帝人ファーマ 中国で高尿酸血症・痛風治療剤の販売開始

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2019年3月5日

 帝人ファーマは4日、自社創製した高尿酸血症・痛風治療剤「フェブキソスタット」の中国での販売を開始したと発表した。日本での販売名は「フェブリク錠10mg、20 mg、40 mg」。昨年9月に輸入薬品承認を取得していた。

 中国では、近年の経済発展に伴う生活スタイルや食生活の変化により、国民の高尿酸血症罹患率が年々上昇している。現在の患者数は、代謝性疾患としては糖尿病に次ぐ約1億8000万人に達しており、それに伴い痛風患者数も約1500万人まで増加したと推定されている。

 こうした状況の中、世界第2位の医薬品市場であり、新規高尿酸血症治療剤に対するニーズが高まっている中国での「フェブキソスタット」上市に向け、同社は2010年からアステラス製薬(中国)と取り組みを続けていた。帝人ファーマは「フェブキソスタット」をグローバル戦略製品と位置づけ、すでに77カ国(2019年1月現在)で販売している。

 今後はアステラス製薬(中国)との連携により、中国市場での普及を図るとともに、さらなるグローバル展開に注力し、世界の痛風患者のQOL向上に貢献していく。

理化学研究所 体内時計を安定化する新しい仕組みを発見

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2019年3月1日

 理化学研究所(理研)はこのほど、数理創造プログラムの研究チームが、「体内時計」が温度によらず約24時間周期で時を刻むメカニズムには、生体分子の振動波形のひずみが重要であることを発見した。

 同研究の成果は、これまでの体内時計の研究にはない新しい着眼点。今後、生体分子の時系列波形についての高精度な測定による実験検証が行われれば、波形の解析による体内時計の詳細なメカニズムの解明につながると期待される。

 地球上の多くの生物は、地球環境の1日の変化に適応するために、約24時間周期の体内時計を持っている。生物の体内時計は、化学反応のネットワークによって構成。一般に、温度が高くなるほど化学反応は速く進むが、体内時計の周期は温度によらず約24時間でほとんど変わらない。この性質は、「体内時計の温度補償性」と呼ばれている。

 今回、研究チームは、体内時計の数理モデルを解析し、化学反応の速さと体内時計の周期との関係式を導き出した。その結果、温度が高くなっても周期が安定であるためには、温度が高くなるとともに生体分子の振動波形がサイン波よりひずむことが必要であると分かった。

 体内時計の数理モデルを含む多くの振動系について、波形のひずみが周期を長くする仕組みはまだよく分かっていない。非線形振動系において波形に着目した研究は少なく、同研究は理論的な観点からも大きく発展していく可能性がある。

 

帝人フロンティア タイのポリエステル工場でCO2排出量を削減

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2019年3月1日

 帝人フロンティアのグループ会社で、タイでポリエステル繊維の製造販売を手がけるテイジン(タイランド)社(TJT)は、CO2排出削減に取り組む。ポリエステル繊維の工場内に、環境配慮型のガスコジェネレーションシステムを導入することで、年間約2万tを削減する。これはタイの約5000人の年間CO2排出量に相当する。6月から同システムの導入工事を開始し、来年7月に運用を開始する予定。

 今回導入するガスコジェネレーションシステムは、関西電力のタイ現地法人である関西エナジーソリューションズタイランド社が提供する。天然ガスを使い、発電廃熱を再利用することで、CO2排出量の削減や省エネルギー化が可能となる。同システムの導入にあたっては、関西電力が2国間クレジット制度を活用し、低CO2排出型小規模自家発電機と吸収式冷凍機を、TJT敷地内に設置することになる。

 帝人フロンティアグループでは「帝人グループ地球環境憲章」と「帝人グループ地球環境行動目標」に則って、CO2や化学物質の排出量削減などに取り組んでおり、これからも地球環境保全に貢献していく。

日揮など ゼオライト膜でCO2分離・回収プロセスの実証試験

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2019年2月27日

 日揮はこのほど、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)と共同で、ゼオライト膜によるCO2分離・回収の実証試験を2月1日より開始したと発表した。今回の実証試験は、日本ガイシと日揮が共同開発を進めてきたDDR型ゼオライト膜を用いたプロセスであり、原油随伴ガスの用途では世界初の適用となる。

 実証試験では、DDR型ゼオライト膜の大型エレメント(直径180mm×長さ1000mm)を用いた性能実証を行うことで、各用途への有効性を確認することが目的。同プロセスに適用されるDDR型ゼオライト膜は、高度な製膜技術を有する日本ガイシにより開発製造され、研究施設における試験では、優れたCO2分離性能と、高圧環境下での高い耐久性が確認されている。

 適用対象として、①原油生産時の随伴ガスからのCO2分離・回収②天然ガス精製時のCO2除去の2つの用途を想定。①では、CCUS(二酸化炭素の回収・利用・貯留)の代表例であるCO2‐EOR(二酸化炭素原油増進回収法)において、導入コストが低く消費エネルギーが少ない高分子膜法が採用されているが、高分子膜の劣化が著しく交換コストの負担が大きいことが問題。ゼオライト膜は、高い耐久性を示しており、随伴ガスからのCO2分離・回収時の運転コストを低減し、CO2‐EORの拡大に貢献できる。

 ②では化学吸収法が採用されているが、対象ガスのCO2濃度が高まるにつれ吸収溶剤の使用量が増え、溶剤再生に伴う消費エネルギーが増大。その結果、コスト増が高濃度CO2含有ガス田の開発に際して問題となる。ゼオライト膜を用いたプロセスを化学吸収法の前段に用いることで、コスト低減を実現し、これまで開発が進まなかったガス田の開発に繋げられる見込みだ。

 世界のエネルギー需要は増大し続けており、エネルギー利用効率の向上や再生可能エネルギーの利用拡大が積極的に進められている。だが向こう数10年間は、化石燃料に一定の役割が求められ続ける。こうした中、原油増産とCO2の地下貯留、ならびに天然ガスの利用拡大の両立に寄与する同プロセスの開発は、エネルギー供給の拡大と地球温暖化対策の両面において、大きな社会価値がある。

 今後も同社は、DDR型ゼオライト膜を用いたCO2分離・回収プロセスの実用化と積極的な提案を通じ、天然ガス・LNGの利用促進と、CCUSの拡大に貢献していく考えだ。

 

 

東レ 微細孔径と高透水性を両立した高性能UF膜を開発

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2019年2月26日

 東レは25日、さまざまな分野で水処理に用いられるポリフッ化ビニリデン(PVDF)製限外ろ過(UF)膜について、微細分離性と高透水性を兼ね備えた新たなUF膜を開発したと発表した。

 同日開催された記者会見において、地球環境研究所の花川正行主任研究員は、「これまで中空糸膜については、孔径微細化と高透水性を両立することが課題だった。当社が長年培った計算化学によるシミュレーションと大型放射光施設の観察結果を総合的に分析することにより、

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豊田通商 世界初の液晶調光フィルム技術を持つベンチャーに出資

2019年2月25日

 豊田通商はこのほど、高機能液晶調光フィルムの開発、製造、販売を行う九州ナノテック光学の株式を、大分ベンチャーキャピタルから取得すると発表した。第三者割当増資を引き受け、同社に35.28%出資し、豊田通商から3人の取締役を派遣した。

 九州ナノテック光学は、これまで国や大分県からの支援を受け、世界で初となるリバースモードフィルムの量産化技術をはじめとするさまざまな液晶調光フィルムの研究開発に注力。他社にない機能として、液晶調合から製造に至るまでの研究・開発リソースを保有しており、顧客のニーズに合わせた液晶材料の開発と構成材料の選定を行っている。

 クリアな視界の確保や、高温環境下での性能向上を図り自動車向けにも対応した高機能液晶調光フィルムの開発を進め、また、経済産業省の2018年度の戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)にも認定されている。

 今後さらなる機能向上や用途開発を推進することで、自動車・新幹線といった輸送機器や建築用途など、2020年には1500億円に拡大が見込まれている調光市場への展開を目指している。

 高機能液晶調光フィルムは、会議室や商業施設などすでにさまざまなところで使用され需要が高まっている。また、CASEと呼ばれる自動運転や電動化などの新技術、MaaSといった新たな移動サービスの台頭により、車内空間に対する考え方も変化していくことが考えられ自動車への活用も期待できる。

 豊田通商は、自動車の活用の変化に伴う需要を見据え、自動車部品に関するノウハウや量産体制の構築を支援していく。さらに、デジタルサイネージなどのディスプレイ関連分野への応用や、新たな活用方法の開拓を行い、同フィルムの社会実装を目指す。

 

昭和電工 次世代記録技術対応のHDメディアの出荷を開始

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2019年2月22日

 昭和電工は21日、ハードディスクドライブ(HDD)の次世代記録技術であるマイクロ波アシスト磁気記録(MAMR)に対応した3.5インチの次世代HDメディアを開発し、今年中に発売を開始すると発表した。

  同製品は、同社の新技術で開発したアルミ基板製の、1枚当たり2テラバイト(TB)の高容量をもつメディア。従来型磁気記録(CMR)方式では第10世代となる。1TBは1000ギガバイト(GB)。ちなみに同社では、3.5インチHDの容量を、160GBが第1世代、1TBが第6世代、1.5~1.8TBが第9世代などと区分している。

 同製品はこのたび、東芝デバイス&ストレージが、2019年度中にサンプル出荷を開始するニアライン向けHDDに採用された。次世代記録技術MAMRを使用したHDDは、業界最大記憶容量(2019年2月11日現在)の18TBを実現したもの。

 クラウドサービスの普及や動画コンテンツ、画像共有サイトなどの急拡大により、データを保管するデータセンターではより大容量のHDDが求められている。

 〝ベスト・イン・クラス〟をモットーに、同社は今後もMAMR、熱アシスト磁気記録(HAMR)などの、新世代記録技術に対応した世界最高クラスの製品をいち早く市場に投入していく。世界最大のメディア専業メーカーとして、HDDのさらなる高容量化を図る。

 

積水化学 PV・EVなど連携する新機能を開発、戸建て住宅に展開

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2019年2月21日

 積水化学工業住宅カンパニーは、スマートハウスをより普及させるため、太陽光発電システム(PV)と蓄電池、電気自動車(EV)を組み合わせた新機能を「スマートハイムTB」シリーズとして製品化した。PVと蓄電池、EVを接続するV2H(Vehicle to Home)スタンドの3機器を、1つのシステムとして連携するトライブリッドパワコンを標準採用し、暮らしに合わせた電気の使い方を提案する。

「スマートハイムTB」シリーズを採用したスマートパワーステーションFR の外観
「スマートハイムTB」シリーズを採用したスマートパワーステーションFR の外観

 同社では2014年に業界で初めてEVとPVが系統連携した住宅「VtoHeim」を発売した。昨年4月から順次、トライブリッドパワコンを採用した新機能を開発。新たに「スマートハイムTB」を開発したことで、従来品とともに「スマートハイムTB」シリーズとし、北海道・沖縄と離島地域を除く全国で、23日から戸建て商品に展開することにした。

 「スマートハイムTB」はトライブリッドパワコンとPVで構成している。EVを保有していない新築時に、2つの機器だけを設置することで、初期費用を抑えることができる。EVを購入した際には、リフォームでV2Hスタンドを増設でき、自宅でも屋外コンセント(200V)の約2倍速での充電が可能になる。

トライブリッドパワコン
トライブリッドパワコン

 従来品のうち、「スマートハイムVtoHeim TB」はトライブリッドパワコン・PV・V2Hスタンドで構成。EVを買い物や送迎、週末に利用する家庭向きで、EVが家にある時は蓄電システムとして使用できる。災害時にはPVからEVへの充電、EVから家庭内への給電が可能だ。

 「スマートハイムPlus TB」はトライブリッドパワコン・PV・蓄電池から成る。蓄電池を設置することで、自然災害などによる停電時にも、生活に必要な最低限の電力を確保することができる。蓄電池は暮らし方や家族構成に合わせ、4kWhと8kWhの2つの容量から選べる。EVを購入した際には、リフォームでV2Hスタンドを増設できる。

 「スマートハイムVtoHeimPlus TB」は、トライブリッドパワコン・PV・蓄電池・V2Hスタンドで構成されている。日常は電力会社からの電力購入を減らせて経済的。通勤などで日中、EVの不在時に停電が発生しても、蓄電池があるので電気を使うことができる。長期の停電でも蓄電池に加えEVの蓄電システムから給電できるため、消費電力が多い二世帯住宅でも安心だ。4パターンのいずれも1つのリモコンで操作が行えるので、増設時や停電時も容易に機能を使いこなすことができる。年間の販売目標は1000台。

 同社では「バリエーションを拡充することで、多様な家族構成や暮らし方に対応していきたい」と話している。

 

 

 

三井化学アグロ 防除剤に新規殺虫剤を混合で生産性向上

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2019年2月20日

 三井化学アグロはこのほど、自社開発の新規いもち病防除剤「トルプロカルブ」を有効成分とする水稲育苗箱用の殺虫殺菌剤に、重要害虫のウンカ類に卓効を示す新規殺虫剤「ピラキサルト」との混合剤をラインナップに加え、今年2月以降、販売を開始すると発表した。

 「トルプロカルブ」と「ピラキサルト」の混合剤は、新しい作用性の有効成分の組み合わせによって、他農薬に対する耐性菌や抵抗性害虫への対策が求められてきたイネの重要病害虫の防除の課題を解決して、食糧の生産性向上に貢献する。

 「トルプロカルブ」は、同社が開発している新規原体の一つで、最新の研究の結果、いもち病菌に対して2つの作用機構を持つことが明らかになっている。「ピラキサルト」(一般名:トリフルメゾピリム)は、全国農業協同組合連合会(農協)とデュポン・プロダクション・アグリサイエンスが開発した新規殺虫剤であり、イネの重要害虫であるウンカ類に高い効果と長期残効を示し、新規作用で他農薬に抵抗性を示すウンカ類にも効果を発揮する。両剤は、それぞれイネの重要病害虫のいもち病とウンカ類に高い効果と長期残効を示す成分であり、農業生産現場で高く期待されている。

 三井化学アグロは両剤の混合剤として、「サンスパイク 箱粒剤」と「サンエース 箱粒剤」を販売する。九州では紋枯病も重要病害であり、近年は難防除病害である稲こうじ病も増加しているが、これらに有効な「モンガリット 粒剤」の有効成分であるシメコナゾールを加えた混合剤が「サンエース 箱粒剤」。「トルプロカルブ」は、2016年の販売開始以来、昨年までに13製品に利用されている。地域ごとの需要に対応する製品を揃え、「サンスパイク 箱粒剤」、「サンエース 箱粒剤」など製品の一層の充実を進めていく。

 三井化学アグロは、これからも独自性の高い新規原体の創製と農薬製品の開発を継続することで、食糧の生産性向上に貢献していく考えだ。