ダウ・アグロサイエンス日本 疫病菌などに有効な殺菌剤2製品を新発売

,

2018年12月17日

 ダウ・アグロサイエンス日本はこのほど、「ゾーベック」(一般名:オキサチアピプロリン)を有効成分とする2つの園芸用殺菌剤を販売開始した。新製品は「ゾーベック・エンカンティア」と「ゾーベック・エニベル」。

 米国デュポン社が開発した同製品の有効成分ゾーベックは、疫病菌やべと病菌に対して有効作用を持つ。新製品は、作用性の異なる成分からなる混合剤で、耐性菌の発達リスクを抑えるとともに、従来品「ゾーベック・エニケード」の防除効果はそのまま保たれている。また、浸透移行性や耐雨性に優れ、病原菌の生活環の全ステージにわたりこれらの作用をもたらす。

 登録作物は、ゾーベック エンカンティアがばれいしょ・レタス・ハクサイ、ゾーベック・エニベルがトマト・きゅうり・ブドウ。

帝人 機能性食品素材の第2弾、発酵性食物繊維を発売

,

2018年12月11日

 帝人は10日、発酵性食物繊維「イヌリア」の販売を開始すると発表した。同社ではスーパー大麦「バーリーマックス」に続く機能性食品素材の第2弾となる。製品仕様は、1箱30包入り(3g/包)、価格は1280円(税別)、製造元はファイン。アマゾンや楽天市場などで通信販売を行う。

 帝人は、水溶性食物繊維の代表的な素材であるイヌリンで、世界第2位のシェアを誇るオランダの食品素材メーカー・センサス社と、日本でのイヌリンの独占販売契約を締結しており、国内で「イヌリア」ブランドでの展開を図っている。そのマーケティング活動の加速のため今回、同素材を使用した自社製品の販売を始める。

 同社が国内で展開する「イヌリア」は、オランダ産チコリの根を抽出して製造するもので、高い腸内発酵力を特長としており、鎖長の異なる複数のラインアップにより、幅広い用途に使用できる。また、自然の甘みを生かして砂糖代替として、あるいは脂肪代替として用いることができ、カロリーを抑え、かつ食物繊維が摂取可能な飲料や食品の設計を可能にする。

 厚生労働省が実施した国民健康・栄養調査によると、日本人の食物繊維の平均摂取量は減少傾向にあり、2011年には1952年に比べて30%以上減少。2016年の1日当たりの平均摂取量は13.6グラム程度とされており、健康増進法で設定されている男性20g、女性18gという目標量に対して大きく不足している。

 こうした中、主にキク科の植物であるチコリなどから作られる、水溶性食物繊維の一種イヌリンは、水に溶けやすく、飲料や食品に容易に使用できることから、現代の日本人に不足している食物繊維を手軽に摂取できる食品素材として期待されている。

 帝人は「イヌリア」製品の販売開始を契機に、センサス社との連携を強化し、さらに製品開発や顧客開拓などのマーケティング活動を展開していく考え。機能性食品素材事業では、生まれた日から最後の日まで、人々の健康を支えることを目指して、今後も研究開発に取り組み、機能性食品素材のラインアップの拡充を図っていく。

DNP 植物工場向けシート型の面発光LED照明を発売

, ,

2018年12月7日

 大日本印刷(DNP)は6日、食料自給率の向上や安定供給、食の安全性向上などを背景として、今後の伸びが期待される人工光を利用した植物工場向けLED照明「DNPフレキシブルLEDシート」の量産を開始し、本格的な販売を開始すると発表した。

近年、従来の露地栽培による農作物の生産は、天候や病気、害虫の被害などによる影響を受けやすく、植物工場を利用した安定供給に注目が集まっている。また、食の安全意識の高まりも、無農薬・低農薬で栽培が可能な植物工場の需要増につながっている。

 同社は、印刷技術を発展させたフィルム加工技術と微細加工技術を活用して、高い反射性から光を有効活用して農作物の光合成を促進するとともに、防汚性にも優れた「DNP反射フィルム リフレモ」を提供。今回、植物工場向けに、薄くて軽く、栽培装置の天面や側面などに設置可能なシートタイプの面発光LED照明「DNPフレキシブルLEDシート」の本格展開を開始する。高い反射性を持つDNPの反射フィルムと組み合わせて利用することで、農作物の育成向上が図れる。

 植物工場向け栽培装置メーカーや植物工場の運営企業などに、同シートと反射フィルムを販売し、2021年までに年間25億円の売上を見込んでいる。今後も同社は、植物工場の生産性向上につながる製品、技術の開発に取り組み、「食」の安定供給、安心・安全に貢献していく考え。

 なお、幕張メッセで開催されている「第9回高機能フィルム展」(5~7日)の同社ブースで同製品を紹介している。

帝人フロンティア 「2020春夏スポーツウエア素材展」を開催

,

2018年12月6日

 帝人フロンティアは2020春夏スポーツウエア向けに、「新世代スポーツウエア」コンセプトと、新製品の「デルタSLX」などを提案する。4、5日に東京都中央区のプラザマームで開催した「2020春夏スポーツウエア素材展」で紹介した。

「新世代スポーツウエア」の製品例
「新世代スポーツウエア」の製品例

新世代スポーツウエアのコンセプトは、東京オリンピックの開催が迫る中で、スポーツ機能やスポーツテイストを生活全体に取り込んだスポーツライフスタイルウエアが求められているとの認識を基に提案。展示会では多様な快適素材を使った、スポーツでも、アスレジャーとしても使えるウエアの製品例を披露した。

 その一つ、高通気フィールドジャケットとパンツは、高通気素材の「エアインプレッション」を使用。ジャケットは高通気を保ちながら撥水性をもち、春夏の活動的なシーンを快適に過ごすことができる。パンツは高通気で衣服内コンディションを高め、快適運動と新しいシルエットを可能にした。

 また、新快適トラックジャケットとマルチフィールドパンツは、ポストジャージをコンセプトに開発。物性・機能・品位を高次元で融合させた「デルタ」を使い、リラックス感と表情豊かな外観、レトロなデザインにフレッシュな素材を加え、スポーツミックスの着こなしを可能にした。

 一方、素材の中で特に注力していたのが「デルタSLX」である。高バランス素材の「デルタ」とPTT繊維「ソロテックス」を糸の段階で融合させ、理想的な着圧感と高密度でナチュラルな質感を実現した。「デルタ」のソフトな伸びと「ソロテックス」の優れた復元性を複合することで、独自のストレッチ性も生み出した。さらに、吸汗速乾性、撥水性、強度・形態安定性、UVカット性・防透性なども兼ね備えている。

 同社ではこの新素材を、スポーツをはじめ、ファッション、学生服・ユニフォームなどの機能性衣料などへと幅広く用途展開する方針だ。展示会では、このほかに「涼感」「汗対応」「防水・防風」「ストレッチ」の快適四テーマに沿った素材など、スポーツの新しい流れをとらえた多様な素材を紹介していた。

旭化成 「フロッシュ」のベビー向け洗剤を来年2月に発売

,

2018年12月4日

 旭化成ホームプロダクツは3日、「Frosch(フロッシュ)」ブランドのベビー向け新商品、「フロッシュベビー ほ乳びん・食器洗い」を、来年2月1日に発売すると発表した。500ml入りで、希望小売価格は600円(税抜)。

フロッシュベビー
フロッシュベビー

 新商品は赤ちゃんのことを考えた「無香料・無着色・無リン」で、「弱酸性」「ノンアルコール処方」で手肌にやさしい、ほ乳びん用洗剤。ボトルも、愛らしいロゴが印象的なパステル調のデザインで、子育てに忙しい毎日をひととき癒してくれる。乳児期だけでなく、離乳食期にも、食器洗いとして継続して長く使うことができる。

 フロッシュは環境先進国ドイツで1986年に生まれ、世界40カ国以上で愛されているサステナブルハウスケアブランド。2012年に旭化成で食器用洗剤を販売開始後、現在では主婦の約70%の認知度を誇るブランドとなった。

 主力である〝生分解性〟で〝手肌にやさしい〟食器用洗剤を中心に、住居用洗剤カテゴリーの商品や衣料用洗剤・柔軟剤も販売しており、「衣・食・住」の洗剤カテゴリーを幅広くカバーしている。

 新商品により、同社は初めてベビーカテゴリーに進出。〝使う人の手肌にやさしい〟食器用洗剤として、今までフロッシュを使用したことがない人にも商品特性が理解され、試してもらえることを目指す。

 

旭化成 非加熱・非加圧で高度濃縮の新規膜システムを開発

,

2018年12月3日

 旭化成は30日、液体を非加熱・非加圧脱水し、成分を高濃度に濃縮することに適した独自の膜システムを開発したと発表した。

新規膜システムの貸出機(左から中型、小型)
新規膜システムの貸出機(左から中型、小型)

 同システムは、逆浸透膜法を使う場合に比べ、濃縮率が3倍程度に高められる。例えば、コーヒー液の濃縮では、10倍濃縮後でも液中の香味気成分を元の状態を保つことができ、固形成分の存在化でも運転が可能なことを確認した。

 現在、顧客への新規膜システムの貸出機を整備しており、今後は食品加工メーカーや医薬品メーカーへの貸し出しを開始していく予定だ。

 食品・飲料や医薬成分の濃縮は、香気・風味・その他有効成分の成分割合を高められ、輸送・保管コストの低減もできることから関心が高まっている。

 しかし、従来の濃縮技術である蒸留法や逆浸透膜法では加熱や加圧が必要なこと、あるいは原理的に高度濃縮することが難しい液体が多いことが、有効成分などの品質を保持したまま高度濃縮をする上で課題だった。

 そこで、これまでウイルス除去膜や水処理膜などの膜サプライヤーとして蓄積してきた独自の膜技術を生かし、従来技術の課題であった「熱や圧力に弱い成分を含む液体の高度濃縮」に適した新規膜システムの開発を行った。

 同社では、従来の技術では困難だった熱に弱い成分を含む液体などを非加熱・非加圧で脱水し、高度濃縮できる同システムの特長を生かし、食品・医薬産業などへの幅広い用途展開を図ることで、2020年の実用化を目指していく。

AGC 5G向け超低損失の石英ガラスアンテナを開発

,

2018年12月3日

 AGCはこのほど、伝送損失が低くて透明な5G向け合成石英ガラスアンテナの開発に成功した。今後、車載用や室内外用アンテナなどでの実用化に向けた研究開発を進め、来年からサンプル提供を開始する。

新開発の合成石英ガラスアンテナ
新開発の合成石英ガラスアンテナ

 あらゆるモノがインターネットに接続するIoTの時代を迎え、2020年頃から5Gの運用開始が見込まれている。同社は伝送損失が極めて低く、周波数28GHz帯以上を利用する機器デバイスやインフラに最適なアンテナの開発を進めてきた。

 今回開発した合成石英ガラスアンテナは、28GHz帯向けとして開発したアンテナ設計技術を、同社の合成石英ガラス「AQ」に適用させることにより、超低伝送損失特性を実現。また、独自の微細加工を行うことで、アンテナパターンを透明化することに成功した。

 視認エリアに設置しても美観や景観を損なわず、視界の遮りを極力抑えることができることから、車載用や室内外用といった分野で最適なアンテナになる可能性がある。

 同社グループは、長期経営戦略「2025年のありたい姿」で、モビリティとエレクトロニクス事業を戦略事業と位置付けている。

 中でも5Gの実用化を大きな事業機会と捉えており、これまでコネクテッドカー向けオンガラスアンテナや既存窓を基地局化できるガラスアンテナの開発、プリント基板用材料フッ素樹脂の生産増強、米国企業のプリント基板材料リジッドCCL(銅張積層板)事業部門の買収などに取り組んできた。

 今後も長年培ったガラス・電子・化学品・セラミックスの技術を複合化させ、次世代高速通信技術の発展に貢献するとともに、積極的に事業を拡大していく。

ダウ LDPE樹脂のポートフォリオをアジア地域で拡張

,

2018年12月3日

 ダウは30日、パッケージング・アンド・スペシャルティープラスチック事業部(P&SP)が、アジア太平洋地域でのパッケージングの課題への新しいソリューションとして、「AGILITY(アジリティー)」パフォーマンスLDPE樹脂のポートフォリオを拡張したと発表した。これにより、低速から中速度での薄型押出コーティングが可能になる。

 アジリティーEC7030パフォーマンスLDPE樹脂は、ダウ独自の次世代チューブラー法LDPEの新特許技術を基にした、アジア太平洋地域でのオートクレーブ法からチューブラー法への押出技術の移行に沿う新製品。この新しいグレードは、現行のアジリティー製品ファミリーを補完するもので、さまざまなライン速度とエンドユースに対応するソリューションを提供することが可能になった。

 アジリティーパフォーマンスLDPE樹脂は、従来のオートクレーブ法によるLDPE樹脂の性能条件を上回る。既存の製造設備の老朽化が課題となっているオートクレーブ法LDPEに持続可能な長期的ソリューションを提供する一方、軽量コーティングによる効率性の向上を実現する。

 アジリティーパフォーマンスLDPE樹脂の初期のグレードは、一般的に高速ライン向けに設計されており、無菌パッケージなどによってハイエンドな用途向けに適用されてきた。

 アジリティーEC7030の用途には、スナック包装、食品・薬品用小袋、ラミチューブ、紙コップ、医薬用パッケージ、液体用大型容器、剥離紙、防水シート/繊維織物、ジオメンブレンなどがある。

積水化学 新配合の塩化ビニル管用着色接着剤を発売

,

2018年11月30日

 積水化学工業の環境・ライフラインカンパニーは29日、新たに開発した硬質ポリ塩化ビニル管用着色接着剤「エスロン接着剤No.73Sバイオレット」を12月3日から発売すると発表した。

 同製品は紫色に着色した接着剤。従来の硬質ポリ塩化ビニル管用着色接着剤の特性(粘度、接着強度、透明継手使用時の接合部視認性など)はそのままに、軟質塩ビフロアシートへの染み出しを防止できる。

 同社では、従来から硬質ポリ塩化ビニル管の配管施工に使用する接着剤を販売している。近年では施工品質と施工管理性の向上を狙いとした開発を進め、接合部の接着剤塗布状況が目視で判別できることを目的とした色付き接着剤として、数多くの着色接着剤を品揃えしてきた。

 排水用途では、青色の「No.73Sブルー/No.75SブルーN」や、ブラックライトで照らすと発光し、暗いピット内配管などでの確認が容易な「No.73SUV」を、上水用途では、養生時間を大幅に短縮した超速乾接着剤「No.20Sホワイト」などがある。

 しかし、一般的に着色接着剤は、施工の際に誤って床に付着してしまうと、その上から軟質塩ビフロアシートを敷設した場合、数カ月から数年後に、表面に着色剤成分が染み出す事象が起きることが確認されている。

 実際に入居済みの建物で、フロアシートの貼り替えに大規模な改修工事が発生した事例も報告されており、工事店からも染み出しが発生しない製品への要望が寄せられていた。

 そこで、同社では軟質塩ビフロアシートへの着色剤成分の染み出しメカニズムを解明。原材料から設計を見直し、業界で初めて床材への染み出しを防止する新配合の硬質ポリ塩化ビニル管用着色接着剤を開発した。今後は配管用接着剤全体で、2020年度に売上高10億円を目指す。

 

帝人フロンティア 20春夏向けに着用快適性を追求した新素材を開発

,

2018年11月30日

 帝人フロンティアは29日、新素材「デルタSLX」を開発したと発表した。独自のストレッチ性能による理想的な着圧感、天然素材のような新しい風合いと外観を兼ね備え、着用快適性を追求した。

 2020年春夏向けスポーツウェア用の重点プロモーション素材と位置付け、今後、スポーツ向けを中心として幅広い用途に展開し、積極的に拡販を図る。

 新製品は既存の高バランス素材「デルタ」の特殊マイクロクリンプの技術と、「ソロテックス」のコイル状にクリンプさせるコンジュゲート技術を複合させることで、優れた着圧感と吸汗速乾性、軽量嵩高性を実現した。

 また、繊維のクリンプとランダムな配置を保つ編物・織物設計、染色加工技術を開発することにより、天然素材調の風合いと外観を持たせた。

 近年、スポーツウェア市場のトレンドが、アスリート向けの高機能アスレチックウェアから、アスレジャー志向のスポーツウェアヘと変化している。これに伴い、優れた機能性と、タウンウェアとしても着用できる、天然素材調のナチュラルな質感を兼ね備えた商品に対するニーズが高まっている。

 この市場変化に対し、同社ではこれまで「デルタ」シリーズをはじめとする、緻密で均一なクリンプのある生地で機能性や風合いを追求してきた。しかし、それでは天然素材調の質感を得ることができず、市場ニーズに応えることができていなかった。

 そこで、同社は異なるクリンプをもつ2種類の繊維をランダムに配置した、新しい構造の加工糸を開発。ソフトで密度感のある織編物構造とすることで、理想的な着圧感、天然素材のような風合いと外観を両立させることができた。

 今後はスポーツ用途をはじめ、ファッション用途、学生服・ユニフォームなどの機能性衣料用途などへと幅広く用途展開し、積極的に拡販。初年度(2019年度)に10万m、2020年度に50万m、2021年度には100万mの販売を目指す。