量は約69㎿になる見込み。

ロシュ アクテムラがコロナ入院患者への使用許可を取得

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2021年7月19日

 ロシュはこのほど、米国食品医薬品局(FDA)が、コルチコステロイドの全身投与を受けており、酸素補給、人工呼吸、またはECMO(人工心肺装置)を必要とする入院中の成人と小児(2歳以上)のコロナ治療薬として、「アクテムラ」(トシリズマブ)静注製剤に対し緊急使用許可(EUA)を発行したと発表した。今回のEUAは、4つのランダム化比較試験でのコロナ入院患者、計5500例以上の成績に基づいている。

 これらの試験成績から、「アクテムラ」は、酸素補給または呼吸補助を必要とするコルチコステロイド投与中の患者の転帰を改善する可能性があることが示唆されている。4つのランダム化比較試験のうち、リカバリー試験(アクテムラパート)はイギリスの研究者らが主導し、コロナによる入院患者4000例以上を対象としている。ロシュ社主導の国際共同試験には、プラセボ対照のCOVACTA試験、EMPACTA試験およびREMDACTA試験が含まれる。これらの試験のいずれにおいても、「アクテムラ」に対する新たな安全性シグナルは認められなかった。主な副作用(発現率3%以上)には、便秘、不安、下痢、不眠、高血圧、悪心などがある。

 

ダイセル 「ウロリチンA」の遺伝子発現増強効果を確認

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2021年7月19日

 ダイセルは16日、ザクロ果皮由来エラグ酸の腸内代謝物「ウロリチンA」を用いて、九州大学と共同研究を行った結果、「ウロリチンA」のサーチュイン遺伝子(長寿遺伝子)の発現増強効果を確認し、またウロリチンA類縁体のイソウロリチンAとウロリチンBについても発酵法による製法開発に成功したと発表した。なお同社は、世界で初めて発酵法による「ウロリチンA」の製法開発に成功。機能性食品素材「ウロリッチ」として、今年5月から主にサプリメントメーカーなどに販売している。

ザクロ抽出物の腸内代謝物「ウロリチンA」
ザクロ抽出物の腸内代謝物「ウロリチンA」

 ザクロは古くから様々な健康効果が期待できるスーパーフルーツとして重宝され、現代でも食品や飲料に使用されている。この健康効果は、ザクロに含まれるプニカラジンなどのエラジタンニンやその加水分解物であるエラグ酸などの主要ポリフェノールによるものと考えられ、抗ウイルス、抗酸化活性などが報告されている。

 しかし、エラグ酸などはそのまま摂取しても、特定の腸内細菌の有無によっては健康効果を発揮しないこともあるため、同社はポリフェノールの腸内代謝物であるウロリチン類に注目してきた。今回の研究では、これまでの研究成果を発展させ、エラグ酸から特定のウロリチン類を選択的に発酵生産する方法を見出だし、またウロリチンAの機能性を明らかにした。

 同社は今後、さらなる研究を進め、ウロリチンAのヒトへの健康効果に関するエビデンス取得を推進。安全性、信頼性の高い製品製造を継続的かつ安定的に供給することによって、ウロリチンAが人々の健康維持、増進に貢献できるよう努めていく。また、新たな健康効果が期待できるウロリチンBとイソウロリチンAについても機能性の研究と生産の検討を進め、人々に健康課題の解決策を提供していく考えだ。

中外製薬 難病NMOSDを啓発、ショートフィルムを制作

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2021年7月16日

 中外製薬はこのほど、指定難病のNMOSD(視神経脊髄炎スペクトラム障害)の啓発を目的としたショートフィルム「あの子を連れて旅に出たら、わからないことをわかりたくなった話」の制作記者発表会を開催した。

NMOSDを啓発するショートフィルムを制作
NMOSDを啓発するショートフィルムを制作

 NMOSDは目が見えなくなり手足のしびれが出る病気で、患者の9割が女性であり、平成25年の報告では日本における患者数は約4300人とされる指定難病。これまでNMOSDに対して承認された治療薬はなかったが、疾患に対する研究が進み、近年、NMOSDに対する治療薬が開発された。これにより、医療現場で疾患への認知が進み、患者の早期発見・早期治療に繋がることが期待されている。

 こうした中、同社は、医療の進歩に加え、より多くの方々に病気についての理解を得ることが、患者のより良い社会生活につながることから、この病気の特徴や患者の状況を知ってもうらため、ショートフィルムの制作を決定。共同制作に、〝共感を生むストーリーと拡散性〟に強みをもつスマートコンテンツスタジオのワンメディアを迎え、家族の愛を通してNMOSDについて知ることができるような作品を目指して制作を進めており、7月中旬にYouTube上で公開を予定している。

 なお、今回の企画は、同社が実施する希少疾患領域における患者中心・社会課題解決支援活動プロジェクト「SPOTLIGHT」の一部として実施。同プロジェクトは、「患者中心の高度かつ持続可能な医療の実現」に向けたさまざまな取り組みをステークホルダーと広く共有し、希少疾患を取り巻く社会課題の解決の一助となることを目指している。

DICなど 速硬化炭素繊維強化プリプレグシートを開発

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2021年7月16日

 DIC、セーレン、福井県工業技術センターは15日、世界最速硬化・常温保管を実現した「速硬化炭素繊維強化プリプレグシート」を開発したと発表した。今回、量産プロセスを構築し、セーレンにおいて稼働させた実証機を用いたシートサンプルの提供を7月から開始する。なお、今回のプロジェクトは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の採択テーマ「自動車搭載炭素繊維複合材料用高速硬化プリプレグの実用化開発」(2018年7月~2021年6月)において実施された。

新型炭素繊維強化プリプレグシート
新型炭素繊維強化プリプレグシート

 炭素繊維強化プリプレグシートは、炭素繊維の束を広げて樹脂を含浸させたシート状の中間材料。軽量で強度が高く、低燃費・軽量化のニーズが高まる航空機や宇宙船、自動車向けに用途が広がっており、今後さらに拡大すると見込まれている。一方、一般的にプリプレグシートを含めた炭素繊維複合材料(CFRP)の成形加工は時間を要するため、CFRPのさらなる普及には、成形時間を短縮する技術が求められている。

新型炭素繊維強化プリプレグシート加⼯実証機

 今回の開発では、DICが強みをもつ高分子設計テクノロジーを生かした「高速硬化樹脂(最短30秒以下で硬化するラジカル硬化樹脂)」の設計技術と、福井県工業技術センターが保有する繊維束を高速に薄く広げる「空気開繊技術」、セーレンが保有する樹脂成膜・塗工技術を生かした「高精度含浸技術」を組み合わせることで、最短30秒という世界最速レベルの硬化時間のプリプレグシートを実現。また、一般的なエポキシ系のプリプレグシートは、保管時に冷凍・冷蔵倉庫などが必要となるが、同開発品は常温保管が可能で、シート保管の設備と管理の負担も軽減することができる。

 DICとセーレンは、開発した新型プリプレグシートで、自動車分野をはじめ、幅広い産業への展開を検討している。今後、さらなるCFRPの生産性向上により、その普及を促進し、軽量化による低燃費化、省エネルギー化に貢献していく。

 

出光興産 石炭とバイオの混焼率、最適化するシステムを開発

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2021年7月16日

 出光興産は15日、同社と日本郵船グループが出資する郵船出光グリーンソリューションズが、石炭ボイラーにおけるバイオマス燃料の最適な混焼率を算出するシステム「BAIOMIX(バイオミックス)」を開発し、8月に販売開始すると発表した。なお、郵船出光グリーンソリューソンズが販売するボイラー制御最適化システム「ULTY-V plus」へ同システムを搭載することで、石炭ボイラーでのバイオマス混焼を最適に自動制御することが可能となる。

 昨今、低炭素社会の実現を目指し、バイオマス燃料を石炭の代替とする動きが加速している。しかし、バイオマス燃料は石炭に比べ粉砕性や発熱量が劣るため、大型の微粉炭ボイラーでは使用量が制限されているのが実情。出光興産は、石炭火力発電所でのバイオマス混焼を拡大するため、粉砕性や発熱量などに優れ、石炭とほぼ同様に取り扱うことが可能な半炭化した木質ペレット「ブラックペレット」の開発を行っており、既存の石炭火力発電設備を利用したCO2の低減に取り組んでいる。

 こうした中、今回開発した同システムは、「ブラックペレット」をはじめとしたバイオマス混焼による、機器や発電効率への影響・経済的負担を算定し、過去の混焼率データからAIが最適な混焼率を算出する。なお、石炭とバイオマス燃料を既存設備で混合してから燃焼する方式に加え、バイオマス燃料を専用ラインから投入し石炭と炉内混焼する方式など、さまざまな燃焼方式にも利用できる。

 出光興産はエネルギーの安定供給とともに、地球環境をはじめとする社会課題の解決に貢献するため、2030年ビジョンとして「責任ある変革者」を掲げる。両社は、これからも顧客の声に耳を傾け、低炭素社会の実現に向けた製品づくりに努めていく。

三菱ケミカル 高い成形加工性をもつCMC材料を開発

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2021年7月16日

 三菱ケミカルは15日、軽量性や剛性と成形加工性を兼ね備えた セラミックマトリックスコンポジット(CMC)材料を開発したと発表した。

CMC 材料を使用した部材の例
CMC 材料を使用した部材の例

 環境負荷低減のための軽量化が求められるモビリティ用途や、軽量化に加えて工程効率化への対応を求められる産業機械用途などでは、軽さと強度を兼ね備える炭素繊維関連部材の採用が進んでいる。一方、耐熱性が必要となる部材では、加工性やコスト面での課題から十分に普及しているとはいえず、主に比較的高価なセラミック材が使用されている状況にある。

 炭素繊維と金属材料を組み合わせた同社のCMC材料は、高剛性、高耐熱性、高熱伝導性、軽量性、耐摩耗性、低発塵性といった特長をもち、モビリティのブレーキ材料や産業機械部品として使用されてきた。今回の開発品は、これらCMC材料の特長を保持したまま、高い成形加工性と、それに伴う低コスト化を実現。すでに複数の顧客へのサンプルワークを進めており、今後は従来の用途に加え、産業機械などのブレーキ材料、耐熱部材といった新たな用途の開拓を目指す。

 同社は、多様化・高度化する顧客の要望に応える複数の炭素繊維関連の 新製品開発を進めており、今後も引き続き、最適なソリューションをタイムリーに提供することで、積極的に事業を展開していく。

CMC 物性比較
CMC 物性比較

NEDO 産業用物質のバイオ生産システム、実証に着手

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2021年7月15日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、産業・社会に有用な物質のバイオ生産システム(産業用物質生産システム)の有効性を実証する14件の研究開発を採択した。

 植物や微生物などの生物を用いて物質を生産する技術(バイオものづくり)は、従来の化学プロセスに比べ、省エネルギーであるとともに、バイオマスからの物質生産も可能であるため、炭素循環型社会実現・持続的経済成長に導くものづくりへの変革が期待できる。しかし、現状の技術ではコストに見合わないため、民間企業での研究開発や投資が促進されにくい状況にある。

 こうした中、NEDOは、バイオ資源の活用を促進する各種技術や従来法にとらわれない次世代生産プロセスの開発に取り組み、バイオものづくり産業の基盤を創出するとともに、産業用物質生産システムの実証を通じてバイオ由来製品の創出を加速させることを目的に「カーボンリサイクル実現を加速するバイオ由来製品生産技術の開発」を昨年度から推進。

 今年度は「産業用物質生産システムを実証」の研究開発を支援するための公募を行い、今回14件のテーマを採択・着手した。例えば、植物由来微量成分を発酵生産に転換する技術として、野生植物カンゾウ由来の微量成分グリチルレチン酸を微生物発酵によって生産する技術を開発し、安価な新規生産方法開発を実施するテーマ(住友化学、大阪大学)に取り組む。

 また、化石資源由来製品をバイオ由来に転換する技術開発として、ポリアミドを100%植物原料に置き換えることを目指し、ポリアミドの原料となる化合物の獲得を微生物発酵による生産に転換し、工業化に向けて単離精製技術やスケールアップ検討などを実施するテーマ(東レ)、ポリプロピレン原料のバイオ化を目指し、バイオイソプロパノールを高効率に生産する微生物の取得と発酵生産プロセスのスケールアップ検討などによりCO2削減を実現するプロセス開発を実施するテーマ(グリーン・アース・インスティテュート)などに取り組む。

 目的物質の生産性向上を狙うとともに量産化を見据えた生産プロセスの最適化などの研究開発を行い、バイオで実現できる高付加価値機能の創出や、化石資源を含む天然資源への依存低減などにつながるバイオ由来製品の実用化を加速させる。これらの取り組みにより、バイオ由来製品の社会実装加速や新たな製品・サービスの創出を後押しすることでバイオ産業の裾野拡大や炭素循環型社会の実現を目指す。

 

SABIC プラ活用のEVバッテリーコンセプトを発表

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2021年7月15日

 SABICはこのほど、熱可塑性プラスチックを活用したEVバッテリー・パックのコンセプトをシステム工学アプローチにより開発した。

 柔軟な設計、性能や安全性の向上、コスト削減など自動車業界で求められる重要ニーズに対する軽量プラスチックの可能性を示すもの。ガラス繊維30%充填の難燃性(FR)ポリプロピレン(PP)コンパウンド「STAMAX」FRロング・グラス・ファイバーPP素材と金属とのハイブリッド構造に特徴があり、金属素材を使用した通常のバッテリー・パックと比べ、30~50%の部品軽量化、エネルギー密度の向上、部品点数の削減と組み立てプロセスの簡素化によるコスト削減、設計の自由度、熱制御、安全性、耐衝撃性などが向上する。

 薄肉ハウジング内のパウチ・セルに個々のバッテリーを統合、熱可塑性プラスチックによる二重壁構造とリブ型パターンによる軽量化と構造要件への適合、そしてプラスチック素材の熱伝導率の異方性により熱管理性能を最適化する。また、筐体やカバーに「STAMAX」を使用することで難燃性UL94 V-0を達成し、電磁・高周波干渉遮蔽用カバーに金属を被覆できる。「STAMAX」と金属とのハイブリッッド構造へ統合することで熱伝導の最適化、落下テストへの適合、サイド・フレーム部材での大衝撃エネルギーの吸収が可能になる。

 同社はチーフ・エンジニア、特別研究員、シニア・サイエンティストからなる技術チームを結成。OEMから工作機械メーカー、試験機関にいたるバリューチェーン全体にわたり継続的に協力し、早ければ2024年には、熱可塑性プラスチックで成形された複数の大型バッテリー筐体が量産型EVに採用されると予測している。EVの要件を満たす新素材の開発に加え、大型部品の製造・接合・組み立て、耐衝撃性、バッテリーの熱管理、難燃性、電気特性、性能試験などに向けたテクノロジーの実現に取り組んでいく。